【令和8年2月公示】「高年齢者の労働災害防止のための指針」が示されました(2026/2/18更新)

厚生労働省より、「高年齢者の労働災害防止のための指針」が令和8年2月10日に公示されました。労働安全衛生法の改正を受け、高年齢労働者の特性に配慮した安全対策を事業者が講ずるよう努めるべき事項を示したものです。

 

 

■ 指針公示の背景

 近年、就業機会の拡大により高年齢者の就労が一般化する一方、転倒・墜落・腰痛などの労働災害は高年齢層で依然として多い状況があります。身体機能の変化や疾病リスクを踏まえた安全対策は、企業規模を問わず重要なテーマとなっています。

 今回の指針は、令和7年の労働安全衛生法改正(法律第33号)を受けて策定され、 高年齢者の特性に応じた作業環境の改善や作業管理のあり方を明確化するものです。

 

■ 指針の位置づけ

 指針は、労働安全衛生法第62条の2第2項に基づき、 事業者が「努めるべき措置」を示したものです。

 

▼ 主なポイント

・高年齢者の身体特性に配慮した作業環境の整備

・作業内容・作業量・休憩の取り方などの管理改善

・健康状態の把握や無理のない配置・作業計画

・教育・訓練の工夫(理解しやすい説明、実技中心など)

・転倒・腰痛・熱中症など、年齢に伴いリスクが高まる災害への重点対策

※詳細は厚生労働省が公開するPDF(指針本文)に整理されています。

 

■ 適用日:令和8年4月1日

 指針は 令和8年4月1日から適用 されます。 年度初めのタイミングであるため、企業としても準備がしやすい時期です。

 

■ 企業が今から準備しておきたいこと

 指針は努力義務とはいえ、労働災害防止の観点から実務的な意義は大きいものです。特に中小企業では、次のような点を早めに確認しておくとスムーズです。

 

▼ チェックしておきたい実務ポイント

・作業場の段差・照度・通路幅などの再点検

・重量物作業の負担軽減(補助具の導入など)

・高温・低温環境での休憩・水分補給ルールの見直し

・高年齢者の健康状態を踏まえた配置・作業計画

・教育資料の見直し(文字の大きさ、説明方法など)

・転倒災害防止のための靴・床材・清掃ルールの確認

 

■ まとめ

 高年齢者の就労は今後ますます増えるため、「高年齢者だから特別扱いする」のではなく、誰にとっても安全な職場づくりを進めることが結果的に全体の災害防止につながると感じます。

 今回の指針は、事業者が取り組むべき方向性を整理した“ベースライン”です。 これを機に、職場の安全対策を総点検する良いタイミングになるでしょう。

 

 詳細は、以下よりご確認願います。

 

 

令和7年「高年齢者雇用状況等報告」(6月1日現在)の集計結果を公表(2025/12/20更新)

  厚生労働省では、令和7年「高年齢者雇用状況等報告」(6月1日現在)の集計結果を取りまとめ公表しております。

 

(出典:厚生労働省「令和7年「高年齢者雇用状況等報告」別表)

 

「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では、事業主が雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用の確保を目的として、「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じることを、事業主に義務付けています。

 また、70歳までの就業機会の確保を目的として、「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」という雇用による措置や、「業務委託契約を締結する制度の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」という雇用以外の措置(創業支援等措置)を講じ、70歳までの就業機会を確保すること(高年齢者就業確保措置)を、事業主の努力義務としています。

 今回の集計結果は、常時雇用する労働者が21人以上の企業237,739社からの報告に基づき、このような高年齢者の雇用等に関する措置について、令和7年6月1日時点での企業における実施状況等をまとめたものです。

【集計結果の主なポイント】※[ ]は対前年差

Ⅰ 65歳までの高年齢者雇用確保措置の実施状況 

 65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%[変動なし] 

 ・中小企業では99.9%[変動なし]、大企業では99.9%[0.1ポイント減少] 

 ・高年齢者雇用確保措置の措置内容の内訳は、 

  「継続雇用制度の導入」により実施している企業が65.1%[2.3ポイント減少]、

  「定年の引上げ」により実施している企業は31.0%[2.3ポイント増加] 

 

Ⅱ 70歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況

 70 歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は34.8%[2.9ポイント増加] 

 ・中小企業では35.2%[2.8ポイント増加]、大企業では29.5%[4.0ポイント増加] 

 

Ⅲ 企業における定年制の状況

 65歳以上定年企業(定年制の廃止企業を含む)は34.9%[2.3ポイント増加]

 

 詳細は、以下よりご確認願います。

 

 

高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会 報告書(案)について(2025/12/15更新)

厚生労働省は、令和7年12月8日に開催された「第4回 高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会」の資料を公開しております。

 

 

 今回、高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会 報告書(案)が掲載されておりますので、概要について一部抜粋してご紹介します。

 

 令和7年5月に公布された改正労働安全衛生法第62条の2(令和8年4月1日施行予定)により、高年齢労働者の特性に配慮した必要な措置を講ずることが事業者による努力義務とされ、事業者が講ずべき措置に関し、厚生労働大臣がその適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を公 表することとされております。

 このため、高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会では、高年齢労働者の労働災害の分析及びその低減のため必要な方策等、今後の高年齢労働者の労働災害防止対策について検討が行われました。

 

〇高年齢者をめぐる現状等

・雇用者全体に占める60歳以上の高年齢者の割合は19.1%(令和6年)、労働災害による休業4日以上の死傷者数に占める60歳以上の高年齢労働者の 割合は30.0%(同)となっている。

 

休業4日以上の死傷災害の度数率は、加齢に応じ上昇していく傾向がある。また、休業見込期間をみると年齢が上がるにしたがって長期間となって いる。 

 

高年齢者の災害発生率の増加には、個人によりばらつきはあるが、業務に起因する労働災害リスクに、加齢とともに進む筋力やバランス能力等の身体機能や身体の頑健さの低下による労働災害リスクが付加されていることが大きいと考えられる。 

 

・厚生労働省では「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)を策定し、各種対策の取組を促して いるが、ガイドラインの認知や取組状況は必ずしも十分でない。また、厚生労働省では、エイジフレンドリー補助金により事業者の取組を支援している。

 

〇検討結果

厚生労働大臣が公表する指針(大臣指針)等の検討を行った結果は次のとおり。

 ・大臣指針について

 安全衛生管理体制の確立、職場環境の改善、高年齢労働者の健康や体力の状況の把握、高年齢労働者の健康や体力の状況に応じた対策、安全衛生教育、 労働者と協力して取り組む事項、国、団体等による支援の活動について大臣指針に盛り込むこと。また、措置の効果的な実施に資するよう、通達等にお いて、大臣指針に関連する情報を盛り込むことが適当。

 

 ・大臣指針に基づく措置の促進等について 

 大臣指針の周知のためのリーフレット、パンフレット等を作成するとともに、都道府県労働局、労働基準監督署等を通じた周知・広報や、関係事業者への指導等を行う等、大臣指針の認知度の向上や定着に積極的に取り組むことが適当。また、調査研究により科学的知見の集積に努め、調査研究結果や 大臣指針に基づく取組の状況等をみつつ、必要な対応について検討を行うことが適当。

 

 また、高年齢者の労働災害防止のための指針(仮称)(案)概要は以下の通りです。

第1 趣旨

第2 事業者が講ずべき措置

1 安全衛生管理体制の確立

⚫経営トップによる方針表明と体制整備 

⚫高年齢者の労働災害防止のためのリスクアセスメントの実施

2 職場環境の改善 

⚫身体機能の低下を補う設備・装置の導入 

⚫高年齢者の特性を考慮した作業管理

3 高年齢労働者の健康や体力の状況の把握 

⚫健康状況の把握 

⚫体力の状況の把握 

⚫健康や体力の状況に関する情報の取扱い

4 高年齢者の健康や体力の状況に応じた対応 

⚫個々の高年齢者の健康や体力の状況を踏まえた対応 

⚫高年齢者の状況に応じた業務の提供 

⚫心身両面にわたる健康保持増進措置

5 安全衛生教育 

⚫高年齢者に対する教育 

⚫管理監督者等に対する教育

第3 労働者と協力して取り組む事項

第4 国、関係団体等による支援

 

 その他、詳細は、以下よりご確認願います。

 

 

高年齢者の労働災害防止のための指針案等について(2025/11/11更新)

厚生労働省は、令和7年11月5日(水)に開催された第3回「高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会」の資料を公開しております。

 

 資料の中に、「高年齢者の労働災害防止のための指針案等について」が掲載されております。

 

 

資料では、以下の各論点について、

・これまでの御意見

・対応方針

・指針案(エイジフレンドリーガイドラインとの対比)

・通達に盛り込む事項

が記載されています。

 

論点1 趣旨

第2 事業者が講ずべき措置

論点2 安全衛生管理体制の確立等

(1)経営トップによる方針表明及び体制整備

(2)危険源の特定等のリスクアセスメントの実施

論点3 職場環境改善の事項 

(1)身体能力の低下を補う設備・装置 

(2)高年齢労働者の特性を考慮した作業管理

論点4 高年齢労働者の体力の把握方法 

(1)健康状況の把握 

(2)体力の状況の把握 

(3)健康や体力の状況に関する情報の取扱い

論点5 高年齢労働者の体力に応じた対応 

(1)個々の高年齢労働者の健康や体力の状況を踏まえた措置 

(2)高年齢労働者の状況に応じた業務の提供 

(3)心身両面にわたる健康保持増進措置 

論点6 安全衛生教育 

(1)高年齢労働者に対する教育 

(2)管理監督者等に対する教育

論点7 労働者と協力して取り組む事項 

論点8 国、関係団体等による支援 

   大臣指針に基づく措置の促進等について 

(1)周知・広報等について 

(2)調査・研究・その他について 

 

 この中から、論点5 高年齢労働者の体力に応じた対応(2)高年齢労働者の状況に応じた業務の提供について、一部抜粋してご紹介します。

 

〇これまでの御意見

・高齢者の体力の低下に伴って、配慮が重要であり、当該労働者を排除しないことを含めて、指針に書き込みをしていただきたい。 

・高齢者は体力がないから仕事から排除するということにならないようにすべき。 

・高齢者の場合、定年退職後、それまでやっていた仕事とは別の内容の仕事に就くことが多い。しかもその内容としては、倉庫業務やビ ル管理、清掃、介護業務など肉体労働的なものが多くなる。このことが職務内容の違いと相互に作用して、労働災害につながっている可能性がある。この視点での調査と、それを踏まえた対策が必要ではないか。 

・在宅勤務者は1日の歩数が、在宅勤務をしていない人より少なく身体活動が低い集団であり、在宅勤務者が久々に出勤したら、階段で転倒して骨折したなどの事例があり、在宅勤務が長期に及ぶと、筋力等の身体機能が低下することにも配慮が必要。

 

〇対応方針

・高年齢者の業務内容の決定に当たっては、健康や体力の状況に応じて、適合する業務をマッチングさせること、さらに個々の労働者の状況に応じた対応を行う際には、業務内容に応じ、健康や体力の状況のほか、職場環境の改善状況も含め検討すること等を指針に記載 する。 

・在宅勤務が長期間に及ぶと筋力等の身体機能が低下する場合があることに留意することを通達に記載する。

 

〇通達に盛り込む事項

・在宅勤務が長期間に及ぶと筋力等の身体機能が低下する場合があることに留意すること。

 

 その他、詳細は、以下よりご確認願います。

 

 

令和7年版高齢社会白書を公表(2025/6/12更新)

内閣府は、令和7年版高齢社会白書を公表しております。

令和7年版は以下の内容で構成されております。

 

 

第1章 高齢化の状況 

第1節及び第2節 

 高齢化の状況及び高齢期の暮らしの動向(高齢化の推移と将来推計、 健康寿命と平均寿命の推移、年齢階級別就業者数及び就業率の推移、 65歳以上の一人暮らしの者の動向)  

第3節 

〈特集①〉高齢者の経済生活をめぐる動向について

 

第2章 令和6年度高齢社会対策の実施の状況  

第1節 高齢社会対策の基本的枠組み  

第2節 分野別の施策の実施の状況(令和6年度に各府省庁が講じた施策) 

1 就業・所得 2 健康・福祉 3 学習・社会参加 4 生活環境 5 研究開発・国際展開等  

第3節 〈特集②〉新たな高齢社会対策大綱の策定について

 

第3章 令和7年度高齢社会対策  

第1節 令和7年度の高齢社会対策の基本的な取組  

第2節 分野別の高齢社会対策(令和7年度の各府省庁の主な施策) 

1 就業・所得 2 健康・福祉 3 学習・社会参加 4 生活環境 5 研究開発・国際展開等

 

 概要版より一部抜粋してご紹介します。(下線は筆者加筆)

第1章 高齢化の状況  【第1節】高齢化の状況及び【第2節】高齢期の暮らしの動向

〇高齢化率は29.3% 

・我が国の総人口は、令和6年10月1日現在、1億2,380万人。 

・65歳以上人口は、3,624万人。総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は29.3%。 

・「65~74歳人口」は1,547万人、総人口に占める割合は12.5%。「75歳以上人口」は2,078万人、総人口に占 める割合は16.8%で、65~74歳人口を上回っている。 

・令和52(2070)年には、2.6人に1人が65歳以上、約4人に1人が75歳以上。

 

〇健康寿命は横ばい 

・健康上の問題で日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、令和4年時点で男性が72.57年、女性が75.45年 となっており、令和元年までは延伸していたが、令和元年と4年を比較するとほぼ横ばいとなっている。

 

〇65歳以上の就業者数及び就業率は上昇 

65歳以上の就業者数及び就業率は上昇。 

・65歳以上の就業者数は21年連続で前年を上回っている。 

・就業率は10年前の平成26年と比較して65~69歳で13.5ポイント、70~74歳で11.1ポイント、75歳以上 で3.9ポイントそれぞれ伸びている。

 

【第3節】〈特集①〉高齢者の経済生活をめぐる動向について

〇収入を伴う仕事をしている割合は増加 

 全体で見ると、「現在、定期的に収入を伴う仕事をしている」又は「現在、不定期ではあるが、収入を伴う仕事をしている」と回答した割合(仕事をしている割合)は4割を超えており、前回調査(令和元年)時 と比較して上昇している。なお、65歳以上について見ると、定期・不定期合わせて「仕事をしている」と 回答した割合は35.6%となっている。

 

〇高齢期における就業意欲は高まっている 

 全体で見ると、「65歳くらいまで」と回答した割合が約2割で最も高い一方、「働けるうちはいつまでも」 と回答した割合も2割を超えており、「75歳くらいまで」、「80歳くらいまで」又は「働けるうちはいつまでも」 と回答した割合を合計すると4割を超える。 

 前回調査時と比較すると、「75歳くらいまで」、「80歳くらいまで」又は「働けるうちはいつまでも」と回 答した割合は上昇しており、高齢期における就業意欲の高まりがみられる

 

〇具体的な不安として特に物価上昇を挙げる人が多い 

 経済的な面の不安について見ると、「物価が上昇すること」と回答した割合が7割以上で最も高く、次いで、 「収入や貯蓄が少ないこと」「自力で生活できなくなり、転居や有料老人ホームへの入居費用がかかること」、「災害により被害を受けること」、「自分や家族の医療・介護の費用がかかりすぎること」が高い。 

 こうした傾向を踏まえると、高齢期における就業促進による安定的な収入確保のほか、若年期からの資産形成の促進や介護予防の推進を図っていくことが重要である

 

 その他、詳細は、以下よりご確認ください。

 

 

令和6年「高年齢者雇用状況等報告」(6月1日現在)の集計結果を公表(2024/12/22更新)

厚生労働省では、令和6年「高年齢者雇用状況等報告」(6月1日現在)の集計結果を取りまとめ公表しております。

 

 「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では、65歳までの雇用の確保を目的として、「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じるよう、企業に義務付けています。

 

   加えて、70歳までの就業機会の確保を目的として、「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」という雇用による措置や、「業務委託契約を締結する制度の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」という雇用以外の措置のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるように努めることを企業に義務付けています。

 

【集計結果の主なポイント】※[ ]は対前年差

Ⅰ 65歳までの高年齢者雇用確保措置の実施状況

 65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%[変動なし] 

 ・中小企業では99.9%[変動なし]、大企業では100.0%[0.1ポイント増加] 

 ・高年齢者雇用確保措置の措置内容別の内訳は、 

  「継続雇用制度の導入」により実施している企業が67.4%[1.8ポイント減少]、 

  「定年の引上げ」により実施している企業は28.7%[1.8ポイント増加] 

 

 

Ⅱ 70歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況

 70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は31.9%[2.2ポイント増加] 

 ・中小企業では32.4%[2.1ポイント増加]、大企業では25.5%[2.7ポイント増加] 

 

Ⅲ 企業における定年制の状況

 65歳以上定年企業(定年制の廃止企業を含む)は32.6%[1.8ポイント増加]

 

 詳細は、以下よりご確認ください。

 

 

『データでみる70歳以上の定年・継続雇用制度 の導入効果と工夫』を公刊(JEED)(2024/10/16更新)

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構は、『データでみる70歳以上の定年・継続雇用制度 の導入効果と工夫』を公刊しました。

 

 

 本調査は、2023年11月20日から2024年1月24日 に、令和4年度の高年齢者雇用状況等報告において、希望者全員70歳以上まで雇用する仕組みがあると報告した企業のうち、常用労働者数が21名以上かつ公務や宗教、政治団体を除くすべての業種等に対して郵送により行われたもので、6349社(配付数2万社)から有効回答を得たものを取りまとめたものです。

 

【調査結果の概要】 

・70歳以上の定年制・継続雇用制度を導入した理由は、「人手不足に対応するため」と「高齢者の優れた技術・技能を活用するため」の概ねどちらか

 前者が58.1%、後者が41.2%

 

・現在の定年制・継続雇用制度を導入した主な効果(「非常にあてはまる」と「ある程度、あてはまる」の合計)

 「高齢層が雇用の不安なしに安心して働けるように なった」(80.5%)、「人手を確保することができた」(78.7%)、「管理職が「65歳以降社員」を戦力として活用するようになった」(56.8%)、「「65歳以降社員」の仕事への意欲が高まっ た」(57.2%)、「「65歳以降社員」が知識や経験を若者に伝えるようになった」(51.0%)。

 

・「65歳以降社員」が「専門能力・技術、知識、指導力」と「労働意欲、仕事の丁寧さ、勤勉さ」を発揮していると評価する企業(「発揮している」と「ある程度、発揮している」の合計)は、共に91.0%。 

 

・「65歳以降社員」に期待する役割は、「第一線での活躍」と「現役社員(59歳以下の正社員)に対する支援・応援」のどちらか

 前者が61.4%、後者が36.2%。 

 

・「65歳以降社員」の処遇の決め方に関する企業の考え方は、「働きぶりにより個人差を大きくする方針」と 「個人差を設けない方針」のどちらか

 前者が46.2%、後者が51.2%である。

 

 詳細は、以下よりご確認ください。

https://www.jeed.go.jp/elderly/data/sankousiryou/q2k4vk00000520b1-att/kikale000000866i.pdf

 

「高齢者の活躍に取り組む企業の事例」を掲載(JEED)(2024/10/6更新)

独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構では、高年齢者活用企業事例サイトにおいて、「高齢者の活躍に取り組む企業の事例」を紹介しております。

 

 

 高齢者が年齢にかかわりなく活躍できるように、スキルに応じた処遇を進め、各企業が個々の実態に応じて、役職定年・定年制の見直し等を検討する際の参考となるよう、高齢者の人事・給与制度の工夫に取り組む企業の事例が掲載されております。

 

 9月30日時点で14社の事例が掲載されております。規模の大きい会社の事例ですが、参考になる部分もあると思います。ご興味のある方は、参照されてみてはいかがでしょうか。

 

 詳細は、以下よりご確認ください。

 

 

令和6年版「高齢社会白書」を公表(内閣府)(2024/6/24更新)

内閣府は、令和6年版「高齢社会白書」(令和6年6月21日閣議決定)を公表しました。(6月21日)

 

 高齢社会白書は、高齢社会対策基本法に基づき、平成8年から毎年政府が国会に提出している年次報告書であり、高齢化の状況や政府が講じた高齢社会対策の実施の状況、また、高齢化の状況を考慮して講じようとする施策について明らかにしているものです。

 

 令和6年版高齢社会白書は、「令和5年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」、「令和6年度 高齢社会対策」という2つの部分から構成されています。

 

 白書の中から一部抜粋してご紹介します。(下線は筆者が加筆)

 

第1章 高齢化の状況

【第1節】高齢化の状況

・我が国の総人口は、令和5年10月1日現在、1億2,435万人。

・65歳以上人口は、3,623万人。総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は29.1%。 

・「65~74歳人口」は1,615万人、総人口に占める割合は13.0%。「75歳以上人口」は2,008万人、総人口に占 める割合は16.1%で、65~74歳人口を上回っている。 

・令和52(2070)年には、2.6人に1人が65歳以上、約4人に1人が75歳以上。

 

【第2節】高齢期の暮らしの動向

(1)労働力人口に占める65歳以上の者の比率は上昇傾向

 令和5年の労働力人口は、6,925万人であっ た。労働力人口のうち65~69歳の者は394万人、70歳以上の者は537万人であり、労働力人口総数に占める65歳以上の者の割合は13.4%と長期的には上昇傾向にある。

 

 令和5年の労働力人口比率(人口に占 める労働力人口の割合)を見ると、65~69歳 では53.5%、70~74歳では34.5%となっており、いずれも上昇傾向である。75歳以上は11.5%となり、平成27年以降上昇している。

 

(2)就業状況

ア 就業者数及び就業率は上昇している 

 65歳以上の就業者数及び就業率は上昇傾向であり、特に65歳以上の就業者数を見ると20年連続で前年を上回っている。また、就業率については10年前の平成25年と比較して65~69 歳で13.3ポイント、70~74歳で10.7ポイント、 75歳以上で3.2ポイントそれぞれ伸びている。

 

イ 「医療,福祉」の65歳以上の就業者は10年前の約2.4倍に増加 

 令和5年における65歳以上の就業者を主な産業別に見ると、「卸売業,小売業」が132万人と最も多く、次いで「医療,福祉」が107万人、「サービス業(他に分類されないもの)」が104万人、「農業,林業」が99万人などとなっている。

 

 令和5年における産業別の65歳以上の就業者を10年前と比較すると、「医療,福祉」が63万人増加し、10年前の約2.4倍となっている。

 

 令和5年における各産業の就業者に占める65歳以上の就業者の割合を見ると、「農業,林業」が52.9%と最も高く、次いで「不動産業,物品賃貸業」26.6%、「サービス業(他に分類されな いもの)」が22.7%、「生活関連サービス業,娯楽業」が19.6%などとなっている。

 

ウ 60代後半の男性の6割以上、女性の4割以上が就業している 

 男女別に就業状況を見ると、男性の場合、就業者の割合は、60~64歳で84.4%、65~69歳で61.6%となっており、65歳を過ぎても、多くの人が就業している。また、女性の就業者の割合は、60~64歳で63.8%、65~69歳で43.1%となっている。さらに、70~74歳では、男性の就業者の割合は42.6%、女性の就業者の割合は 26.4%となっている。

 

オ 現在収入のある仕事をしている60歳以上の者のうち、「働けるうちはいつまでも」 働きたいと回答した者が約4割 

 現在収入のある仕事をしている60歳以上の者については約4割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答しており、70歳くらいまで又はそれ以上との回答と合計すれば、約9割が高齢期にも高い就業意欲を持っている様子がうかがえる。

 

カ 70歳までの高年齢者就業確保措置を実施している企業は約3割 

 従業員21人以上の企業23万7,006社のうち、高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業の割合は99.9%(23万6,815社)となっている。 

 一方で、70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は29.7%(7万443社)となっており、従業員301人以上の企業では22.8%と低くなっている。

 

 詳細は、以下よりご確認ください。

 

 

「令和6年高年齢者及び障害者の雇用状況報告」について(2024/5/29更新)

東京労働局は、「令和6年高年齢者及び障害者の雇用状況報告」について特集ページを作成し、手続きに関する情報を掲載しております。

 

 

 事業主は、毎年6月1日現在の「高年齢者の雇用に関する状況(高年齢者雇用状況等報告)」及び「障害者の雇用に関する状況(障害者雇用状況報告)」を厚生労働大臣に報告(提出は事業所所在地管轄のハローワーク)することが法律で義務付けられております。

 

 特集ページでは、報告書様式、記入方法などが掲載されております。

記入方法には、以下の情報が掲載されております。

・記入要領(高齢者雇用状況等報告)
・記入要領(障害者雇用状況報告)
・高年齢者雇用状況等報告の記入方法に関するQ&A

 

 報告期限は、令和6年7月16日(火)です。
 提出方法:デジタル庁e-Gov電子申請システムを使用する電子申請による方法のほか、事業所所在地管轄ハローワークあて郵送または来所による方法になります。

 

 期限までに忘れずにご報告願います。

詳細は、以下よりご確認ください。

 

 

高年齢者雇用確保措置の経過措置の終了に関するリーフレットのご紹介(2024/5/5更新)

 厚生労働省は、高年齢者雇用確保措置の経過措置の終了に関するリーフレットを作成し公表しております。

 

 

 2012(平成24)年度までに、労使協定により継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた事業主は、2025(令和7)年3月31日までは、経過措置として老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢以上の年齢の者について継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることが認められています。
 2025(令和7)年4月1日以降は、高年齢者雇用確保措置として、以下のいずれかの措置を講じる必要があります。
(※経過措置の終了によって、2025(令和7)年4月1日以降、65歳までの定年の引き上げが義務になるわけではありません。)

 

・定年制の廃止

・65歳までの定年の引き上げ

・希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入

 

 詳細は、以下よりご確認ください。

https://www.kourei-koyou.mhlw.go.jp/wp-content/uploads/2024/04/851f2bebebd821282cdaf7ac4ab6ead4.pdf

  

「高齢者雇用対策ラボ」のご紹介(2023/2/26更新)

厚生労働省が運営するWEBサイト「高齢者雇用対策ラボ」をご紹介します。

 高齢者が希望に応じて活躍できる環境整備に向け、情報ポータルサイト「高齢者雇用対策ラボ」を公開しております。
 事業主に課されている義務や努力義務、相談支援や仕事のあっせんサービス、助成制度など、ご本人のみならず、企業や自治体の方にとっても役立つ情報を幅広く発信しております。

 

 

 事業主の方向け、高齢者の方向けについて、以下ご紹介致します。

 

◆事業主の方へ

〇高年齢者雇用安定法では、以下の点が規定されております。

1.60歳以上定年の義務(定年年齢の下限)、

2.65歳までの雇用確保の義務(高年齢者雇用確保措置)、

3.70歳までの就業確保の努力義務(高年齢者就業確保措置)

 

これらについて、制度の概要が記載されております。

 

〇高年齢者が働き続けるための支援制度

以下の支援制度が紹介されております。

・高年齢者が働く環境の整備に対する助成金(65歳超雇用推進助成)

 

・65歳超雇用推進プランナー等による相談・援助、その他支援サービス

 

・高齢者雇用に関するイベント・啓発活動

 

・高齢者雇用に関する情報提供

 以下のツールや事例集等が紹介されております。

 ★70歳雇用事例サイト支援ツール

 ★70歳雇用推進マニュアル、70歳雇用推進事例集・65歳超雇用推進事例集

 ★高年齢者雇用に関する事例集

 ★産業別高齢者雇用推進事業

 

・高年齢労働者の安全衛生対策

 

〇中高年齢者等の再就職のための事業主の義務・努力義務

以下3つの義務・努力義務について概要が記載されております。

・再就職援助措置

・求職活動支援書

・多数離職届

 

〇高年齢者の再就職のための支援制度

以下の2つの制度が紹介されております。

・特定求職者雇用開発助成金

・キャリア人材バンク

 

◆高齢者の方へ

〇企業等で働き続けるための制度

以下の制度についての概要が記載されております。

・定年・企業における雇用確保・就業確保

・継続雇用制度

・継続雇用制度を利用した有期雇用労働者の無期転換申込権の特例

・創業支援等措置について

・高齢者雇用に関するイベント・啓発活動

・高齢者雇用に関する情報提供

・高年齢労働者の安全衛生対策

 

〇再就職・就職するための制度

以下の支援制度についての概要が記載されております。

・再就職援助措置

・求職活動支援書

・生涯現役支援窓口の再就職支援

・シルバー人材センターの生きがい就労支援 

 

 詳細は、以下よりご確認ください。

https://www.kourei-koyou.mhlw.go.jp/

 

高年齢者雇用安定法改正について、就業規則の規定例を公開(2021/3/1更新)

厚生労働省は、高年齢者雇用安定法の改正についての特集ページで、

 

・パンフレット(詳細版):高年齢者雇用安定法改正の概要

・高年齢者雇用安定法Q&A(高年齢者就業確保措置関係)(令和3年2月26日時点版)

・創業支援等措置の実施に関する計画の記載方法について

の資料が更新されたり、新たに追加されております。

 

l高年齢者雇用安定法は、令和2年3月に改正され、令和3年4月から施行されます。

事業主は、65 歳までの雇用確保措置を講じること(義務)に 加えて、65 歳から 70 歳までの就業機会を確保することが努力義務とされました。 

 

今回、Q&Aに、就業規則改定の記載例が追加されました。

[例1] 定年を満70歳とする例

[例2] 定年を満65歳とし、その後希望者全員を継続雇用する例

[例3] 定年を満60歳とし、その後希望者を継続雇用する例(満65歳以降は対象者基準あり)

[例4] 定年を満65歳とし、その後希望者の意向を踏まえて継続雇用または業務委託契約を締結する例(ともに対象者基準あり)

 

個人的な見解としては、努力義務で、かつ、コロナで経済状況の先行きが見えない状況の中で、現実的な対応としては、例3が多くなるのではないかと思います。

 

例3の規定例を以下ご紹介します。(今回の改正部分のみ資料より抜粋)

 

3 前項の規定に基づく継続雇用の満了後に、引き続き雇用されることを希望し、解雇事由又は退職事由に該当しない労働者のうち、次の各号に掲げる基準のいずれにも該当する者については、満70歳までこれを継続雇用する。

(1)過去○年間の人事考課が○以上である者 

(2)過去○年間の出勤率が○%以上である者 

(3)過去○年間の定期健康診断結果を産業医が判断し、業務上、支障がないと認められた者

 

その他、詳細は、以下をご確認ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1_00001.html