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36協定違反を放置すると何が起きるのか(2026/6/4更新)

― “見て見ぬふり” が会社にも労働者にももたらす深刻なリスク ―

 

 36協定(時間外・休日労働に関する協定)は、企業が従業員に法定労働時間を超えて働いてもらうために必要な、いわば“最低限のルール”です。

 しかし実際の現場では、

 ・協定を締結していない

 ・協定内容と実態が合っていない

 ・特別条項が常態化している

 ・上限時間を超える残業が続いている

 といった状態が、慢性的に放置されているケースも少なくありません。

 「忙しいから仕方ない」
 「人手不足だからやむを得ない」

 そうした感覚で36協定違反を放置すると、後になって企業経営そのものを揺るがす問題に発展することがあります。

 今回は、実務上よく見られるリスクを整理します。

 

1.行政指導・是正勧告の対象になる

 36協定違反は、労働基準監督署が特に重視しているポイントの一つです。

 違反が確認されると、

 ・指導票

 ・是正勧告書

 ・改善報告書の提出要求

 などの対応を求められます。

 

 特に、次のようなケースは重大視されやすい傾向があります。

 ・36協定未締結のまま残業させている

 ・協定上限を超える時間外労働が常態化している

 ・特別条項の理由が曖昧

 ・特別条項の発動手続きが形骸化している

 是正勧告は“単なる注意”ではありません。
 改善が見られない場合、さらに厳しい対応へ進む可能性があります。

 

2.悪質と判断されれば書類送検・企業名公表の可能性

 36協定違反は、労働基準法違反です。

 特に、

 ・過労死ラインを超える残業

 ・健康障害の発生

 ・是正勧告の無視

 ・長時間労働の常態化

 などが認められる場合、書類送検に至るケースもあります。

 書類送検されると、厚生労働省の公表事案として企業名が掲載される可能性があり、企業イメージや信用に大きな影響を与えます。

 その結果、

 ・採用応募の減少

 ・取引先からの信用低下

 ・離職率の上昇

 など、経営面へのダメージに発展することも珍しくありません。

 

3.労災認定・損害賠償リスクが高まる

 36協定違反と長時間労働が結びつくと、労災認定リスクは一気に高まります。

 特に、

 ・月80時間超の時間外労働

 ・特別条項の乱用

 ・実態とかけ離れた協定内容

 がある場合、企業側の安全配慮義務違反が強く問題視されやすくなります。

 さらに、労災認定後は、

 ・遺族からの損害賠償請求

 ・民事訴訟

 ・役員責任の追及

 へ発展する可能性もあります。

「36協定の問題」は、単なる労務管理の話ではなく、企業の法的責任そのものにつながる問題です。

 

4.離職・採用難を招く

 36協定違反が常態化している職場では、

 ・残業が慢性化している

 ・休日が取れない

 ・業務量調整が行われない

 ・管理職が疲弊している

 といった状況が起きやすくなります。

 その結果、

 「人が辞める → 残った人に負担が集中する → さらに辞める」

 という悪循環に陥るケースも少なくありません。

 近年は、SNSや口コミサイトを通じて職場環境の情報が広がりやすくなっています。

 “36協定違反を放置している会社”という評価は、採用市場において大きなマイナス要因になり得ます。

 

5.管理職個人のリスクにもつながる

 36協定違反は、会社だけの問題ではありません。

 現場で指揮命令を行う管理職も、

 ・労働時間管理の不備

 ・過重労働の放置

 ・安全配慮義務への対応不足

 といった点で責任を問われる可能性があります。

 特に、

 ・協定上限超えを黙認していた

 ・特別条項の発動手続きを行っていなかった

 ・実態を把握しながら放置していた

 といったケースでは、管理職の評価や処分に影響することもあります。

 

6.“ルールを守らない文化” が組織を壊していく

 36協定違反を放置している職場では、

 ・ルール違反が当たり前になる

 ・問題を隠す文化が生まれる

 ・管理職が疲弊する

 ・経営層が現場実態を把握できなくなる

 など、組織そのものが徐々に劣化していきます。

 36協定は単なる書類ではありません。

 それは、 「働き方の健全性を守るための最低ライン」です。

 このラインが崩れると、労務問題だけでなく、組織全体の統制や信頼関係にも影響が及びます。

 

まとめ

 36協定違反は “後回し” にした時点でリスクが始まる

 36協定違反を放置すると、

 ・行政リスク

 ・法的リスク

 ・労災リスク

 ・採用・離職リスク

 ・組織文化の劣化

 といった問題が、連鎖的に発生していきます。

 そして多くの場合、問題が表面化した時には、「もっと早く見直しておけばよかった」という状態になっています。

 36協定は、“残業をさせるための書類”ではありません。

 企業が持続的に運営され、従業員が安心して働ける環境を維持するための、極めて重要な土台です。

 だからこそ、「とりあえず出しておけばいい」ではなく、

 ・実態に合っているか

 ・運用が機能しているか

 ・現場が疲弊していないか

 を定期的に見直していくことが重要です。

 

派遣労働者を受け入れる際に注意すべきポイント(同一労働同一賃金)(2026/6/3更新)

厚生労働省は、派遣労働者を受け入れる企業が必ず押さえておくべきポイント(同一労働同一賃金関係)をまとめたリーフレットを公開しています。 

 令和8年10月1日の派遣先指針改正も踏まえ、派遣先企業の責任がより明確化されました。

 この記事では、リーフレットの内容をもとに、派遣先が実務で対応すべき事項を分かりやすく整理します。

 

 

1. 派遣先が行わなければならない3つの義務

 リーフレットでは、派遣先に課される義務として次の3点が示されています。 

 いずれも「派遣元だけが対応すればよい」というものではなく、派遣先にも明確な責任があります。

 

① 比較対象労働者の待遇情報の提供(契約前・変更時)

 派遣先は、派遣元に対して比較対象労働者の待遇情報を提供する義務があります。情報提供をしなければ、派遣元は労働者派遣契約を締結できません。

 

● 情報提供が必要となるタイミング

 ・派遣契約の締結前

 ・契約更新前

 ・比較対象労働者の待遇に変更があったとき

 

● 提供内容は「待遇決定方式」により異なる

 ・派遣先均等・均衡方式 → 比較対象労働者の職務内容、待遇内容、待遇決定の考慮要素など

 ・労使協定方式 → 教育訓練の内容、福利厚生施設の内容(食堂・休憩室・更衣室)

 比較対象労働者の選定は①〜⑥の優先順位(リーフレット参照)が定められており、派遣先の判断が重要になります。

 

② 教育訓練の実施

 派遣元から求めがあった場合、派遣先は業務遂行に必要な能力を付与するための教育訓練を実施する義務があります。

 ・OJTに限らず、必要なスキル習得のための訓練を行う

 ・「派遣元の責任」と誤解されがちだが、派遣先にも明確な義務がある

 

③ 福利厚生施設の利用機会の付与

 派遣先の労働者が利用する福利厚生施設について、派遣先は派遣労働者にも利用機会を付与する義務があります。

● 利用機会を付与すべき施設

 ・食堂

 ・休憩室

 ・更衣室

 

● 利用に関する便宜供与が求められる施設

(例)物品販売所、病院、診療所、浴場、保育所、図書館、運動施設、保養施設、駐車場(今回追加) など

 令和8年10月の改正で、「駐車場」も配慮対象に追加された点は特に注意が必要です。

 

2. 派遣料金の「配慮義務」が明確化(令和8年10月改正)

 今回の改正で最も重要なポイントの一つが、派遣料金に関する派遣先の配慮義務の明確化です。

 派遣先は、派遣元が

 ・派遣先均等・均衡方式

 ・労使協定方式

 のいずれかにより待遇を確保できるよう、派遣料金の設定に配慮する義務があります。

 

● 法の趣旨に反するとされるケース

 ・派遣元からの料金交渉に一切応じない

 ・派遣元が必要額を提示しているのに、交渉の結果その額を下回る料金となる

 これは、従来の「派遣料金は派遣元が勝手に決めるもの」という認識を改める必要があることを示しています。

 

3. 実務で特に注意すべきポイント

● 契約更新前に待遇情報を必ず最新化

 待遇変更があれば、その都度派遣元へ提供する必要があります。

 

● 福利厚生施設の範囲を再確認

 駐車場など、これまで対象外と認識されがちな施設も含まれます。

 

● 派遣料金の交渉姿勢を見直す

 「必要額を提示されても応じない」は法の趣旨に反すると明記されています。

 

● 労使協定方式でも派遣先の義務は残る

 教育訓練・福利厚生施設の利用機会は派遣先の責任です。

 

まとめ

 派遣労働者の同一労働同一賃金を適切に運用するためには、 派遣先企業が果たすべき役割が非常に大きいことが、今回のリーフレットで改めて示されています。

 特に、

 ・比較対象労働者の待遇情報の提供

 ・教育訓練の実施

 ・福利厚生施設の利用機会の付与

 ・派遣料金の配慮義務

 これらは派遣先が必ず対応すべき事項です。

 令和8年10月の改正を見据え、早めに社内体制を整えておくことが重要になります。

 

 詳細は、以下よりご確認願います。

https://www.mhlw.go.jp/content/001701338.pdf

 

勤務間インターバル制度の解説動画が公開されました(2026/6/2更新)

 厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」にて、勤務間インターバル制度の解説動画が新たに公開されました。

 

 

 勤務間インターバル制度は、 終業時刻から翌日の始業時刻までに一定の休息時間を確保することで、従業員の健康維持や働き方改革を進めるための制度です。 

 企業の労働時間管理の改善策として注目されており、導入企業も増えています。

 今回の動画では、制度の基本から導入のポイントまで、短時間で理解できる内容になっています。

 

■ 動画の主な内容(概要)

・勤務間インターバル制度とは何か 

 制度の基本的な考え方や、導入の背景となる労働時間管理の課題について解説されています。

 

・制度導入のメリット 

 従業員の健康維持・向上、従業員の確保や定着、生産性向上など、企業・労働者双方にとっての効果が紹介されています。 

 また、制度導入事例も取り上げられており、実際の運用イメージがつかみやすい内容です。

 

・事業主からの質問

 動画では、事業主から寄せられる代表的な質問に回答する形で説明が進みます。

 ・インターバル時間とは?

 ・望ましいインターバル時間は?

 ・インターバル時間確保後の勤務開始時刻は?

 ・就業規則に明記しないといけない?

 ・顧客や取引先とのやり取りはどうするの?

 実務でよく出る疑問に触れており、導入検討中の企業にとって参考になります。

 

・制度導入に向けたポイント 

 以下の3つのポイントについて、分かりやすく解説されています。

 1. 制度の本格導入前に試行運用すること

 2. インターバル時間の確保に向けた職場風土を醸成すること

 3. インターバル時間の適切な把握・管理に向けた仕組みの導入

 制度を形だけで終わらせず、実効性を高めるための重要な視点が示されています。

 

・制度導入に当っての支援策の紹介

 以下の4つの支援策も紹介されています。

 1. 働き方・休み方改善コンサルタント

    2. 働き方改革推進支援センター

    3. 働き方・休み方改善ポータルサイト

    4. リーフレット、マニュアル等

 制度導入を後押しする公的支援が整理されており、初めて取り組む企業でも安心です。

 

■ こんな方におすすめ

 ・勤務間インターバル制度の導入を検討している企業担当者

 ・労働時間管理の改善を進めたい人事・労務担当者

 ・社員の健康確保や働き方改革を推進したい経営者

 ・制度の概要を短時間で理解したい方

 

 詳細は、以下よりご確認願います。

 

 

6月は「外国人雇用啓発月間」です(2026/6/1更新)

厚生労働省は、毎年6月を「外国人雇用啓発月間」と定め、外国人労働者の適正な雇用管理や労働条件の確保に向けた周知・啓発を集中的に行っています。今年(令和8年)の標語は、

 「ともに働き、ともに支える社会へ ~外国人雇用はルールを守って適正に~」

 外国人材の受入れが拡大する中、事業主が守るべきルールや、外国人労働者の権利保護の重要性が改めて強調されています。

 

 

〇外国人雇用啓発月間とは

 政府は現在、「外国人の受入れ・共生のための総合的対応策」に基づき、外国人材の適正な受入れと共生社会の実現を進めています。 

 その一環として、6月の1か月間、事業主や関係団体に向けて集中的な啓発活動が行われます。

背景には、

 ・一部の不正就労・制度悪用への不安

 ・外国人労働者の労働条件確保

 ・事業主の法令遵守の徹底 といった課題があります。

 

〇実施期間

 令和8年6月1日~6月30日 の1か月間です。

 

〇主な取組内容(ポイントを整理)

① ポスター・パンフレットの掲示・配布

 ハローワーク等で啓発ポスターを掲示し、パンフレットを事業主団体等を通じて配布します。

 

② 事業主団体等を通じた周知・協力要請

 都道府県労働局・労基署・ハローワークが、

 ・外国人雇用の基本ルール

 ・労働条件の確保

 ・外国人雇用状況届出の徹底 などについて協力を依頼します。

 特に「外国人雇用状況届出」は全事業主の義務であり、未届・虚偽届には厳正に対処する姿勢が示されています。

 

③ 外国人雇用管理セミナーの開催

 労働局・ハローワークが、

 ・外国人雇用管理指針

 ・労働条件の基本ルール などをテーマにセミナーを実施します。

 

④ 個々の事業主への指導・周知

 労基署・ハローワークが、

 ・労働条件

 ・安全衛生教育(多言語教材の活用)

 ・在留カード読取アプリの徹底 

 などについて指導します。

 

⑤ 特定技能外国人への対応強化

 特定技能の受入れ事業主に対し、

 ・雇用管理の指導

 ・違反事案への監督・送検

 ・出入国在留管理機関との連携 

 が行われます。

 

⑥ 技能実習生の受入れに関する事業主などへの周知・指導

 技能実習制度に関する法令遵守の徹底、

 ・不法就労の防止

 ・妊娠・出産を理由とする不利益取扱い禁止

 ・労働搾取の疑いがある場合の合同調査 

 などが強調されています。

 

⑦ 留学生の就職支援窓口の周知

 全国の「外国人雇用サービスセンター」や「留学生コーナー」での就職支援を案内。 

 多言語の相談窓口や通訳サービスも利用できます。

 

⑧ 労働条件等の相談窓口の案内

 外国人労働者向けに、

 ・13言語対応の相談ダイヤル

 ・多言語の労働条件相談ほっとライン 

 が設置されています。

 

まとめ:外国人雇用は「適正なルール運用」が鍵

 外国人労働者の増加に伴い、事業主が守るべきルールは年々重要性を増しています。

 ・労働条件の確保

 ・在留資格の適正確認

 ・外国人雇用状況届出の徹底

 ・多言語での安全衛生教育

 ・不利益取扱いの禁止

 これらはすべて、企業のコンプライアンスだけでなく、外国人労働者の安心と職場定着にも直結します。

 6月の啓発月間は、改めて自社の外国人雇用管理を見直す良い機会です。

 

 詳細は、以下よりご確認願います。

 

 

令和7年「職場における熱中症による死傷災害(確定値)」が公表されました(2026/5/31更新)

 厚生労働省は、令和7年に発生した「職場における熱中症による死傷災害」の確定値を公表しました。 

 今年の特徴は、死傷者数は統計開始以来最多となった一方、死亡者数は大幅に減少したという点です。

以下、ポイントを整理して解説します。

 

(出典:厚生労働省「令和7年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」)

 

■ 死傷者数は1,803人で過去最多(前年比43%増)

 令和7年の職場での熱中症による死傷者(死亡+休業4日以上)は 1,803人。 

 前年から 546人増(約43%増) と大幅に増加し、統計開始以来最多となりました。

 背景として、気象庁のデータによれば、令和7年6〜8月の平均気温偏差は+2.36℃で、統計開始以来最高。 

 異常な暑さが死傷者増加の一因と推測されています。

 

■ 一方で、死亡者数は19人と約4割減少

 死傷者数が増えた一方、死亡者数は19人(前年比12人減、約39%減) と大きく減少しました。

 厚労省はその理由として、 令和7年に施行された 労働安全衛生規則の改正(第612条の2)により、 事業場での「早期発見体制」「重篤化防止手順」の整備が進んだことを挙げています。

 つまり、熱中症は発生しているが、重篤化を防ぐ仕組みが機能し始めている という評価ができます。

 

■ 令和7年の法改正で求められる事業者の義務

 令和7年6月1日施行の安衛則改正により、熱中症のおそれがある作業について、事業者は次の措置が義務化されました。

① 早期発見のための体制整備

 ・作業者の状態を把握する仕組み

 ・異常時の報告体制の整備

 

② 重篤化防止のための手順作成

 ・体調不良時の対応手順

 ・救急搬送の判断基準など

 

③ 関係作業者への周知

 ・手順・体制を現場に浸透させる教育

 

さらに、

 ・WBGT値の把握と対策の実施

 ・基礎疾患(糖尿病・高血圧等)を有する者への配慮 

も重点事項として示されています。

 

■ まとめ

 令和7年の職場における熱中症災害は、

 ・死傷者数は過去最多

 ・死亡者数は大幅減少 という特徴的な結果となりました。

 異常な暑さの中でも死亡が減った背景には、法改正に基づく重篤化防止対策の強化があると考えられます。

 今年も「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」が実施されています。 

 企業としては、法令遵守だけでなく、現場で実際に機能する熱中症対策を構築することが求められます。

 

 詳細は、以下よりご確認願います。

 

 

令和8年4月の雇用情勢まとめ(2026/5/30更新)

― 厚生労働省「一般職業紹介状況」と総務省「労働力調査」から読み解く最新動向 ―

 

 2026年5月29日、厚生労働省と総務省統計局から、令和8年4月分の雇用関連統計が公表されました。  本記事では、両統計のポイントを整理しつつ、 企業の採用・労務管理にどのような示唆があるのかを解説します。

 

1. 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年4月分)」

◆ 有効求人倍率(季節調整値):1.18倍

 前月と同水準で推移。 

 依然として 求職者1人に対し1.18件の求人がある状態で、需給は緩やかに横ばい。

 

◆ 新規求人倍率:2.11倍(前月比▲0.04)

 新規求人の勢いはやや鈍化。

 

◆ 産業別の動き

 ・増加:教育・学習支援業(+1.5%)、製造業(+1.2%)

 ・減少:卸売・小売業(▲11.0%)、宿泊・飲食サービス(▲9.1%)、情報通信業(▲7.3%)

 特にサービス業の落ち込みが目立ち、人手不足感が強い一方で、求人の質・量の調整が進んでいる印象です。

 

 詳細は、以下よりご確認願います。

 

 

2. 総務省統計局「労働力調査(基本集計)2026年4月分」

 

(出典:総務省統計局「労働力調査2026年4月分」)

 

◆ 就業者数:6,860万人(前年同月比 +64万人)

 3か月連続の増加。労働参加が引き続き高い水準で推移。

 

◆ 完全失業者数:193万人(前年同月比 +5万人)

 9か月連続の増加。求職活動の活発化や転職市場の動きが影響している可能性。

 

◆ 完全失業率(季節調整値):2.5%(前月比 ▲0.2pt)

 前月から低下し、依然として低水準。企業の雇用維持姿勢は強いといえます。

 

 詳細は、以下よりご確認願います。

 

 

 

3. 4月の雇用情勢をどう読むか

● 求人は横ばい、労働参加は増加

 有効求人倍率は横ばいですが、就業者数は増加。 

「働きたい人が増えている」一方で、企業側の求人はやや慎重になっている構図が見えます。

 

● サービス業の求人減少が顕著

 卸売・小売、宿泊・飲食など、人手不足が続く業界で求人が減少している点は注目。 

 賃上げや働き方改革の影響で、採用コストの見直しが進んでいる可能性があります。

 

● 失業率は低下、転職市場は活発

 完全失業率は2.5%と低水準。 一方で失業者数は増加しており、「転職活動中の人が増えている」状況が示唆されます。

 

4. 企業・人事担当者への示唆

◆ 採用

 ・求人倍率は横ばいでも、求職者数は増加 → 採用のチャンスが広がる局面

 ・サービス業は求人減少 → 採用競争がやや緩和する可能性

 

◆ 労務管理

 ・就業者数の増加は労働参加の高まり → 柔軟な働き方の整備が求められる

 ・転職市場の活発化 → 離職防止策(評価制度・処遇改善)が重要

 

まとめ

 令和8年4月の雇用情勢は、「求人は横ばい、就業者は増加、失業率は低下」 という特徴的な動きが見られました。

 企業にとっては、採用環境がやや追い風となる一方で、 従業員の定着を図るための施策がより重要になる局面です。

 

令和7年の労働災害発生状況が公表されました(2026/5/29更新)

 厚生労働省は、令和7年(2025年)に発生した労働災害の状況を取りまとめ、公表しました。 

 今年の特徴は、死亡者数が過去最少となったことです。一方で、休業4日以上の死傷者数は横ばいで推移しており、依然として多くの労働者が職場で負傷している現状が浮き彫りになりました。

 

 

■ 死亡者数:700人で過去最少

 令和7年の労働災害による死亡者数は 700人(前年比46人・6.2%減)と、統計開始以来の最少を記録しました 。

 

● 業種別の死亡者数

 死亡者数が多い業種は次のとおりです 。

 ・建設業:214人(前年比7.8%減)

 ・製造業:115人(19.0%減)

 ・陸上貨物運送事業:80人(25.9%減)

 ・商業:61人(10.9%増)

  建設業・製造業・運送業の3業種で全体の約6割を占めており、依然として高いリスクが続いています。

 

● 事故の型別

 死亡災害の主な事故類型は以下のとおりです 。

 ・墜落・転落:186人

 ・交通事故(道路):126人

 ・はさまれ・巻き込まれ:117人

 特に「墜落・転落」は長年にわたり最多であり、建設業を中心に対策の強化が求められます。

 

■ 休業4日以上の死傷者数:135,333人で横ばい

 休業4日以上の死傷者数は 135,333人(前年比0.3%減)と、ほぼ横ばいでした 。

 

● 業種別の死傷者数

 死傷者数が多い業種は次のとおりです 。

 ・製造業:26,371人(1.1%減)

 ・商業:23,128人(4.9%増)

 ・保健衛生業:19,291人(2.2%増)

 ・陸上貨物運送事業:15,632人(4.1%減)

 商業・保健衛生業で増加が続いており、特に小売・介護現場の負担増が背景にあると考えられます。

 

● 事故の型別

 死傷災害の主な事故類型は以下のとおりです 。

 ・転倒:37,195人(最多)

 ・動作の反動・無理な動作(腰痛等):22,166人

 ・墜落・転落:20,864人

 「転倒」や「腰痛」は、どの業種でも発生しやすい典型的な労働災害であり、職場環境改善や作業方法の見直しが重要です。

 

■ 第14次労働災害防止計画との関係

 現在進行中の「第14次労働災害防止計画」(令和5~9年度)では、令和9年までに以下の削減目標が掲げられています 。

 ・建設業・林業の死亡災害を15%以上減少

 ・製造業の機械災害を5%以上減少

 ・陸上貨物運送事業の死傷者数を5%以上減少

 令和8年度も引き続き、重点業種・重点災害に対する対策が進められます 。

 

■ まとめ:死亡災害は減少、しかし課題は残る

 令和7年は死亡者数が過去最少となり、長年の安全対策の成果が見えた一年でした。 

 一方で、死傷者数は依然として13万人を超えており、特に転倒や腰痛といった日常的な災害は減少していません。

 高年齢労働者の増加、多様な働き方、外国人労働者の増加など、職場環境の変化に応じた安全衛生対策が今後ますます重要になります。

 

 詳細は、以下よりご確認願います。

 

 

令和8年度「算定基礎届」の案内が公開されました(2026/5/28更新)

日本年金機構より、令和8年度の算定基礎届(定時決定)に関する案内が公開されました。提出期限や事務説明動画、ガイドブックなど、事業主が実務で必要とする情報が一式まとめられています。

算定基礎届は、毎年7月に行う重要な社会保険手続きであり、標準報酬月額の決定に直結するため、事前の準備が欠かせません。今回の案内内容を整理し、実務上のポイントをまとめます。

 

 

1. 提出期限:令和8年7月10日(金)

 算定基礎届の提出期限は 7月10日(金) とされています (日本年金機構掲載情報より )。

 6月中旬から順次、事業所へ様式等が送付されるため、届き次第、早めに記入・確認を進めることが推奨されています。

 

2. 電子申請の利用が推奨

 日本年金機構は、手続きの簡素化・迅速化のため電子申請の利用を推奨しています。

電子申請は、

 ・書類の提出忘れ防止

 ・事務処理の効率化

 ・通知書のオンライン受取

などのメリットがあり、社会保険手続きのデジタル化が進む中で、今後ますます重要性が高まります。

 

3. 事務説明動画・ガイドブックが公開

 算定基礎届の提出にあたり、以下の資料が公開されています ()。

 ・令和8年度算定基礎届 事務説明動画

 ・算定基礎届の記入・提出ガイドブック(PDF)

 ・ターンアラウンド届出用紙を送付された事業主向け案内(PDF)

 ・電子申請を利用する事業主向け案内(PDF)

 ・標準報酬月額の定時決定・随時改定の事例集(PDF)

 特にガイドブックは、記入例や注意点が丁寧にまとめられており、実務担当者にとって必須の資料です。

 

4. 随時改定予定者(8月・9月)の提出省略について

 8月または9月に随時改定が予定されている被保険者については、算定基礎届の提出を省略できる場合があります

 該当者がいる場合は、別途案内ページの確認が必要です。

 

5. 二以上事業所勤務者の算定基礎届

 二以上事業所勤務者については、選択事業所を管轄する事務センターから届出書が送付されます。

5月中旬以降に勤務状況が変わった場合、

 ・情報が重複して印字される

 ・資格喪失後でも届出書が届く

などのケースがありますが、必要な届出のみ提出すれば問題ありません 。

 

まとめ:早めの準備でスムーズな定時決定を

 算定基礎届は、企業の社会保険実務の中でも毎年必ず発生する重要手続きです。

今年度は、

 ・電子申請の推奨

 ・事務説明動画の公開

 ・ガイドブックの充実

 など、事業主がスムーズに手続きを進められるよう工夫されています。

 届出書が届き次第、「記入 → チェック → 提出」 の流れを早めに進め、期限までに忘れずにご提出願います。

 

 詳細は、以下よりご確認願います。