― 外国人雇用、アルバイト労働条件、社会保険適用拡大、両立支援助成金など重要テーマが多数 ―
厚生労働省より「人事労務マガジン/特集第245号」が公開されました(2026年5月20日発行)。
245号は、6月の外国人雇用啓発月間や、アルバイトの労働条件確保キャンペーン、さらに社会保険適用拡大の準備、両立支援等助成金の拡充など、人事労務担当者が押さえておきたい実務テーマが幅広く取り上げられています。
以下、社労士として特に重要と感じるポイントを整理します。
1. 6月は「外国人雇用啓発月間」
今年度の標語は 「ともに働き、ともに支える社会へ ~外国人雇用はルールを守って適正に~」。
外国人労働者の雇用ルールは、事業主側の理解不足によるトラブルが依然として多い分野です。
基本的なルールの再確認を呼びかけています 。
2. 「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーン
4〜7月は新入学生のアルバイト開始が増える時期。 厚労省は、学生アルバイトの労働条件確保のため、全国キャンペーンを実施しています。
特に重要なチェックポイントとして、以下が挙げられています :
・労働条件は必ず書面で明示
・学業との両立に配慮したシフト
・シフト制でも休憩・年休付与は必要
・最低賃金の遵守
・商品購入の強制は禁止
・遅刻・欠勤等に対する一定額の罰金契約は無効
学生アルバイトはトラブルが起きやすい層でもあるため、 採用時の説明強化や労働条件通知書の整備が改めて求められます。
4. パート・アルバイトの社会保険適用拡大(2026年10月→2027年10月へ向けて)
2027年10月から、社会保険の適用対象が 従業員36〜50人の企業へ拡大されます(現在は51人以上) 。
厚労省は特設サイトをリニューアルし、従業員向けの説明動画やチラシも掲載しています。
中小企業にとっては制度理解と社内説明が大きな課題となるため、 早めの準備が推奨されます。
5. 両立支援等助成金の大幅拡充(2026年4月8日〜)
育児・介護と仕事の両立を支援するため、 複数の助成金メニューが拡充されています 。
・出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
・介護離職防止支援コース
・育休中等業務代替支援コース
・柔軟な働き方選択制度等支援コース
について、拡充内容が紹介されています。
助成金の活用余地が大きく広がっており、 制度導入の後押しとして非常に有効です。
まとめ:今回号は「実務で使える情報」が非常に多い
特集第245号は、外国人雇用・アルバイト管理・社会保険適用拡大・両立支援助成金と、企業の労務管理に直結するテーマが多く、 人事労務担当者にとって実務的価値の高い内容となっています。
詳細は、以下よりご確認願います。
中小組合の健闘続く。短時間労働者の賃上げ率は一般組合員を上回る
連合は2026年5月12日、「2026春季生活闘争・第5回回答集計結果」を公表しました。今回の集計は 5月7日10時時点 のデータで、賃上げの動向や中小組合の状況、短時間労働者の賃上げなど、春闘の進捗を把握するうえで重要な内容が含まれています。
1. 全体の賃上げ状況
平均賃金方式(加重平均)
・4,046組合の加重平均:16,733円・5.05% → 昨年同時期比で 16円減・0.27pt減
・中小(300人未満)2,706組合:13,260円・4.81% → 金額は昨年より 163円増
賃上げ率はわずかに昨年を下回ったものの、金額面では中小組合が前年を上回るなど、底堅い動きが見られます。
2. 「賃上げ分」が明確な組合の動向
賃上げ分が明確に分かる 3,042組合 の結果は以下の通り。
・11,629円・3.51%(昨年比308円減・0.24pt減)
・中小(1,838組合):10,037円・3.57% → 金額は 268円増、率は全体を上回る
中小組合は、賃上げ率でも全体を上回り、今年も粘り強い交渉が続いていることが分かります。
3. 個別賃金方式(A・B・C方式)の特徴
個別賃金方式の「A方式その他」では、
・金額が昨年同時期比で2,061円増
4. 有期・短時間・契約等労働者の賃上げ
今回の集計で最も注目すべきポイントのひとつ。
・時給(加重平均):76.32円増(昨年比7.84円増)
・引き上げ率:6.26% → 一般組合員(平均賃金方式)の 5.05% を上回る
非正規労働者の処遇改善が、今年の春闘でも確実に進んでいることが示されています。
5. 妥結状況
・妥結進捗率:81.1%(昨年同時期を上回る)
春闘全体としては順調に進んでおり、5月時点で8割超が妥結済み。
6月・7月にかけて最終集計へ向かいます。
6. 過去との比較:賃上げ率の推移
資料には2013年以降の賃上げ率推移も掲載されていますが、
・2024年:5.17%
・2025年:5.32%
・2026年(今回):5.05%
昨年の高水準から横ばいで推移しており、物価高の中で賃上げの勢いを維持していることが分かります。
中小組合の賃上げ率も
・2024年:4.66%
・2025年:4.93%
・2026年:4.81%
と、前年並みの水準を確保しています。
7. まとめ:2026春闘の特徴
今回の第5回集計から見えるポイントは次の3点です。
① 中小組合の粘り強い賃上げ
金額面で前年を上回り、賃上げ率でも全体に迫る水準を維持。
② 非正規労働者の賃上げが顕著
時給引き上げ率が 6.26% と、一般組合員を上回る改善。
③ 妥結が順調に進み、全体の底堅さが継続
5月時点で妥結率81.1%。昨年より早いペース。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、令和8年4月に実施される主な制度変更について情報を公開しています。
医療・福祉・雇用・年金など幅広い分野で改定が行われ、企業の労務管理にも影響が及ぶ内容が含まれています。
この記事では、特に企業実務に関係するポイントを中心に、社労士の視点から整理してご紹介します。
◆ 雇用・労働分野
労務管理に直結する重要な改定が複数含まれています。
● 女性活躍推進法:情報公表義務の対象拡大
これが企業にとって最も実務影響の大きい改定です。
【改正ポイント】
・男女間賃金差異の公表義務 → 対象が「301人以上」から 101人以上 に拡大
・女性管理職比率の公表義務 → 新たに 101人以上 の事業主に義務化
中堅企業にも情報開示が求められるようになり、人的資本経営の流れがさらに加速します。 社内データの整備や分析体制の構築が急務となる企業も多いでしょう。
● 雇用保険料率の引下げ
失業等給付に係る保険料率が 0.1%引下げ。結果として、雇用保険料率は 13.5/1000(労働者5/1000、事業主8.5/1000) となります。
企業・労働者双方の負担軽減につながる改定です。
◆年金分野
● 国民年金保険料の改定
令和8年度の保険料は 17,920円。
● 年金額の改定
物価・賃金変動に応じて、基礎年金は 1.9%引上げ。 厚生年金(報酬比例部分)は 2.0%引上げ。
● 在職老齢年金の支給停止基準額の引上げ
51万円 → 65万円 に引き上げ。 高齢者の就労促進につながる見直しです。
◆まとめ:企業実務で特に重要なポイント
今回の制度変更の中で、企業が特に注目すべきは次の2点です。
・女性活躍推進法の情報公表義務の拡大(101人以上へ)
・雇用保険料率の引下げ
前者は人的資本情報開示の流れの中で避けて通れないテーマであり、データ整備・分析・公表方法の検討が必要です。 後者は給与計算に直結するため、4月以降の料率反映を確実に行う必要があります。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、人事労務担当者向けメールマガジン「人事労務マガジン」の定例第185号を公表しました。
🔍 今号の主なトピック
■ トライアル雇用助成金「若年・女性建設労働者トライアルコース」の案内
建設業界では、若年層や女性の人材確保が大きな課題となっています。今回のマガジンでは、こうした課題に対応するための トライアル雇用助成金の特別コース が紹介されています。
ポイント(要約)
・対象は中小建設事業主
・35 歳未満の若年者・女性の建設労働者を一定期間試行雇用する場合に助成
・建設業の人材確保・定着を後押しする制度設計
・詳細はPDF資料で案内(助成内容・要件・手続きなど)
建設業界は、
・高齢化
・若年層の入職減
・女性比率の低さ といった構造的課題を抱えています。
今回のトライアルコースは、「まずは試して働いてもらう」→「定着につなげる」 という流れを支援する制度であり、採用リスクを抑えながら人材確保を進めたい事業主にとって有効な選択肢となります。
その他、以下の項目などが掲載されております。
・フリーランスに対するハラスメント対策の研修動画のご紹介
・事業主・労働者の皆さまへ
年次有給休暇を取得しやすい環境づくりに取り組みましょう
・観光・物流業界の人事担当者向けオンラインセミナー「スキルで考える、観光・物流人材の キャリア」の参加者募集中
📌 人事労務マガジンの活用ポイント
人事労務マガジンは、厚労省が公式に発信する情報であり、 助成金・制度改正・労働行政の最新動向 を把握するうえで非常に有用です。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省より、令和8年4月から適用される社内預金の下限利率について、令和8年2月5日付で通達(基監発0205第2号)が発出されました。 今回のポイントは、下限利率は引き続き「年5厘(0.5%)」のまま据え置きとなることです。
■ 一の年度における下限利率の決定方法
通達によると、社内預金の一の年度における下限利率は、「労働基準法第18条第4項の規定に基づき労働者の預金を受け入れる場合の利率を定める省令」により、以下の方法で決定されます。
①当該年度の前年度の十月における定期預金平均利率及び同月において適用される下限利率の差が五厘以上である場合:当該定期預金平均利率に端数処理をして得た利率
②当該年度の前年度の十月における定期預金平均利率及び同月において適用される下限利率の差が五厘未満である場合:当該下限利率と同一の利率
令和7年10月の定期預金平均利率は 0.355% でした。これと同月において適用される社内預金の下限利率 0.5%(年5厘) との差が 0.5%未満 であるため、 省令の規定②により、0.5%(年5厘)となります。
■ 令和8年4月以降の下限利率
・適用開始:令和8年4月1日
・下限利率:年5厘(0.5%)※変更なし
詳細は、以下よりご確認願います。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260206K0030.pdf
厚生労働省は、「事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針」(いわゆる事業譲渡等指針)を改正し、2026年(令和8年)5月25日から適用すると公表しました。今回の改正は、令和6年に成立した「事業性融資の推進等に関する法律」により新設された企業価値担保権を踏まえ、労働者保護の観点から必要な見直しを行ったものです。
1. 改正の背景
事業性融資推進法の附帯決議では、企業価値担保権の創設に伴い、事業譲渡等指針の見直しが求められていました。企業価値担保権は、不動産担保等に過度に依存しない、「事業の将来性」に基づく融資融資を後押しするための新しい制度であり、金融機関によるタイムリーな経営改善支援が期待される一方、債務不履行時には事業譲渡による担保権実行が原則とされています。
このため、事業譲渡の場面で労働者保護をより明確にする必要があり、今回の指針改正につながりました。
2. 改正のポイント
今回の改正では、企業価値担保権の設定から事業譲渡の実行までの流れを踏まえ、会社が留意すべき事項が整理されています。主なポイントは次のとおりです。
● 労働者・労働組合とのコミュニケーションの強化
企業価値担保権を設定する段階から、会社が置かれている環境や経営課題等について、会社の状況に応じて労働者と意見交換を行い、労働者と労働組合等の意見も踏まえながら、労働組合等に対する情報提供等の促進に向けて取り組むことが望ましいとされています。
● 担保権実行時の事業譲渡は「雇用維持」が原則
担保権の実行は、裁判所が選任する管財人による事業譲渡で行われ、 事業を解体せず、雇用を維持しつつ承継することが原則と明記されています。
● 労働債権(賃金・退職金)の優先的な弁済
企業価値担保権の実行時には、労働債権が優先的に弁済される仕組みが整備されています。
● 管財人の役割と労働法令遵守
管財人は善良な管理者としての注意義務を負い、労働関係法令の遵守が当然に求められます。また、労働組合法上の使用者の地位を承継すると解され、労働組合からの団体交渉に応じる義務も生じるとされています。
3. まとめ
今回の事業譲渡等指針の改正は、企業価値担保権という新しい制度の導入に伴い、「事業の継続」と「労働者保護」の両立を図るためのものです。
事業再編や資金調達の場面で、労働者とのコミュニケーションや情報提供の重要性が一段と高まります。 今後の実務においても、企業は早めの準備と丁寧な対応が求められるでしょう。
リーフレット等も掲載されております。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、フリーランス・事業者間取引適正化等法施行から令和7年11月1日で1年を迎えたのに際し、特設サイトを開設しております。
以下の4項目について記載されています。
・フリーランス・事業者間取引適正化等法に基づく就業環境整備に対応できていますか?
都道府県労働局における令和6年度の法施行状況をみると「ハラスメント対策に係る体制整備義務(法第14条)」と「募集情報の的確表示義務(法第12条)」の違反に関する指導等が多くなっているということで、ハラスメント対策に係る体制整備義務(法第14条)、募集情報の的確表示義務(法第12条)について、解説がされています。都道府県労働局における指導等の事例やリーフレットも掲載されております。
・フリーランス・事業者間取引適正化等法に関する相談先
フリーランス・トラブル110番、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)の連絡先などが掲載されております。
・フリーランス・事業者間取引適正化等法の広報を11月30日まで強化しています。
公正取引委員会では、令和6年11月1日に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」の認知度及び理解度を高め、発注事業者による違反行為の未然防止を図るとともに、フリーランス法の違反被疑事実についての申出窓口を広く周知するため、広報強化期間を設け、広報活動を実施しています。令和7年10月6日から11月30日までの期間をフリーランス・事業者間取引適正化等法広報強化期間の第2弾と位置付け、広報活動を実施しています。
・フリーランス・事業者間取引適正化等法を詳しく知りたい方へ
フリーランス・事業者間取引適正化等法(就業環境整備部分)の条文、解説動画、労災保険の特別加入などの関連情報をまとめた厚生労働省のWEBサイトの案内が掲載されております。
詳細は、以下よりご確認願います。
連合は、「2026春季生活闘争基本構想」について公表しております。(10月23日公表)。
概要は次の通りです。
・日本の実質賃金を1%上昇軌道に乗せ、これからの“賃上げノルム” としていくことをめざす。
・賃上げがあたりまえの社会の実現に向け、全力で賃上げに取り組み、社会全体への波及をめざす。
・すべての働く人の生活を持続的に向上させるマクロの観点と各産業の「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組み強化を促す観点から、全体の賃上げの目安は、賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上とし、その実現にこだわる。
(出典:連合「2026春季生活闘争基本構想」)
・中小労組などは、この間の賃上げ結果や賃金水準を点検し、格差是正分を積極的に要求する。
・賃金実態が把握できないなどの事情がある中小労組は、上記目標値に格差是正分1%以上を加えた6%以上・18,000円以上を目安とする。
・雇用形態間格差是正をはかるため、7%を目安に少なくとも地域別最低賃金の引き上げ率を上回る賃金引き上げに取り組む。
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2026/houshin/data/houshin20251023.pdf?4225
厚生労働省は、「令和7年版 労働経済の分析」を公表しております。(令和7年9月30日)
労働経済白書は、一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書で、今回で76回目の公表となります。
今回の白書では、「労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて」をテーマとして分析が行われました。
第Ⅰ部では、2024年の雇用情勢や賃金、経済等の動きをまとめています。
また、第Ⅱ部では、労働力供給制約の下での持続的な経済成長を実現するための対応について、労働生産性の向上に向けた課題、社会インフラを支える職業の人材確保、企業と労働者の関係性の変化や労働者の意識変化に対応した雇用管理といった観点から分析を行っています。
〇令和7年版労働経済の分析の主な内容
◆2024年の雇用情勢は前年に引き続き改善。実質賃金の一般、パートはマイナスを脱した。<第Ⅰ部>
◆持続可能な経済成長には、労働生産性の向上の推進が重要。国際的にみても高齢化率が高まるにつれて就業者の割合が高まる傾向のある医療・福祉業等をはじめ、AI等ソフトウェア投資等による業務の効率化や省力化の推進、事務的な業務の軽減が重要。<第Ⅱ部第1章>
◆社会インフラに関連する分野の人材確保は、持続的な経済成長に向けた重要な課題。人材確保には賃金をはじめとしたスキルや経験に応じた処遇の改善が必要。長期的に安心して働くために、スキルや経験の蓄積に応じて賃金が段階的に上昇する「キャリアラダー」と呼ばれる仕組みの構築を進めることが重要。<第Ⅱ部第2章>
◆日本的雇用慣行の変化に加え、ワーク・ライフ・バランスへの関心の高まりなど、雇用を取り巻く環境に様々な変化が生じている。これに対応して企業が人材を確保するためには、賃金等の処遇改善に加え、労働者それぞれの意識やライフ イベントに合わせた働き方を可能とする柔軟なな雇用管理を行うことが重要。<第Ⅱ部第3章>
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、厚生労働省関係の主な制度変更(令和7年10月)について一覧表を掲載しております。
以下に雇用・労働関係について、抜粋して掲載します。
〇子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
・3歳以上小学校就学前までの子を養育する労働者に関し、事業主が職場のニーズを把握した上で、柔軟な働き方を実現するための措置を複数講じ、労働者が選択して利用できるようにすることを義務付ける。また、子が3歳になるまでの適切な時期に、当該措置の個別の周知と利用意向の確認を義務付ける。
・妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前の適切な時期に、労働者の仕事と育児の両立に関する意向を個別に聴取し、当該意向に配慮することを事業主に義務付ける。
〇教育訓練休暇給付金の創設
・労働者が離職することなく教育訓練に専念するため、自発的に休暇を取得して仕事から離れる場合、失業給付(基本手当)に相当する給付として賃金の一定割合を受給できるようになる。
〇リ・スキリング等教育訓練支援融資事業の創設
・個人のスキルアップ等を支援するため、教育訓練費用及び教育訓練受講中の生活費を融資する。
〇最低賃金の改定
・都道府県ごとに定められている地域別最低賃金が10月1日以降順次改定される。
・全ての都道府県において、時間額63円から82円の引上げとなる(全国加重平均1,121円)。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、「令和7年版厚生労働白書」(令和6年度厚生労働行政年次報告)を公表しております。

令和7年版厚生労働白書は、今年のテーマについて掘り下げる第1部と、厚生労働行政の施策をまとめた第2部の2部構成となっています。その年ごとのテーマを設定している第1部では「次世代の主役となる若者の皆さんへ-変化する社会における社会保障・労働施策の役割を知るー」と題して、社会保障や労働施策の役割と方向性、若者の意識、施策を知る意義、社会保障教育や労働法教育の取り組みを紹介しています。
〇概要
【第1部】次世代の主役となる若者の皆さんへ
-変化する社会における社会保障・労働施策の役割を知るー
・社会保障・労働施策の役割と方向性、若者の意識、施策を知る意義について示しています。
・社会保障や労働施策を知ってもらうための「社会保障教育・労働法教育」の取り組みについて紹介しています。
【第2部】「現下の政策課題への対応」
・子育て、雇用、年金、医療・介護など、厚生労働行政の各分野について、最近の施策の動きをまとめています。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、令和6年簡易生命表の概況を公表しております。
(出典:厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」
「令和6(2024)年簡易生命表」は、日本における日本人について、令和6年1年間の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の者が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを、死亡率や平均余命などの指標によって表したものです。
0歳の平均余命である「平均寿命」は、全ての年齢の死亡状況を集約したものとなっており、保健福祉水準を総合的に示す指標です。
【結果のポイント】
・令和6年の平均寿命
男:81.09年(前年比△0.00年)、女:87.13年(前年比△0.01年)
・平均寿命の国際比較
男 1位:スウェーデン 82.29年(2024)、2位:スイス 82.2年(2023)、3位:ノルウェー 81.59年(2024)、6位:日本 81.09年(2024)
女 1位:日本 87.13年(2024)、2位:韓国 86.4年(2023)、3位:スペイン 86.34年(2023)
詳細は、以下よりご確認ください。
連合は、6 月末時点の最終回答集計結果を踏まえ、2025春季生活闘争 まとめを公表しております。(2025.7.17)
資料より一部抜粋してご紹介します。
Ⅰ.評価
1.全体的な受け止め
・2025 春季生活闘争では、2年連続で定昇込み5%台の賃上げが実現した。定昇除く賃上げ分は過年度物価上昇率を上回った。企業の持続的成長、日本全体の生産性向上につながる「人への投資」の重要性について、中長期的視点を持って粘り強く真摯に労使交渉した結果である。新たなステージの定着に向け前進したと受け止める。
2.働く者の生活向上につながるか
・2022 春季生活闘争より、日本の実質賃金の長期低下傾向を反転させることを一つの目標として「未来づくり春闘」を掲げてきた。2024年度の消費者物価(総合)は 3.0%と要求検討時点の見通しより上振れした。2025年度については政府2.0%、日本銀行2.2%の見通しとなっている。賃上げ分は全体で3.70%、中小で3.49% となっている。賃上げ反映後の日本全体の実質賃金の動向を注視しつつ、次年度以 降の取り組みにつなげていく必要がある。
・近年、人材確保のために初任給を大幅に引き上げる一方、中高年層への配分を相対的に抑制するなどの傾向があることを踏まえ、今年の方針では、すべての労働者の生活向上をめざし賃上げ原資の配分に関与することを掲げて取り組んだ。その結果、 賃上げの配分に変化があったとの報告もある。労働組合は、人材の定着やモチベーションの維持・向上などの観点も含めて、賃上げ後の賃金カーブを点検する必要が ある。また、賃上げ後の賃金と社会保障給付・公共サービスなどでライフステージに対応した生活ができるのか点検し、政策面とあわせて総合的な生活改善の取り組みを強化する必要がある。
3.格差是正は進んだか
・多くの中小組合で格差是正を含めた積極的な要求が提出され、価格転嫁・適正取引の取り組みについてもすそ野が広が り、産業特性などを踏まえ様々な取り組みが展開された。賃上げの分散係数は、2年連続で縮小した。
・中小組合の賃上げは、昨年より 0.20 ポイント上昇するなど健闘した。金額でも全体平均を超える組合が着実に増加し、賃上げのすそ野が広がった。一方、引き上げ率・額とも全体平均を下回り、格差拡大に歯止めをかけるには至らなかった点は課題である。
・有期・短時間・契約等労働者の時給の引上げ率は5.81%と、フルタイム組合員の平均賃金方式の賃上げ率5.25%を上回り、連合が時給の集計を開始した2000年代中 盤以降の最終集計結果と比べ最大の引き上げとなった。
・男女間賃金格差の実態把握・要因分析および、雇用管理区分で異なる手当などが間接差別にあたらないか実態を点検し、是正に向けて取り組んだ。引き続き、企業規模にかかわらず、すべての企業で「事業主行動計画」が策定されるよう働きかける必要がある。また、「男女の賃金の差異」の公表の際は、「説明欄」に賃金差異の 要因・是正に向けた取り組みの記載を促し、労使で改善に取り組む必要がある。
4.働き方の改善は進んだか
・休日数の増加や所定労働時間の短縮、勤務間インターバル制度の導入など長時間労働の是正や、基本給など賃金決定ルールの整備や一時金支給など同一労働同一賃金の実現に関する取り組みや、無期転換の促進、全従業員対象の企業内最低賃金引き上げなど有期・短時間・契約等労働者の雇用安定と処遇改善が着実に前進している。
また、定年年齢の引上げや 70 歳までの就業確保や治療と仕事の両立支援、不妊治療を対象とする特別休暇の創設など、様々な取り組みが行われている。引き続き「す べての労働者の立場にたった働き方」の改善に取り組む必要がある。
・2025 年4月1日より順次施行される改正育児・介護休業法で定める、3歳以降の柔軟な働き方に係る制度の導入などに向け、各組合で取り組んだ。引き続き、子に障がいがある場合・医療的ケアを必要とする場合や、ひとり親家庭などに対して、各種両立支援制度の配慮を求めるなど、誰もが仕事と育児・介護を両立できる職場の構築に向けた取り組みを推進することが重要である。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、「第5回 経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会」の資料を公開しております。
資料の中に、「中間とりまとめ(案)」が掲載されておりますので、一部抜粋してご紹介します。(下線は筆者加筆)
1.キャリアコンサルティングをとりまく状況
・労働者のキャリアの多様化が進展している。
・一方、企業においては、働く人々が意欲を持って継続的に成長できる環境を整え、キャ リア形成や能力開発に自ら取り組む自律的人材の育成を進めることが求められている。
・DXやAI技術の進展により、様々な職種の業務内容と必要とされるスキルについても急激な変化が進んでいる。
・労働者が生涯にわたり充実した職業人生を送るためには、「キャリア自律」に取り組むことが不可欠になっている。また、その際には、学び直しや副業・兼業、地域や業種を越えた越境的な経験、さらには転職、再就 職、起業、育児・介護による一時的な離職や復職といった、人生の各段階における多様な選択と移行を通じて、中長期的にキャリアを再構築する視点が重要となっている。
・こうした中、労働者のキャリア自律に向けた取組みを支援するキャリアコンサルタ ントに対する期待はますます高まっており、その活動の場が、企業や需給調整機関のほか、学校、行政機関、各種支援機関など、様々な領域に広がるにつれ、キャリアコ ンサルタントには、それぞれの活動領域に応じた専門性が求められるようになっている。
2.今後のキャリアコンサルティングに必要な能力
(1) 環境変化に応じて多様な情報を活用しキャリア自律を支援する能力
・経済社会情勢や労働者自身のニーズの変化が激しい現在においては、あらゆる世代・立場の人々が、自身の将来のキャリアを見据え、キャリア自律に取り組む必要がある。このため、キャリアコンサルタントには、「解決型」の支援だけでなく、「開発型」の支援を行うことが求められる。このため、キャリアコンサルタントには、労働者が経済社会情勢の変化を理解した上で自己洞察を促す面談を行い、労働者がキャリア形成に資する職場を自己決定するとともに、自分を継続的に高め続ける力を養うキャリアコンサルティングを行える能力が必要である。
・こういった支援を行う際には、労働者に、業界や職業の現状や将来の予測につい ての情報を提供するほか、自分の将来のキャリアについて期待を持ってもらえるよ う、具体的な選択肢を提示した上で、能力開発の方向性の助言を行うとともに、新規就職や、社内での職種転換・再配置によるキャリア形成支援、転職・再就職・起業など企業外への移動におけるマッチング支援を行うことが求められる。
・このマッチング支援においては、労働者の自己理解・仕事理解・環境理解が進むよう支援するとともに、労働者が在籍する企業や求人者に対しても、自社や業界、社会環境の理解が深まるよう働きかけや提案等を行うことにより、条件の再調整を図っていくことが重要である。なお、労働者への支援にあたっては、職種変更を求められる労働者の心理的受容に対する支援もあわせて行うことが重要である。
・こういったキャリア形成やマッチングの支援を的確に行うためには、様々な情報ツールを使い、労働市場の状況や様々な職種の業務内容と必要とされるスキル、教育訓練、各種支援制度等について、最新の情報を把握した上で、その情報を活用した適切なキャリアコンサルティングを行える能力が必要である。
(2) 企業内の労働者のキャリア自律の促進や人材育成を支援する能力
・企業内で活動するキャリアコンサルタントが果たすべき役割についてみると、まず、キャリアコンサルティングの機会を確保することその他の援助を行うことが事業主の講ずる措置として職業能力開発促進法に定められていることや、社員のキャリア自律は企業経営にもプラスの効果があること、キャリア自律は必ずしも他社への転職を前提としたものではなく、転職を防ぐ効果もあることなどについて、データやメカニズムも含めて関係者に説明することにより、企業の理解を促し、社員のキャリア自律を企業として支援するよう働きかけることが重要である。
・また、企業内で社員のキャリア自律を促進するには、セルフ・キャリアドックの活用が有効であることから、キャリアコンサルタントには、同制度の導入のメリッ トを企業に伝え、同制度の導入・活用に向けた支援を行うことも求められる。
・企業内の労働者のキャリア自律に対する支援にあたっては、キャリアコンサルタ ントには、経営層に対して、社員のキャリア形成やスキル獲得の進捗状況と、それが人材の確保・定着・生産性向上といった経営上の課題解決にどう寄与するかをデータ等で示すとともに、組織内の人材育成・配置、職場風土などの課題や社員のニーズを共有し、経営層が自社の組織や社員の理解を深めることを支援することが求められる。 あわせて、企業による社員のキャリア形成の促進に向けた計画を、経営者や人事部門と連携しながらともに設計・実施し、社員の能力開発・研修計画の企画と運営を通じて、キャリア支援を軸に組織の活性化と持続的成長を後押しすることが、キャ リアコンサルタントに期待される役割であると考えられる。
・このような連携・協力を行う際には、例えば、経営者、人事部門の責任者、社内のキャリアコンサルタント等で形成される委員会を設けるなど、定期的に話し合うことで、経営層と労働者の相互理解が深まり、労働者の主体性を尊重しながら、企業と社員の双方にメリットをもたらすキャリア形成支援が実現することが考えられる。
・企業内で活動するキャリアコンサルタントには、経営層や職場の関係者に対して適切な働きかけを行える能力が求められる。また、企業内の各部門や他の専門職との連携支援を円滑に行える能力も必要である。
・労働者を取り巻く環境が激しく変化する中においては、労働者自身の将来のキャリア形成に対する意識や保有スキルの状況を定期的にチェックする仕組みの導入・活用が効果的である。この定期的なチェックの仕組みにより、労働者のキャリア自律に向けた意識の向上や労働者自身をとりまく環境に対する理解の促進が図られるとともに、保有スキルが可視化されることにより、企業による能力開発支援や適切な人材配置が円滑に行われるようになることが期待できる。また、あわせて、 チェックの結果明らかになった職場の課題を企業にフィードバックし、個人の自立 と組織の活性化をつなげることも可能となる。
3.キャリアコンサルタントの能力開発の促進
・キャリアコンサルタントには、例えば、AIを活用したキャリアコンサルティングを行える能力など、様々な能力を身につけることが期待されている。また、キャリアコンサルタントが活動する領域によっても、必要とされる能力は大きく異なっている。
・現在、キャリアコンサルタントの能力開発は、活動領域ごとに求められる能力を体系的に身につけられるような仕組みにはなっていない。
・このため、キャリアコンサルタントの能力開発を促進するためには、経済社会情勢の変化に応じてキャリアコンサルタントに求められる能力を養成するために必要な内容が講習に適切に盛り込まれているとともに、キャリアコンサルタントが成長していく道筋が明確にされ、個々のキャリアコンサルタントがその活動領域とレベルに応 じて必要な講習を受けられるようになっていることが必要である。
・また、講習だけでなく、現場で実際にキャリアコンサルティングを行う中での実践的な学びが行われる機会を設けることも重要である。
4.キャリアコンサルティングの活用促進
・キャリアコンサルタントは、平成28年度の登録制度創設以降、右肩上がりに増加し、令和7年3月末時点で約8万人に達している。
・一方で、キャリアコンサルタントとして登録している者の約3割はキャリアコンサルティングに関連する活動を行っておらず、その理由は、「キャリアコンサルティングとは関係のない組織、部署等に所属している」「周囲にキャリアコンサルティングの仕 事(ニーズ)がない」などが多くなっている。また、企業がキャリアコンサルティン グを実施しない理由としては、「労働者からの希望がない」というものが最も多くなっている。しかし、これは、キャリアコンサルティングの意義や効果について、労働者のみならず、経営者や管理職においても十分に理解が進んでいないことに起因しており、ニーズが存在しないことを意味するものではない。実際には、制度や機会の認知不足や相談経験の乏しさが、活用へのハードルとなっている場合も多いため、多様な立場の関係者がキャリア支援の価値を理解し、実際に体験する機会を拡充していくこ とが、今後の活用促進に向けて重要である。
・キャリアコンサルティングのさらなる活用を図るためには、キャリアコンサルティングの意義や効果について、労働者、企業、学校等教育機関、各種支援機関等をはじめ、広く一般に周知を図ることが必要である。その際には、キャリア支援の成果を可視化・定量化するための指標(キャリア自律度・エンゲージメントスコア・学習行動指数等)や、エビデンスに基づく評価手法を活用すること有効である。また、職業能力開発推進者の選任や事業内職業能力開発計画の作成といった職業能力開発促進法の措置について、役割や重要性、キャリアコンサルタントとの関係についてわかりやすく示し、現場で実践されるよう促すことも、キャリアコンサルタントの活躍の機会の創出に寄与することが期待される。さらに、例えばITなど専門性の高い業種に精通したキャリアコンサルタントの活躍を促進することも有効である。
詳細は、以下よりご確認ください。
公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和7年法律第62号)が、6月4日に参議院において可決され、成立しました。その後、6月11日に令和7年法律第62号として公布されました。この法律は、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます。
改正の概要についてご紹介します。
1.事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上
・従事者指定義務に違反する事業者(常時使用する労働者の数が300人超に限る)に対し、現行法の指導・助言、勧告権限に加え、勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)を新設する。
・上記事業者に対する現行法の報告徴収権限に加え、立入検査権限を新設するとともに、報告懈怠・虚偽報告、検査拒否に対する刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)を新設する。
・現行法の体制整備義務の例示として、労働者等に対する事業者の公益通報対応体制の周知義務を明示する。
2.公益通報者の範囲拡大
・公益通報者の範囲に、事業者と業務委託関係にあるフリーランス及び業務委託関係が終了して1年以内のフリーランスを追加し、 公益通報を理由とする業務委託契約の解除その他不利益な取扱いを禁止する。
3.公益通報を阻害する要因への対処
・事業者が、労働者等に対し、正当な理由がなく、公益通報をしない旨の合意をすることを求めること等によって公益通報を妨げる行 為をすることを禁止し、これに違反してされた合意等の法律行為を無効とする。
・事業者が、正当な理由がなく、公益通報者を特定することを目的とする行為をすることを禁止する。
4.公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化
・通報後1年以内(※)の解雇又は懲戒は公益通報を理由としてされたものと推定する(民事訴訟上の立証責任転換)。
※事業者が外部通報があったことを知って解雇又は懲戒をした場合は、事業者が知った日から1年以内。
・公益通報を理由として解雇又は懲戒をした者に対し、直罰(6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金、両罰)を新設する。
法人に対する法定刑を3,000万円以下の罰金とする。
詳細は、以下よりご確認ください。
内閣府は、令和7年5月28日に開催された「第23回規制改革推進会議」の資料を公開しております。
資料の中から、「規制改革推進に関する答申(案) 概要」について、一部抜粋してご紹介します。
Ⅱ.賃金向上、人手不足対応
○地域の実情に応じた介護サービス提供体制等の見直し
・持続可能な介護提供体制を構築するため、ICTやAI等の技術の進展を踏まえつつ、地域の実情に応じた柔軟な対応が可能となる制度及び運用の見直し(人員配置の柔軟化・合理化、基準該当サービス及び離島等相当サービスの更なる活用、 介護支援専門員の更新研修の在り方の見直し等)について検討 【7年度検討開始等】
○障害福祉分野における申請・届出等に関する手続負担の軽減
・障害福祉事業所等から自治体への指定・報酬請求の申請・届出について、①標準様式等の使用原則化(ローカルルールの防止)、②システム化・ワンストップ化 【①措置済、②9年度中目途に措置等】
○スタートアップの柔軟な働き方の推進(裁量労働制の対象業務の検討等)
・裁量労働制に関する実態等を把握するための調査を行った上で、その結果を踏ま え、スタートアップにおける柔軟な働き方に資する検討に着手【7年度検討開始等】
・スタートアップで働く役職者等の管理監督者への該当性の判断の考え方の更なる明確化 【7年度検討開始等】
○副業・兼業の更なる円滑化に向けた環境整備 【7年度検討開始等】
・副業・兼業を行う労働者の割増賃金の支払いに係る労働時間の通算管理や健康確保の在り方について検討 【7年度検討・結論等】
・ハローワークと副業・兼業を支援する地域の関係機関(商工会議所等)との連携な ど、副業・兼業のマッチング機能を向上させるための枠組みの構築 【7年度措置】
○時間単位の年次有給休暇制度の見直し
・ 労働者の選択肢を拡大し、通院、自己啓発、育児・介 護等の多様なニーズに一層対応した働き方を実現するため、時間単位の年次有給休暇日数の拡大を検討 (年5日→年休付与日数の50%等)【7年度結論】
○職業紹介責任者の専任規制の見直し
・デジタル技術の徹底活用等により、事業所ごとに専属の職業紹介責任者を選任する義務について、複数事業所での兼任可能とする方向で見直しを検討 【7年度末を目途に結論等】
○高卒就職者に対する求人情報の直接提供等
・生徒による求人票直接閲覧を実現し、求人票の公開時期の前倒し(夏休み前の7月から1~2か月) 【7年度検討・結論等】
・慣習となっている校内選考は不要であることを学校への通知等により明確化 【措置済】
○外国語指導に従事する外国人材の更なる活躍促進
・ 在留資格「教育」を有し、小中高で外国語指導助手(ALT)として働く外国人材の地域での活躍機会を拡大すべく、 民間事業者に雇用されるALTに対する包括許可の付与を含め、資格外活動許可の見直し等を検討 【7年度検討・結論等】
○デジタル・AI技術を活用した建設機械の安全義務及び技能要件の在り方について
・建設業界の人手不足解消及び生産性向上のため、デジ タル・AI技術を活用し遠隔・自律運転を行う建設機械等に関する労働安全衛生法等で定める安全義務(ヘルメットの着用等)や技能要件について、専門家検討会を設置し、技術に即した見直し【7年検討開始、結論を得次第速やかに措置等】
○不動産売買仲介におけるデジタル・AI活用促進
・不動産売買の重要事項説明において、AIサービスの活用が認められる具体例や前提等について、可能なものから随時明確化 【7年度検討開始等】
詳細は、以下よりご確認ください。
令和7年5月14日に新しい資本主義実現会議(第34回)が開催され、「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」の施策パッケージ案が公表されております。
目次は以下の通りです。
Ⅰ 目指すべき方向性
Ⅱ 官公需も含めた価格転嫁・取引適正化
Ⅲ サービス業を中心とした中小企業・小規模事業者の生産性向上
Ⅳ 事業承継・M&A等の中小企業・小規模事業者の経営基盤の強化
Ⅴ 地域で活躍する人材の育成と処遇改善
資料より一部抜粋してご紹介します。
Ⅰ 目指すべき方向性
・2029 年度までの5年間で、日本経済全体で、実質賃金で1%程度の上昇、すなわち、持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルムとして我が国に定着させる。
・2029年度までの5年間で集中的に取り組む政策対応を「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」の施策パッケージとして以下に示 し、政策資源を総動員してこれを実行する。
具体的には、官公需も含めた価格転嫁・取引適正化、中小企業・小規模事業者の生産性向上、事業承継・M&A 等の中小企業・小規模事業者の経営基盤の強化に取り組むとともに、地域で活躍する人材の育成と処遇改善を進める。
~国・自治体・業種ごとの価格転嫁状況の徹底的な可視化と改善~
~5年間60兆円の官民での生産性向上投資と全国2,000を超える者によるきめ細かな支援~
~336万者の経営者全員がいつでも事業承継・M&A等を相談できる支援体制の構築~
~地域で活躍する人材の育成と処遇改善~
Ⅱ.官公需も含めた価格転嫁・取引適正化
(1)官公需における価格転嫁策の強化
中小企業・小規模企業者の賃上げ・投資の原資の確保の観点から、関係省庁が連携し、総合的に取り組むため、「官公需における価格転嫁のための施策パッケージ」として、以下を強力に実行する。
① 労務費等の価格転嫁の徹底
② 国・独立行政法人等の低入札価格調査制度
③ 自治体の低入札価格調査制度・最低制限価格制度
④ 的確な発注のための具体的な取組
(2)労務費等の価格転嫁の更なる推進
近年、労務費を含む中小企業・小規模事業者の価格転嫁率は全体では改善傾向にあるが、業種別に見ても、例えばトラック運送・広告・放送コンテンツ等の業種をはじめとして更なる改善が必要であり、同時に、中小企業間や中小企業・小規模事業者間の価格転嫁も課題である。業種ごとに様々なサプライチェーンの形態が存在することにも鑑み、業所管省庁において労務費等の価格転嫁の進捗を業種別にきめ細やかに把握するとともに、中小企業間、中小企業・小規模事業者間の取引への対 応を含めて更なる取引適正化を推進する。
①中小受託取引適正化法の執行強化のための体制強化と対応厳格化
②パートナーシップ構築宣言の更なる拡大と実効性確保
③「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」のサプライチェーン全体 への徹底
④サプライチェーンの深い層まで労務費等の価格転嫁を浸透させるための労働基準監督署の活用
⑤官民でのデフレマインドの払拭
(3)中小企業・小規模事業者の知的財産の保護の強化と活用促進
政府全体で中小企業等の知財経営リテラシーの向上や、侵害抑止強化に向けた制度の構築に取り組む。また、公正取引委員会においては、実態調査と、その結果を踏まえた適切な知的財産取引のための独占禁止法上の指針の策定と遵守徹底に取り組 む。
Ⅲ.サービス業を中心とした中小企業・小規模事業者の生産性向上
(1)業種別の「省力化投資促進プラン」 の策定・実行
最低賃金引上げの影響を大きく受ける、人手不足がとりわけ深刻と考えられる12業種(飲食業、宿泊業、小売業、生活関連サービス業(理美容業、ク リーニング業、冠婚葬祭業)、その他サービス業(自動車整備業・ビルメンテナンス業)、運輸業、建設業、医療、介護・福祉、保育、製造業、農林水産業)については、その生産性を向上させる必要性が一層高いことに鑑み、各業所管省庁において、官民での取組の目標と具体策を「省力化投資促進プラン」として公表する。
(2)全国的なサポート体制を通じた業種別の「省力化投資促進プラン」の徹底的 な伴走支援と業種横断的な支援の充実
地方のサービス業や小規模な企業にとっては、生産性向上に向けた取組を行うためのノウハウ・人的資源・資金面での経営基盤が不足していること、また、現 在の政府の支援策へのアクセスや申請時の事務的負担にも課題がある点を踏まえ、 全国的に、希望する中小企業・小規模事業者に徹底的に伴走支援を行う、新たなサポート体制を整備することを検討する。
(3)12業種の「省力化投資促進プラン」の概要
①飲食業 :飲食業の労働生産性を2029年度までに35%向上することを目指す
②宿泊業 :宿泊業の労働生産性を2029年度までに35%向上することを目指す
③小売業 :小売業の労働生産性を2029年度までに28%向上することを目指す
④生活関連サービス業(理容業、美容業、クリーニング業、冠婚葬祭業):生活関連サービス業の内、理容業、美容業、クリーニング業の労働生産性を2029 年度までに29%向上し、冠婚葬祭業の労働生産性を2029年度までに24%向上するこ とを目指す
⑤その他サービス業(自動車整備業、ビルメンテナンス業):自動車整備業の労働生産性を2029年度までに25%向上することを目指す。また、ビルメンテナンス業の労働生産性を2029年度までに25%向 上することを目指す
⑥製造業:製造業の労働生産性を2029年度までに24%向上することを目指す
⑦運輸業 :運輸業の労働生産性を2029年度までに、鉄道分野18%、自動車(物流)分野25%、 自動車(旅客運送)分野26%、水運分野22%、造船・舶用工業分野含む輸送用機械器具製造業分野21%向上を目指す。また、航空分野では、 2029年度までに労働生産性5%向上を目指す
⑧建設業 :建設業の労働生産性を2029年度までに9%向上することを目指す
⑨医療:労働生産性の向上の取組により、医師・看護師の時間外労働の削減、合理的な配置基準の見直しを目指す。また、2020年代に最低賃金1500円という政府目標はもとより、持続的な賃上げにつなげていく。
⑩介護・福祉:労働生産性の向上の取組により、介護分野では、老人保健施設、介護老人福祉施 設、特定施設入居者生活介護指定施設で、2029年までに8.1%、2040年までに 33.2%の業務効率化(人員配置の柔軟化)を目指す。障害福祉分野では、ICT活用 等により業務量の縮減を行う事業所の比率を2029年に90%以上を目指す。また、2020年代に最低賃金1500円という政府目標はもとより、持続的な賃上げにつなげていく。
⑪保育:保育現場へのICTの導入等により、保育士がこどもと向き合う時間を確保する。また、2020年代に最低賃金1500円という政府目標はもとより、持続的な賃上げにつなげていく。
⑫農林水産業:農業では1経営体あたりの生産量を2030年までに2023年比で約1.8倍にすることを目指す。林業では2030年に木材生産に係る林業経営体の生産性を2022年比で5割向上することを目指す。水産業は2030年に漁業就業者1人当たりの漁業生産量を2020年比で3割向上することを目指す。
(4)成長志向の中小企業・小規模事業者の挑戦支援
①成長志向の中小企業・小規模事業者の恒常的創出に向けたエコシステムの創出
②成長志向の中小企業・小規模事業者へのソフトインフラ構築
③新たな成長加速マッチングサービスの普及
(5)地域の中小企業・小規模事業者における人材の確保
① 地域の経営人材のマッチング機能の強化
②地方自治体・農協・地域金融機関の職員の副業・兼業の推進
③地域内での人事・採用機能や専門人材の共有化
地域の中小企業・小規模事業者の多くは、「稼ぐ力」の向上に不可欠な人事戦略・人員配置を検討し、必要な人材を外部から確保する機能を十分に有して いない。民間事業者等が地域内のハブになって、商工会・商工会議所、地域金融機関、自治体等と連携して、人材の副業・兼業等を通じながら、地域内で人事機能や専門人材の知見を共有化するといった先進事例の横展開を促す。
④人手不足分野における人材確保支援の強化や副業・兼業のマッチング推進
地方の生活インフラを支える物流、医療・介護、子育て等の分野における人材確保のため、118か所のハローワークに設置している専門窓口の増設を図るとともに、これまで行ってきた、業界連携による就職面接会等の開催、求職者への担当者制による個別相談、窓口相談や事業所へのアウトリーチによる企業への求人条件や求人 票の助言指導に一層効果的に取り組む。
ハローワークにおいて副業・兼業のマッチングを推進するとともに、支援する他の関係機関との連携を図る。
Ⅳ.事業承継・M&A等の中小企業・小規模事業者の経営基盤の強化
(1)M&Aの売り手側の経営者に対する支援策の強化
M&Aの売り手となる中小企業・小規模企業の経営者からすると、従業員の雇用維持や経営者自身の金銭面・生活面に対する不安、自社の事業の評価や信頼できる支援機関が分からないといったことを背景に、そもそもM&Aの検討を躊躇する場合が 多い。こうした売り手の経営者の課題に寄り添い、中小企業・小規模企業の経営者 がM&Aを一つの経営の選択肢とできるよう支援策を強化する。
(2)経営者から信頼される官民のM&A支援機能の強化
経営者からすると普段の経営で関わりのない民間のM&Aアドバイザーの専門知識や倫理観を信用しきれないという課題に対処するとともに、公的な総合窓口である 中小企業庁の事業承継・引継ぎ支援センターの体制を強化する。
(3)経営能力に優れたM&Aの買い手へのマッチング等の支援
一般的に経営者の年齢が若い企業ほど新たな取組に積極的で、事業承継を実施した企業は、承継後に成長を加速させる傾向にある。M&A後の事業の成長加速の観点から、経営能力に優れたM&Aの買い手へのマッチング、成長を志向する中堅・中小 企業の連続M&A、計画的な事業統合(PMI(Post Merger Integration))を推進する。
(4)地域金融機関による事業継続に向けたコンサルティングの促進
地域経済を支える中小企業・小規模事業者の事業の持続可能性を支える観点から、金融機関が、顧客企業との継続的な関係の中で、経営者の状況も踏まえつつ事業承継・M&Aを含む事業継続のためのプラン が検討されているかについても確認するよう改めて促していく。
(5)事業承継税制等の検討
相続税・贈与税の 100%を猶予する事業承継税制に関し、令和7年度与党税制改正大綱において「事業承継による世代交代の停滞や地域経済の成長への影響に係る懸念も踏まえ、事業承継のあり方について は今後も検討する」と記載されていることに鑑み、事業承継に係る政策のあり方の検討を進める。
(6)経営者保証に依存しない融資の促進と、事業承継の際の解除の促進
経営者保証を付した融資の割合は 徐々に減少しているものの、民間金融機関の新規融資のうち5割で経営者保証が付 いている状況に鑑み、中小企業庁と金融庁とで連携し、3要件を満たす経営を中小企業・小規模事業者の経営者に対して推進し、経営者保証に依存しない融資慣行の確立を進めていく。
Ⅴ.地域で活躍する人材の育成と処遇改善
(1)アドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成
アドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成のため、既存の公的資格ではカバーできていない産業や職種におけるスキルの階層化・標準化のため に、厚生労働大臣が外部労働市場にも通じる民間検定を認定する団体等検定制度の普及と活用を進めるべく、業所管省庁から、業界団体等を通じて同制度の積極的な活用に向けた働きかけを強化し、そうした業種における現場人材の育成・処遇改善につなげていく。
(2)AI等の技術の進展に応じた幅広い労働者のリ・スキリング支援
・2022年度から2026年度末までの230万人のデジタル人材の育成(「デジタル田園都市国家構想総合戦略」で設定)に向けた取組について技術トレンドも踏まえた支援を着実に推進する。
・非正規雇用労働者等が、離職することなく、働きながら学ぶことで、より待遇の高い仕事に挑戦できるよう、オンライン訓練の地域偏在を踏まえて、国及び地方の適切な役割分担に留意しつつ、都道府県による委託訓練に加えて、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構を通じたオンライン訓練の全国展開を行う。
・労働者が、キャリアコンサルタント等の継続的な支援を受けつつ、労働市場に関 する情報等を活用して、自律的にキャリアを考え、スキルアップやより高度な職務 に挑戦できる環境の整備を進める。
(3)社内外のスキル・賃金水準の可視化と効果的な情報提供
・昨年度から着手した厚生労働省の求人情報の収集・分析事業につい て、その対象地域・職種を拡大するとともに、経験や資格の有無と賃金との関係を分析し、これらの結果を、職業情報提供サイト(job tag)等を通じて発信する。
・厚生労働省が運営する職場情報総合サイト(しょくばらぼ)、職業情報提供サイ ト(job tag)の内容の充実と利便性向上を図るとともに、こうした情報提供サイトにばらばらに掲載されている情報に労働者個人がワンストップでアクセスできるプ ラットフォームを構築する。
(4)医療・介護・保育・福祉等の現場での公定価格の引上げ
・こうした分野で働く方々の処遇については公的に価格が定まっており、近 年の物価高騰や賃金上昇の中で、他産業のようにコストの増加分を価格に転嫁することができない。
・公定価格の分野においても、医療・介護・障害福祉等における賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保がしっかり図られるよう、コストカット型からの転換を明確に図る必要がある。
・これまでの歳出改革を通じた保険料負担の抑制努力も継続しつつ、次期報酬改定をはじめとした必要な対応策について、令和7年春季労使交渉における力強い賃上げの実現や昨今の物価上昇による影響等を踏まえながら、経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるよう、 的確な対応を行う。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、労働政策審議会労働政策基本部会において、令和7年4月25日付けで報告書を取りまとめ公表しております。
労働政策審議会労働政策基本部会は、2024年1月から2025年3月にかけて10回開催し、AIの進化による社会構造の変化や人口減少社会を見据えた、地方や中小企業における課題や労働政策等について、議論を行いました。
労働政策審議会労働政策基本部会報告書(概要)は、以下の通りです。
第1章:地方・中小企業における現状と課題
地方の生産年齢人口は転出超過している状況にあること等を踏まえ、5つにまとめた。
【地方・中小企業の5つの課題】
①地方における賃金等の労働条件の低さや情報発信の不足
②社会インフラ維持に必要な産業・職種(「建設・採掘従事者、輸 送・機械運転、運搬・清掃、保健医療、介護等の職種」など)における賃金等の労働条件の低さ
③地方・中小企業における多様で柔軟かつ安心な働き方の不足
④固定的な性別役割意識を背景とした若年女性等の都市部への流出
⑤専門的な人材におけるミスマッチ
第2章:地方・中小企業の課題の解消に向けて 目指すべき施策の方向性
地方・中小企業の5つの課題を踏まえた労働政策の施策の方向性として
「労働生産性の向上」、「労働参加率の向上」、 「ジェンダーギャップの解消」、「情報ギャップの解消」
の4つとしており、それぞれに対する具体的な施策を報告書で提言している。
第3章:地方・中小企業の魅力の向上に資する労働政策
第3章において提言している施策については、都市部、大企業も施策の対象として含まれているものも多いが、中小企業は大企業と比較して人手不足が深刻になっていること、地方において生産年齢人口が転出超過していることなどを踏まえると、地方、中小企業において第3章の施策に積極的に取り組むことが必要である。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、「厚生労働省関係の主な制度変更(令和7年4月)」について、ホームページに掲載しております。
この中から雇用・労働関係のもののみ抜粋してご紹介します。
・出生後休業支援給付の創設
子の出生後の一定期間内に両親がともに14日以上の育児休業を取得した場合に、既存の育児休業給付と合わせて休業開始前の手取り10割相当を支給する「出生後休業支援給付金」を受給できるようになる。
・育児時短就業給付の創設
子が2歳未満の期間に時短勤務を選択した場合に、時短勤務時の賃金の10%を支給する「育児時短就業給付金」を受給できるようになる。
・雇用保険における自己都合離職者の給付制限の見直し
▶自己都合離職者の雇用保険の基本手当(失業給付)における原則の給付制限(※)期間を2か月から1か月に短縮する。
▶自己都合離職者が、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する教育訓練等を自ら受けた場合には、給付制限なく、基本手当を受給できるようになる。
(※)自己都合で離職した場合に、受給手続日から7日経過した日の翌日から一定期間が経過するまで、基本手当を受給できないこととするもの。
・高年齢雇用継続給付の給付率引下げ
高年齢雇用継続給付(※)について、最大給付率を各月に支払われた賃金額の15%から10%に引き下げる。
(※)60歳到達等時点に比べて賃金が75%未満に低下した状態で働き続ける60歳以上65歳未満の雇用保険の一般被保険者が受け取ることのできる給付。
・雇用保険料率の改定
雇用保険の失業等給付に係る保険料率を0.1%引き下げ、雇用保険料率全体で14.5/1,000(労働者負担:5.5/1,000、事業主負担:9/1,000)とする。
・子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
▶子の看護休暇の対象となる子の年齢を小学校3年生まで(現行は小学校就学前)拡大し、取得事由を感染症に伴う学級閉鎖等に拡大等する。
▶所定外労働の制限 (残業免除) の対象となる子の年齢を小学校就学前まで(現行は3歳未満) 拡大する。
・育児休業の取得状況の公表義務の拡大
常時雇用する労働者が1,000人超の事業主には男性労働者の育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務付けられているところ、300人超の事業主に拡大する。
・介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等
▶介護に直面した旨の申出をした労働者に対して、事業主が介護休業や介護両立支援制度等に関する事項の周知と利用の意向確認を個別に行うことを義務付ける。
▶介護に直面する前の早い段階(40歳等)で、労働者等への介護休業や介護両立支援制度等に関する早期の情報提供や、雇用環境の整備(労働者への研修等)を事業主に義務付ける。
・次世代法に基づく一般事業主行動計画に関する見直し
次世代法に基づく一般事業主行動計画の策定時に、育児休業等の取得や労働時間に係る状況把握・数値目標の設定を事業主に義務付ける。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、職務給の導入の検討に向けた資料を作成しています。
職務給は、企業にとって、「社員に求める役割・職務の内容が明確になる」、「仕事に応じた賃金を支払うことができる」、「人材の確保・定着につながる」、「社員の仕事に対する意欲が高まる」などのメリットがあります。
〇リーフレット
職務給を支給されている社員の声、職務給を導入している企業の声、関連情報が掲載されております。
〇手引き
本手引きでは、職務給を「基本給における『役割・職務の重要度』に基づいて決定される部分」ととらえています。手引きでは、
1. 職務給を導入している企業の特徴
2. 企業・社員が感じている職務給のメリット
3. 企業による職務給を導入するにあたっての取組み・工夫
4. 職務給の課題
を紹介しています。
詳細は、以下よりご確認ください。
公正取引委員会は、フリーランス法特設サイトを公開しております。
(出典:公正取引委員会リーフレット)
特設サイトでは、以下の内容が掲載されております。
〇法律のポイント動画
フリーランスの方向けとフリーランスに依頼する事業主の方向けの2本の動画が掲載されております。
〇法律の概要
法律の目的、この法律での「フリーランス」とは、法律の内容(義務の内容)が解説されております。
〇理解度診断
5つの質問で理解度診断ができるようになっております。全問正解すると、限定オリジナル壁紙がもらえます。
〇よくある質問
現時点で、以下の4つの質問が掲載されております。
・トラブルを抱えているフリーランスが相談窓口はある?
・フリーランス法は何のためにできたの?
・違反した場合はどうなるの?
・フリーランス法をもっと詳しくしるためにはどうしたらいいの?
〇事業主の方向けあるあるチェック
1つでも当てはまるあなたは、フリーランス法違反かも!
該当する項目のチェックボックスを クリックすると説明が表示されます。
その他、リーフレットや関連リンクも掲載されております。
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/index.html
個人情報保護委員会は、「(中小企業等向け)個人情報保護法10のチェックポイント」というリーフレットを掲載しました。
リーフレットでは、中小企業等向けに、個人情報の取得・利用、保管・管理、第三者提供、開示請求等の4つの分類について、10個のチェック項目を設けて、自社の取組状況をチェックできるようになっています。
チェックが終わったら、チェック項目の下にQRコードが掲載されておりますので、動画とパンフレットでチェック項目についての解説を確認することが可能です。
・動画
社長に知ってほしい個人情報保護10のチェックポイント
・パンフレット
はじめての個人情報保護法 ~シンプルレッスン~
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/10_checkpoint.pdf
本日は、労務関連の書籍のご紹介をします。
今回は、「職場トラブル解決のヒント!」(労働調査会)です。
弁護士の向井蘭先生と岸田艦彦先生が執筆されたものです。
本書は、労働調査会発行「先見労務管理」に連載された「職場トラブル解決のヒント!」のうち、2014年6月25日号から2022年9月25日号までに掲載された記事の中から、60問を厳選し、一部加筆修正されたものです。
掲載されているテーマは、ハラスメント、解雇、休職、問題社員対応など、どの会社でも労務管理を行っていると起こり得る問題ばかりです。
各テーマについて、トラブル事例が掲載されており、それに対する解説がされています。裁判例や筆者の経験を活かしたアドバイスがされており、実務でも役立つ本だと思います。
また、文章も専門家というよりも、一般の方向けにわかりやすい表現で記載されおり、社労士の方だけではなく、人事労務担当者の方が読んでも苦にならずに最後まで読むことができると思います。
ご興味のある方は、購入されてみてはいかがでしょうか。
本日は、労務関連のネタもあまりないため、労務管理に関する書籍でお勧めのものを紹介します。
今回は、弁護士の野口 大先生の「労務管理における労働法上のグレーゾーンとその対応」(日本法令)です。
社労士として、お客様からご相談を受ける際、法律の内容そのものを聞かれることもありますが、そういったことは、仮に不明な点や知識があやふやなものがあっても、厚生労働省のWEBサイトや書籍で調べればどこかに答えが記載されています。
私は、労務相談を主軸において業務を行っておりますので、こうしたご質問やご相談ももちろんたくさん受けますが、労務トラブルになるのは、調べれば書いてあるような事柄ではなく、調べてもはっきりした答えがない、抽象的なルールしか決められていない分野(グレーゾーン)です。
一例として、労働基準法第41条第2号では、「監督若しくは管理の地位にある者は、労働時間、休憩及び休日に関する規定は、適用しない」とされています。しかし、法律の条文では「監督若しくは管理の地位にある者」としか定められておらず、具体的にどうのような場合がこれに該当するのかは、ケースごとに異なるいわゆるグレーゾーンになります。
本書籍では、経営側、企業側の立場から、裁判例や通達を紹介した上で、どのように改善すれば紛争を防ぐことができるかという視点で具体的な解決方法についても記載されています。
掲載されているテーマは、労働時間、事業場外労働、定額残業代、ハラスメント、問題社員など、どこの会社で、いつ起きてもおかしくないものばかりです。
文章も、専門家向けというよりは、どちらかというと一般の方に向けた表現で大変読みやすいです。
ご興味のある方は、購入されてみてはいかがでしょうか。
本日は、就業規則関連の書籍を紹介させていただきます。
「使用者側弁護士からみた標準中小企業のモデル就業規則策定マニュアル」
弁護士 岡崎教行著 日本法令
厚生労働省のモデル就業規則は、法律で定められた事項を最低限盛り込んだ汎用性のある規程集であることから、企業規模によっては、そのまま利用すると少し物足りなかったり、逆に、手厚すぎたりする条項もございます。
一方で、リスク回避型の就業規則作成本など世の中で多く出版されている書籍は、規定の内容が細かすぎて、従業員数の少ない企業では、そのまま採用してしまうと、使いこなせなせず、規定と実体が乖離してしまう等、非常に危険な状態となる可能性がございます。
本書籍の特徴は、タイトルにもある通り、大企業ではなく、中小企業向けに書かれた就業規則作成に関する書籍で、就業規則を作成するにあたり、どのような文言を使うべきか、どういった定めを最低限しておくべきかという点を意識して書かれている点です。
基本的な構成は、参考条文がはじめに掲載されていて、その条文を策定に当たっての留意点が記載されています。
中小企業で就業規則にまで定める必要のないものについては、その旨が記載されている点が本書籍の良い点だと思いました。
社労士の方で、実務経験の浅い方には特にお勧めです。ご興味のある方は、購入されてみてはいかがでしょうか?
本日は、労務関連の書籍のご紹介を致します。
今回ご紹介させていただくのは、ユーチューブでも労務関連の動画を配信されている弁護士の西川暢春先生の「問題社員トラブル 円満解決の実践的手法」(日本法令)です。
弁護士さんは、大企業では顧問弁護士がいるケースが多いですが、中小企業では、問題が拗れて訴訟になってから相談し、訴訟の代理や相手方との交渉をお願いするイメージをお持ちの方が多いと思います。
今までの弁護士さんの労務関連の著書の多くは、問題を未然に防止するという視点よりも、訴訟になった場合にいかに損害を少なく済ませるかという視点から書かれているものが多かったように思います。
本書籍は、訴訟発展リスクを減らすという視点から書かれたもので、解雇ではなく、退職勧奨による円満退職を推奨しています。
実践編では能力不足、業務命令違反、ハラスメント等の問題について裁判例を元にした設例形式により、その対応方法についての問題点を指摘し、それぞれの事例について、実践例として、解雇をせずに、退職勧奨を行い解決するための具体的な解決方法が解説されております。
私が本書籍の中で一番良いと思った点は、整備編です。整備編では、会社が日頃から整備しておくべき労務管理のポイントが記載されております。企業の人事労務担当者の方は、これらを熟読し実践するだけでも、労務トラブルのリスクを軽減できると思います。
とてもよい書籍なので、ぜひご一読されることをお勧め致します。
