厚生労働省は、令和5年10月末時点の外国人雇用についての届出状況を取りまとめ公表しております。
外国人雇用状況の届出制度は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に基づき、外国人労働者の雇用管理の改善や再就職支援などを目的とし、すべての事業主に、外国人の雇入れ・離職時に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることを義務付けています。
〇届出状況のポイント
・外国人労働者数は 2,048,675人で前年比225,950人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最高を更新し、対前年増加率は12.4%と前年の5.5%から6.9ポイント上昇。
・外国人を雇用する事業所数は318,775所で前年比19,985所増加、届出義務化以降、過去最高を更新し、対前年増加率は6.7%と前年の4.8%から1.9ポイント上昇。
・国籍別
ベトナムが最も多く518,364人(外国人労働者数全体の25.3%)、次いで中国397,918人(同19.4%)、フィリピン226,846人(同11.1%)の順。
・在留資格別
「専門的・技術的分野の在留資格」が対前年増加率として最も大きく595,904人、前年比115,955人(24.2%)増加、次いで「技能実習」が412,501人、前年比69,247人(20.2%)増加、「資格外活動」が352,581人、前年比21,671人(6.5%)増加、「身分に基づく在留資格」が615,934人、前年比 20,727 人(3.5%)増加。一方、「特定活動」は 71,676 人、前年比 1,687 人(2.3%)減少。
詳細は、以下よりご確認ください。
出入国在留管理庁では、令和5年11月24日に開催された「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第16回)」の資料を公開しております。
資料として、有識者会議の最終報告書(案)が掲載されております。
最終報告書(案)(概要)より一部抜粋してご紹介します。
① 見直しに当たっての基本的な考え方
◆見直しに当たっての3つの視点(ビジョン)
1. 外国人の人権保護
外国人の人権が保護され、労働者としての権利性を高めること
2. 外国人のキャリアアップ
外国人がキャリアアップしつつ活躍できる分かりやすい仕組みを作ること
3. 安全安心・共生社会
全ての人が安全安心に暮らすことができる外国人との共生社会の実現に資するものとすること
◆見直しに当たっての4つの方向性
1 技能実習制度を、人材確保と人材育成を目的とする新たな制度とするなど、実態に即した見直しとすること
2 外国人材に日本が選ばれるよう、技能・知識を段階的に向上させその結果を客観的に確認できる仕組みを設けることでキャリアパスを明確化し、新たな制度から特定技能への円滑な移行を図ること
3 人権保護の観点から、一定要件の下で本人意向の転籍を認めるとともに、監理団体等の要件厳格化や関係機関の役割の明確化等の措置を講じること
4 日本語能力を段階的に向上させる仕組みの構築や受入れ環境整備の取組により、共生社会の実現を目指すこと
◆留意事項
1 現行制度の利用者等への配慮
見直しにより、現行の技能実習制度・特定技能制度の利用者に無用な混乱や問題が生じないよう、また、不当な不利益や悪影響を被る者が生じないよう、きめ細やかな配慮をすること
2 地方や中小零細企業への配慮
とりわけ人手不足が深刻な地方や中小零細企業においても、人材確保が図られるように配慮すること
② 提言
1 新制度及び特定技能制度の位置付けと関係性等
・基本的に3年の育成期間で、特定技能1号の水準の人材に育成。
・特定技能制度は、適正化を図った上で現行制度を存続。
2 新制度の受入れ対象分野や人材育成機能の在り方
・受入れ対象分野は、現行の技能実習制度の職種等を機械的に引き継ぐのではなく新たに設定し、特定技能制度における「特定産業分野」の設定分野に限定。
・従事できる業務の範囲は、特定技能の業務区分と同一とし、「主たる技能」を定めて育成・評価(育成開始から1年経過・育成終了時までに試験を義務付け)。
・季節性のある分野(農業・漁業)で、実情に応じた受入れ・勤務形態を検討。
3 受入れ見込数の設定等の在り方
・新制度でも受入れ対象分野ごとに受入れ見込数を設定(受入れの上限数として運用)。
・新制度及び特定技能制度の受入れ見込数や対象分野は経済情勢等の変化に応じて適時・適切に変更。
4 新制度での転籍の在り方
・「やむを得ない場合」の転籍の範囲を拡大・明確化し、手続を柔軟化。
・これに加え、以下を条件に本人の意向による転籍も認める。
⇒計画的な人材育成等の観点から、一定要件(同一機関での就労が1年超/技能検定試験基礎級・日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5等)合格/転籍 先機関の適正性(転籍者数等))を設け、同一業務区分に限る。
・転籍前機関の初期費用負担につき、正当な補填が受けられるよう措置を講じる。
・育成終了前に帰国した者につき、それまでの新制度による滞在が2年以下の場合、前回育成時と異なる分野・業務区分での再入国を認める。
5 監理・支援・保護の在り方
・技能実習機構の監督指導・支援保護機能や労働基準監督署・地方出入国在留管理局との連携等を強化し、特定技能外国人への相談援助業務を追加。
・監理団体の許可要件等厳格化。
6 特定技能制度の適正化方策
・新制度から特定技能1号への移行は、以下を条件。
①技能検定試験3級等又は特定技能1号評価試験合格
②日本語能力A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等)合格
・試験不合格となった者には再受験のための最長1年の在留継続を認める。
・支援業務の委託先を登録支援機関に限定し、職員配置等の登録要件を厳格化 /支援実績・委託費等の開示を義務付け。キャリア形成の支援も実施。
7 国・自治体の役割
・入管、機構、労基署等が連携し、不適正な受入れ・雇用を排除。
・業所管省庁は、受入れガイドライン・キャリア形成プログラム策定、分野別協 議会の活用等。
8 送出機関及び送出しの在り方
・二国間取決め(MOC)により送出機関の取締りを強化。
・支払手数料を抑え、外国人と受入れ機関が適切に分担する仕組みを導入。
9 日本語能力の向上方策
・継続的な学習による段階的な日本語能力向上。
・日本語支援に取り組んでいることを優良受入れ機関の認定要件に。
10 その他(新たな制度に向けて)
・政府は、人権侵害行為に対しては現行制度下でも可能な対処を迅速に行う。
・政府は、移行期間を十分に確保するとともに丁寧な事前広報を行う。
・現行制度の利用者等に不当な不利益等を生じさせないよう十分な配慮を行う。
・本人意向の転籍要件に関する就労期間について、当分の間、分野によって1年を超える期間の設定を認めるなど、必要な経過措置を設けることを検討。
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/03_00005.html
出入国在留管理庁は、令和5年10月18日に開催された「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第12回)」の資料を公開しております。
資料として、「最終報告書たたき台(概要)」が掲載されております。
資料より一部抜粋してご紹介します。
1 新制度及び特定技能制度の位置付けと関係性等
・現行の技能実習制度を発展的に解消し、人材確保と人材育成を目的とする新たな制度を創設。
・基本的に3年の育成期間で、特定技能1号の水準の人材に育成。
・特定技能制度は、適正化を図った上で現行制度を存続。
2 新制度の受入れ対象分野や人材育成機能の在り方
・受入れ対象分野は、特定技能制度における「特定産業分野」の設定分野に限定。
・従事できる業務の範囲は、特定技能の業務区分と同一とし、「主たる技能」を定めて育成・評価(技能検定、特定技能評価試験等)。
・試験不合格となった者には再受験のための最長1年の在留継続を認める。
3 受入れ見込数の設定等の在り方
・特定技能制度の考え方と同様、新制度でも受入れ分野ごとに受入れ見込数を設定(受入れの上限数として運用)。
4 新制度での転籍の在り方
・「やむを得ない場合」の転籍の範囲を拡大・明確化し、手続を柔軟化。
・これに加え、以下を条件に本人の意向による転籍も認める。
⇒人材育成等の観点から、一定要件(同一企業での就労が1年超/技能検定基礎級合格、日本語能力A1相当以上のレベル(日本語能力試験N5合格など))を設け、同一分野内に限る。
⇒転籍前企業の初期費用負担につき、不平等が生じないための措置を講じる。
・育成終了前に帰国した者につき、新制度による再度の入国を認める。
⇒それまでの新制度による滞在が2年までの者に限る。
⇒前回育成時と異なる分野を選択可能。
5 監理・支援・保護の在り方
・技能実習機構の監督指導・支援保護機能を強化し、特定技能外国人への 相談援助業務を追加。
・監理団体の許可要件厳格化
⇒監理団体と受入れ企業の役職員の兼職に係る制限又は外部監視の強化、受入れ企業数等に応じた職員の配置、相談対応体制の強化等。
6 特定技能制度の適正化方策
・新制度から特定技能1号への移行は、以下を条件。
①技能検定3級等又は特定技能1号評価試験合格
②日本語能力A2相当以上のレベル(日本語能力試験N4合格など)
7 国・自治体の役割
・入管、機構、労基署等が連携し、不適正な受入れ・雇用を排除。
・送出国と連携し、不適正な送出機関を排除。
8 送出機関及び送出しの在り方
・二国間取決め(MOC)により送出機関の取締りを強化。
・受入れ企業が一定の来日前手数料を負担するなどの仕組みを導入。
9 日本語能力の向上方策
・継続的な学習による段階的な日本語能力向上。
その他、参考資料として、「現行制度と新制度のイメージ図」も掲載されております。
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/03_00001.html
第1回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会の資料が公開されております。
今回、資料3として、「検討に当たっての考え方・検討事項(案)」が掲載されておりますので、こちらを一部抜粋してご紹介します。
1.検討に当たっての基本的考え方
〇将来、介護人材不足が見込まれる中で、必要な介護サービスを安心して受けられるよう、 介護人材を確保することは重要な課題であり、外国人介護人材の確保・定着及び受入環境の 整備を図ることが必要。
〇外国人介護人材については、介護が対人サービスであること等、業務の特性を踏まえた要件を設定しているところ、介護現場からは外国人介護人材の業務拡大を望む意見がある。
〇一方、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」において、技能実習制度及び特定技能制度の在り方について議論が行われているところ、中間報告書においては以下のような検討の方向性が示されている。
・人材育成の観点から、外国人が修得する主たる技能等について、技能実習制度廃止後の新たな制度から特定技能制度への移行を見据えた上で、体系的な能力を身につける観点に立って幅広い業務に従事することができる制度とする方向で検討
・外国人材のキャリアアップを進めていくため、修得された技能について、日本国内だけではなく、母国での活躍につながるような方策を採れないかについて検討
2.主な検討事項(案)①
Ⅰ 訪問系サービスなどへの従事について
訪問系サービスなどについては、技能実習「介護」、特定技能「介護」等の外国人介護人材の従事が認められていない。これらの施設における外国人介護人材の受入について、どう考えるか。
2.主な検討事項(案)②
Ⅱ 事業所開設後3年要件について
技能実習「介護」では、経営が一定程度安定している事業所として設立後3年を経過している事業所が対象となっているが、これをどう考えるか。
2.主な検討事項(案)③
Ⅲ 技能実習「介護」等の人員配置基準について
技能実習「介護」等において、就労開始後6ヶ月を経過した者について、介護技能や業務に必要な日本語能力がある程度向上することなどの理由により、介護施設の人員配置基準に算定しているが、その取扱いについてどう考えるか。
詳細は、以下よりご確認ください。
出入国在留管理庁は、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」の中間報告書を公表しております。
◆論点
〇制度目的と実態を踏まえた制度の在り方
・現行の技能実習制度は廃止して人材確保と人材育成(未熟練労働者を一定の専門性や技能を有するレベルまで育成)を目的とする新たな制度の創設 (実態に即した制度への抜本的な見直し)を検討
・特定技能制度は制度の適正化を図り、引き続き活用する方向で検討し、新たな制度との関係性、指導監督体制や支援体制の整備などを引き続き議論
〇外国人が成長しつつ、中長期的に活躍できる制度(キャリアパス)の構築
・新たな制度と特定技能制度の対象職種や分野を一致させる方向で検討(主たる技能の育成・評価を行う。技能評価の在り方等は引き続き議論)
・現行の両制度の全ての職種や分野等並びに特定技能2号の対象分野の追加及びその設定の在り方について、必要性等を前提に検討
〇受入れ見込数の設定等の在り方
業所管省庁における取組状況の確認や受入れ見込数の設定、対象分野の設定等は、様々な関係者の意見やエビデンスを踏まえつつ判断がされる仕組みとする等の措置を講じることでプロセスの透明化を図る
〇転籍の在り方(技能実習)
人材育成に由来する転籍制限は残しつつも、制度目的に人材確保を位置付けることから、制度趣旨と外国人の保護の観点から、従来より緩和する(転籍制限の在り方は引き続き議論)
〇管理監督や支援体制の在り方
・監理団体や登録支援機関が担っている機能は重要。他方、人権侵害等を防止・是正できない監理団体や外国人に対する支援を適切に行えない登録支援機関を厳しく適正化・排除する必要
・監理団体や登録支援機関の要件の厳格化等により、監理・支援能力の向上を図る(機能や要件は優良団体へのインセンティブも含め、引き続き議論)
・外国人技能実習機構の体制を整備した上で管理・支援能力の向上を図る
・悪質な送出機関の排除等に向けた実効的な二国間取決めなどの取組を強化
〇外国人の日本語能力の 向上に向けた取組
一定水準の日本語能力を確保できるよう就労開始前の日本語能力の担保方策及び来日後において日本語能力が段階的に向上する仕組みを設ける
◆今後の進め方
中間報告書で示した検討の方向性に沿って具体的な制度設計について議論を行った上、令和5年秋を目途に最終報告書を取りまとめる。
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/03_00033.html
厚生労働省は、外国人を雇用する事業主・人事労務担当者向けに、企業の人事・労務に関する多言語による説明や、お困りごとの背景にある文化ギャップを埋めることに役立つ3つの支援ツールを新たに作成しました。
【支援ツール】
1.外国人社員と働く職場の労務管理に使えるポイント・例文集~日本人社員、外国人社員ともに働きやすい職場をつくるために~
2.雇用管理に役立つ多言語用語集
3.モデル就業規則やさしい日本語版
外国人労働者を雇用されている企業のご担当者様は一度確認されてみてはいかがでしょうか。
詳細は、以下をご確認ください。