― パート・有期法改正(令和8年10月1日施行)に向けた実務ポイント ―
パートタイム・有期雇用労働法の改正に伴い、厚生労働省か「改正省令及び告示の周知に係るQ&A」が公表されました。
今回の記事では、このQ&Aの内容を、企業が押さえるべき実務ポイントに絞って紹介します。
1. 今回の改正の趣旨
Q&Aでは、今回の改正が行われた背景として次の点が示されています 。
・同一労働同一賃金制度の施行から5年が経過
・非正規雇用労働者の待遇改善は進んだものの、依然として賃金格差が存在
・最高裁判決が複数示され、法令・指針への反映が必要
・公正な待遇確保に向けた取組をさらに強化する必要がある
つまり、今回の改正は「制度の定着と実効性の強化」が目的です。
2. 改正の主なポイント(Q&Aより)
Q&Aでは、改正内容が 省令・ガイドライン・雇用管理指針 の3つに分けて整理されています。
● ① 省令改正:労働条件明示事項の追加
労働条件通知書に、次の事項を明示することが義務化されます。
「パートタイム・有期雇用労働法第14条第2項の規定による説明を求めることができる旨」
これは、待遇差の説明を求める権利を労働者に明確に知らせるためのものです。
● ② 同一労働同一賃金ガイドラインの改正
裁判例を踏まえ、以下の待遇項目について記載が追加されています 。
・賞与
・退職手当
・無事故手当
・家族手当
・住宅手当
・病気休職・休暇
・夏季・冬季休暇
・褒賞
また、
・通常の労働者の待遇引下げによる均衡確保は適切ではない
・無期フルタイム労働者にもガイドラインの趣旨が及ぶ
といった重要な考え方も明確化されています。
● ③ 雇用管理指針の改正
企業が講ずべき措置として、次の点が追加されています。
・福利厚生施設の利用便宜を図る対象が大幅に拡大
・正社員転換制度は「複数の措置」を講じることが望ましい
・待遇差の説明は「資料を活用した口頭説明」または「説明事項をすべて記載した資料の交付」が基本
・説明に使用した資料は交付が望ましい。交付が困難な場合は閲覧対応を行う
実務に直結する内容が多く、企業側の準備が求められます。
3. 企業が対応すべき事項(Q&Aの整理)
Q&Aでは、企業が行うべき対応が明確に示されています。
● ① 労働条件通知書の改訂
施行日以降に雇い入れるパート・有期労働者には、「説明を求めることができる旨」 を明示する必要があります。
厚生労働省は改正後のモデル様式を公開しており、これに合わせた改訂が必要です。
● ② 待遇の点検と見直し
ガイドラインに追加された待遇項目について、自社の制度が基準に沿っているか点検し、必要に応じて見直すことが求められます。
● ③ 説明体制の整備
待遇差の説明方法が具体化されたため、次の準備が必要です。
・説明に使用する資料の整備
・説明方法の統一(口頭+資料、または資料交付)
・資料の交付・閲覧対応のルール整備
● ④ 福利厚生施設・正社員転換制度の見直し
福利厚生施設の対象拡大や、正社員転換制度の複数措置化など、制度面の見直しも必要になります。
4. 今後のスケジュール
改正省令・告示は 令和8年10月1日施行 です。
具体的な解釈は、施行前に通達で示される予定とされています 。
5. まとめ
今回のQ&Aは、改正内容を実務に落とし込むうえで非常に重要な資料です。
特に、
・労働条件通知書の改訂
・待遇差説明の体制整備
・福利厚生・正社員転換制度の見直し
は、すべての企業に関係するポイントです。
詳細は、以下よりご確認願います。
― 公表されたリーフレットとモデル労働条件通知書を中心に ―
厚生労働省より、パートタイム・有期雇用労働法(パート・有期法)の改正内容が公表され、あわせて リーフレット、Q&A、モデル労働条件通知書などの資料が公開されています。
今回の記事では、事業主の皆さまがまず押さえておきたい 「リーフレット」と「労働条件通知書(モデル様式)」 を中心に紹介します。
1. 今回の改正の背景とポイント
今回の改正は、同一労働同一賃金制度の施行から5年が経過したことを受け、
・非正規雇用労働者の待遇改善の更なる促進
・最高裁判決の内容の反映
・公正な待遇確保に向けた取組強化
を目的として行われたものです。 施行日は 令和8年10月1日 です。
2. 公表されたリーフレットのポイント
厚生労働省が公開したリーフレットでは、今回の改正内容が簡潔にまとめられています。特に重要なポイントは次のとおりです。
● 労働条件明示事項の追加
新たにパート・有期労働者を雇い入れる際、「パート・有期法14条2項の説明を求めることができる旨」を労働条件通知書に明示することが義務化されます。
● 同一労働同一賃金ガイドラインの見直し
裁判例を踏まえ、以下の待遇項目について記載が追加されています。
・賞与
・退職手当
・無事故手当
・家族手当
・住宅手当
・病気休職・休暇
・夏季・冬季休暇
・褒賞
また、通常の労働者の待遇引下げによる均衡確保の考え方なども明確化されています。
● 雇用管理指針の改正
福利厚生施設の利用、正社員転換制度の整備、待遇差の説明方法などについて、より具体的な配慮事項が追加されています。
3. モデル労働条件通知書の改正点
今回の改正に合わせ、厚生労働省は モデル労働条件通知書(パート・有期用)を更新しています。
● 追加された記載欄
労働条件通知書に、次の文言を明示する欄が追加されました。
「パートタイム・有期雇用労働法第14条第2項の規定による説明を求めることができます」
これにより、事業主は
・労働者から待遇差の内容・理由について説明を求められた場合の対応
・説明に使用した資料の交付または閲覧対応
などを適切に行う必要があります。
● 実務上のポイント
・既存の労働条件通知書の様式を改訂する必要があります
・雇い入れ時の説明体制(資料の準備・説明方法)を整備する必要があります
・待遇差の説明は「資料を活用した口頭説明」または「説明事項をすべて記載した資料の交付」が推奨されています
4. 企業が今から準備すべきこと
施行は令和8年10月ですが、準備には時間がかかるため、早めの対応が重要です。
● ① 労働条件通知書の様式改訂
モデル様式を参考に、自社の通知書を改訂します。
● ② 待遇差の説明資料の整備
説明に使用する資料(賃金制度、手当の支給基準など)を整理し、説明方法を統一します。
● ③ 福利厚生施設の利用ルールの見直し
パート・有期労働者にも利用の便宜を図るべき施設が拡大されています。
● ④ 正社員転換制度の点検
複数の措置を講じることが望ましいとされており、制度の見直しが必要です。
5. まとめ
今回の改正は、パート・有期労働者の待遇改善をさらに進めるための重要な見直しです。
特に 労働条件通知書の改訂 と 待遇差説明の体制整備 は、すべての事業主に関わる実務ポイントです。
次回の記事では、公開された Q&Aを取り上げ解説する予定です。
詳細は、以下よりご確認願います。
令和8年10月1日施行の改正ポイントをQ&Aから読み解く
前回の記事では、リーフレットと様式例を中心に、今回の「派遣労働者の同一労働同一賃金」改正の概要を紹介しました。
今回は、厚生労働省が公開した 「改正省令および告示等の周知に係るQ&A」をもとに、実務で押さえるべきポイントを整理して紹介します。
■ 1. 改正の背景と趣旨
Q&Aの冒頭では、今回の改正が行われた理由が説明されています。
・同一労働同一賃金制度の施行から5年が経過
・非正規労働者の待遇改善は進んだが、依然として格差が残る
・最高裁判決が複数示され、判断基準が明確化
・公正な待遇確保に向け、さらなる取組が必要
つまり、今回の改正は 「制度の実効性を高めるためのアップデート」 という位置づけです。
■ 2. 改正の主なポイント(Q&Aより)
●(1)明示事項の追加
派遣元は、雇入れ時・派遣時の明示事項として 「待遇差の説明を求めることができる旨」を新たに記載する必要があります。
これは、派遣労働者が待遇差の理由を確認しやすくするための重要な改正です。
●(2)ガイドラインの大幅な追加
今回の改正で、ガイドラインに次の項目が追加されました。
・賞与
・退職手当
・無事故手当
・家族手当
・住宅手当
・病気休職・休暇
・夏季・冬季休暇
・褒賞(永年勤続など)
これらは、裁判例を踏まえて「不合理な待遇差になり得る」点が明確化されています。
●(3)派遣元指針の強化
派遣元が行うべき取組として、次が追加されています。
・派遣労働者の職務の成果等の評価
・評価結果のフィードバック
・キャリアコンサルティングの勧奨
・教育訓練と就業機会の総合的な提供
特に「評価と待遇改善の連動」が強調されており、派遣元の責務が明確化されています。
●(4)派遣先指針の追加
派遣先にも次のような改正が行われています。
・福利厚生施設の例に「駐車場」を追加
・派遣料金の交渉に応じない姿勢は不適切と明記
・経済・物価動向を踏まえた賃金設定への配慮
派遣先にも、待遇改善に向けた協力姿勢が求められています。
■ 3. 事業主が行うべき実務対応
Q&Aでは、事業主が取るべき対応が明確に示されています。
● 派遣元
・明示書の改定(説明を求めることができる旨の追加)
・ガイドライン追加項目に沿った待遇の点検
・評価・教育訓練・キャリア支援の強化
・労使協定の周知徹底
● 派遣先
・福利厚生施設(駐車場含む)の利用便宜
・派遣料金の交渉に応じる姿勢
・派遣元の待遇改善に協力する体制づくり
■ 4. 今後のスケジュール
改正省令・告示は 令和8年10月1日施行。
施行前に、厚労省から通達等で詳細な解釈が示される予定です。
■ 5. 今後も改正の可能性あり
Q&Aでは、今後も施行状況を踏まえて 法規定の在り方を含め検討を加えることが適当 とされています。
つまり、今回の改正は「終わり」ではなく、今後もアップデートが続く可能性があります。
■ まとめ
今回のQ&Aは、改正内容を実務に落とし込むうえで非常に重要な資料です。
特に、
・明示事項の追加
・ガイドラインの大幅な拡充
・評価・教育訓練の強化
・派遣先の協力義務の明確化
など、派遣元・派遣先双方に影響が及ぶ内容となっています。
詳細は、以下よりご確認願います。
― 今回はリーフレットと様式例を紹介します ―
厚生労働省より、令和8年10月1日から施行される「派遣労働者の同一労働同一賃金」の改正内容が公表されました。
リーフレット、Q&A、改正省令・告示、そして改正後の様式例も公開されています。
今回はその中から、リーフレットと様式例を中心に紹介します。
Q&Aについては次回、別記事で詳しく取り上げます。
■ 改正のポイント(概要)
厚労省の公表によれば、今回の改正は次の3点が柱です。
1. 雇入れ時・派遣時の明示事項の追加
派遣労働者は、待遇の相違の内容・理由について派遣元に説明を求めることができます。
この「説明を求めることができる旨」を、雇入れ時・派遣時の明示事項として追加する必要があります。
2. 同一労働同一賃金ガイドラインの明確化
裁判例を踏まえ、賞与・退職手当・無事故手当・家族手当・住宅手当・病気休職・夏季冬季休暇・褒賞などの取扱いが追加されました。
3. 公正な評価による待遇改善の促進
派遣元は、評価・教育訓練・キャリアコンサルティング等を通じて、待遇改善につながる仕組みを整備することが求められます。
■ 公開されたリーフレットの内容
厚労省が公開したリーフレット「派遣労働者の同一労働同一賃金 改正ポイントのご案内」では、改正内容が分かりやすく整理されています。
● 1. 説明義務の改善
派遣労働者は、待遇差の内容・理由について派遣元に説明を求めることができます。
この点を雇入れ時・派遣時に明示することが義務化されます。
● 2. 均等・均衡待遇の具体例
賞与・退職手当・家族手当・住宅手当・福利厚生施設の利用など、「不合理と認められる可能性があるケース」が具体的に示されています。
● 3. 労使協定方式の留意点
労使協定の内容を遵守していない場合や、公正な評価に取り組んでいない場合は、 労使協定方式が適用されず、派遣先均等・均衡方式が適用される点が明記されています。
■ 改正に対応した様式例も公開されています
今回の改正に伴い、雇入れ時・派遣時の明示書の様式例が新たに公開されています。
厚労省ページでは、以下の3種類の様式例が掲載されています。
(いずれも「待遇の相違の内容及び理由等について説明を求めることができる旨」が追加)
・派遣労働者として雇い入れようとするとき(派遣元) Word / PDF
・労働者派遣をしようとするとき(派遣先均等・均衡方式) Word / PDF
・労働者派遣をしようとするとき(労使協定方式) Word / PDF
これらの様式例は、実務でそのまま利用できる構成になっており、改正後の明示義務に対応するための重要な資料です。
■ 企業が準備すべきこと(実務ポイント)
今回の改正により、派遣元・派遣先ともに次の対応が必要になります。
● 派遣元
・雇入れ時・派遣時の明示書の改定
・説明義務に対応した資料の整備
・評価・教育訓練・キャリアコンサルティングの仕組みの見直し
・労使協定の内容の遵守と周知
● 派遣先
・派遣元が待遇を決定できるよう、待遇情報の提供
・福利厚生施設の利用便宜(駐車場を含む)の確保
・派遣料金の交渉に応じる姿勢
■ まとめ
今回の改正は、派遣労働者の待遇改善をさらに進めるための大きな見直しです。
特に、説明義務の強化とガイドラインの明確化は、派遣元・派遣先双方に実務的な影響があります。
次回の記事では、公開されたQ&A(改正省令・告示等の周知に係るQ&A)を取り上げ、 実務で押さえるべきポイントを詳しく解説します。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、令和6年度の最新情報として、以下の3点を更新・公開しました。派遣元事業主にとって、労使協定方式の運用に直結する重要な資料です。
・労使協定書の賃金等の記載状況(一部事業所の集計結果(令和7年度))
・賃金比較ツール(令和7年度版・令和8年度適用版)
・労使協定のイメージ(令和8年度版)
今回の記事では、それぞれのポイントを簡潔に整理し、実務上どのように活用すべきかをまとめます。
1. 労使協定書の賃金等の記載状況(令和7年度)
厚労省が一部事業所を対象に集計したもので、 労使協定書にどのような項目が記載されているか 賃金水準の設定状況はどうか といった実態が示されています。
以下の項目について記載がございます。
・選択している待遇方式
労使協定方式:87.4、派遣先均等・均衡方式:9.9%、両方式の併用:2.6%)
・能力・経験調整指数の選択状況
・地域指数の選択状況
都道府県85.5%、公共職業安定所11.5%、併用2.6%
・通勤手当の支給状況
実費95.5%、定額支給1.5%、合算により支給2.6%
・退職金の支給状況
退職金前払いの方法/合算55.4%、退職金制度の方法29.4%、中退共制度等への加入6.3%
・賃金の改善
高度な就業機会72.1%、昇給60.2%、別手当の支給35.3%
・労使協定の締結主体
過半数代表者94.8%、過半数労働組合5.2%
・有効期間
1年88.1%、2年11.2%、3年以上0.7%
2. 賃金比較ツール(令和7年度版・令和8年度適用版)
毎年更新される「賃金比較ツール」も最新版が公開されました。
労使協定方式では、 協定対象派遣労働者の賃金が一般賃金以上であることを確認する義務 があります。
そのため、このツールは
・協定締結前のチェック
・協定期間中の賃金額の再確認 に欠かせません。
※賃金比較ツールは「年度別に使い分ける」必要がある
最低賃金の効力発生日が都道府県で異なるため、 厚労省は「2種類のツール」を公開しています。誤った年度のツールを使うと、協定が要件を満たさないリスクがあるのでご注意ください
3. 労使協定のイメージ(令和8年度版)
労使協定書の「ひな形」として使える資料も更新されています。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省の「多様な働き方の実現応援サイト」では、令和7年度「多様な正社員」制度導入支援セミナー(第2回)のご案内を掲載しております。
本セミナーでは、「多様な正社員」制度の導入支援実績を持つ社会保険労務士、また多様な働き方に関する制度を導入済みの企業の事例を交えて、導入にあたってのポイントや、制度活用のポイントについて紹介される予定です。
〇開催日時・開催方式
3月12日(木)14:00~16:00
対面・オンライン(Zoom Webinar)
対面会場:TKPガーデンシティPREMIUM品川高輪口 ※先着50名
参加費:無料
〇セミナープログラム
1. 「選ばれる」会社をつくる多様な働き方ガイドブック紹介
2. 専門家による「多様な正社員」制度導入におけるポイント紹介
3. 企業による多様な働き方に関する制度導入事例の紹介
4. 有識者・登壇者によるパネルディスカッション
ご興味のある方は参加されてみてはいかがでしょうか。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、2025年12月25日に開催された「第29回労働政策審議会 職業安定分科会 雇用環境・均等分科会 同一労働同一賃金部会」の資料を公開しております。
前回に引きつづき、同一労働同一賃金の施行5年後見直しについて議論が行われております。
「雇用形態又は就業形態にかかわらない公正な待遇の確保に向けた取組の強化について(報告)(案)」について、前回部会で示された案からの修正点について、修正点(下線部が修正点)をご紹介します。
また、別添として、同一労働同一賃金ガイドライン 見直し(案)も掲載されております。(こちらは全体で60頁とボリュームのある資料ですので、内容が確定した際に改めてご紹介します。)
〇報告(案)
(5)いわゆる「立証責任」
いわゆる「立証責任」については、法的枠組みの変更の是非等について議論が行われたが、意見が一致するには至らなかった。こうしたことを踏まえれば、現時点では、法的枠組みを変更せず、説明義務の改善や、労使コミュニケーションの促進等を通じて、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の更なる是正を図ることとすることが適当である。
この点について、労働者代表委員からは、現行法施行以降も待遇についての雇用形態間格差が残るとともに、待遇差の改善に消極的な司法判断もあることを踏まえれば、「同一労働同一賃金」の目的達成に 向け、待遇の相違を設ける使用者に相違の合理性の立証責任を課すことを法律上明確にする法改正を行うべきとの意見があった。
また、使用者代表委員からは、不合理性の立証責任は、欧州の主要国とは異なるわが国企業の賃金制度の実態等を踏まえた仕組み。企業では現行法の理解がようやく定着し、待遇改善の途上にある。今後も現行法の枠組みを土台として、労使コミュニケーションを通じた待遇 改善や雇用慣行の見直しを進めるべきとの意見があった。
2 労働者に対する待遇に関する説明義務の改善
(1)待遇の相違の内容及び理由等について事業主及び派遣元事業主に説明を求めることができる旨の労働条件明示事項への追加等
○ 待遇についての納得性の向上は紛争の防止にも資することから、事業主及び派遣元事業主は、パートタイム・有期雇用労働者及び派遣労働者からパートタイム・有期雇用労働法第14条第2項及び労働者派遣法第 31 条の2第4項の規定による説明の求めがない場合であって も、労働契約の更新時等に、当該パートタイム・有期雇用労働者又は派遣労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由に関する当該パートタイム・有期雇用労働者及び派遣労働者が容易に理解できる内容の資料を交付することや、待遇の相違の内容及び理由に関する説明を求めることができることを周知するといった対応を行うことが望ましいことを指針等で示すことが適当である。
この点に関し、労働者代表委員からは、労働者に対して待遇の説明を尽くすことは事業主の責務であること、労働者の立証責任の負担軽減のためには労使間の情報格差の是正が重要であること等を踏まえれ ば、労働者からの求めの有無にかかわらず待遇差の説明を事業主の義務とする法改正を行うべきとの意見があった。
(5)無期雇用フルタイム労働者
○ 無期雇用フルタイム労働者については、労働契約法第3条第2項の規定により、労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとされていることや、 無期転換後の労働条件を労働者に明示する場合においては、同項の規定の趣旨を踏まえて就業の実態に応じて均衡を考慮した事項について、当該労働者に説明するよう努めなければならないとされ、令和6年4月から施行されていること等を踏まえれば、現時点では、法的枠組みを変更せず、当該均衡の考慮に当たっては、同一労働同一賃金ガイド ラインの趣旨が考慮されるべきであること等を、同一労働同一賃金ガイドラインで示すことが適当である。
この点について、労働者代表委員からは、無期転換労働者を含め、「同一労働同一賃金」の法規定の対象外である無期雇用フルタイム労働者の待遇改善の観点からは、無期雇用フルタイム労働者と通常の労働者との間の合理的な理由のない待遇差の禁止規定を法制的に整備すべきとの意見があった。また、使用者代表委員からは、法改正により無期雇用労働者間の均衡を規定することは適切ではない。合理的理由のない待遇差の禁止を設ければ5年を超えて有期労働契約を更新することを控える作用が生じかねない。無期転換前の均衡確保が重要であり、転換後の待遇は教育訓練を通じた業務の高度化等により改善されるべきとの意見があった。
4 行政による履行確保
○ 同一労働同一賃金のより一層の遵守の徹底を図るため、都道府県労働局による報告徴収等や労働基準監督署と連携した取組を通じて、パート タイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法の履行確保を図るとともに、各種マニュアルや職務分析・職務評価の手法の活用促進、働き方改革推進支援センターによるコンサルティングの実施、派遣元事業主及び派遣先を対象とした各種セミナーや各企業における取組状況等に関する周知広報等により、制度周知や企業の取組支援を進めることが適当である。
この点に関し、使用者代表委員からは、好事例の周知・啓発のほか、指針等の改正で新たな取組例を示す場合、事業主及び派遣元事業主の創意工夫、個々の実情に即した労使の真摯な議論の積み重ねを阻害しない よう、施行に際しては十分に配慮する必要があるとの意見があった。
第3 雇用形態又は就業形態にかかわらない公正な待遇の確保に向けた取組に 係る今後の検討
○ 本報告を踏まえて講じられる措置については、雇用形態又は就業形態にかかわらない公正な待遇の確保という働き方改革関連法によるパートタイム・ 有期雇用労働法及び労働者派遣法の改正趣旨を念頭に置きながら、経済社会の変化や働き方の多様化等を踏まえ、今後、施行状況等を把握した上で、法規定の在り方も含め検討を加えることが適当である。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、「第28回労働政策審議会 職業安定分科会 雇用環境・均等分科会 同一労働同一賃金部会」の資料を公開しております。
資料の中から、「雇用形態又は就業形態にかかわらない公正な待遇の確保に向けた 取組の強化について(報告)(案)」のポイントついてご紹介します。
日本の働き方はここ数十年で大きく変わってきました。正社員だけでなく、パートタイムや契約社員、派遣社員など、さまざまな雇用形態で働く人が増えています。実際、2024年には非正規雇用の人が全体の約4割、2126万人に達しました。多様な働き方が広がる一方で、「同じ仕事をしているのに待遇が違う」という不満や不公平感も根強く残っています。
こうした課題に対応するため、厚生労働省は「同一労働同一賃金」を進める取り組みを強化する方針をまとめました。これは「雇用形態や働き方にかかわらず、公正な待遇を確保する」ことを目指すものです。今回の報告案では、これまでの取り組みを振り返りつつ、さらに改善すべき点が整理されています。
第1 基本的考え方
2018年に「働き方改革関連法」が成立し、パートタイム・有期雇用労働法や労働者派遣法が改正されました。ここで、不合理な待遇差を禁止するルールや、企業に説明義務を課す仕組みが導入されました。さらに「同一労働同一賃金ガイドライン」が策定され、2020年から施行されています。
施行から5年が経過し、少しずつ賃金格差は縮まってきましたが、まだ正社員を100とした場合、非正規雇用の人の賃金は平均で66.9にとどまっています。つまり改善は進んでいるものの、更なる取組が求められる状況にあります。
第2 必要な対応の具体的な内容
1. 均等・均衡待遇
(1)同一労働同一賃金ガイドラインの更なる明確化
・「同一労働同一賃金ガイドライン」について更なる明確化を図ることが適当。
・同一労働同一賃金ガイドラインについて、更なる明確化を図ることとした待遇等について、分かりやすいパンフレット等により周知・啓発に取り組むことが適当。
(2)パートタイム・有期雇用労働者及び派遣労働者の意見の反映
就業規則の作成又は変更時に意見を聴くように努めなければならないこととされている、パートタイム・有期雇用労働者又は派遣労働者の過半数を代表すると認められるもの及び労使協定を締結する過半数代表者に関し、これらのものが事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮等について、 指針等で示すことが適当。
(3)労働者派遣制度における待遇決定方式の運用改善
① 派遣先による待遇情報の提供
派遣先から派遣元事業主への比較対象労働者の待遇等の情報提供が適切に行われるよう、リーフレット等により派遣先及び派遣元事業主に対する周知・啓発に取り組むことが適当。
② 一般賃金の算出方法及び運用の改善
・一般通勤手当の算定に当たり利用している「企業の諸手当等の人 事処遇制度に関する調査(平成 25 年調査)」(独立行政法人労働政 策研究・研修機構)について、「就労条件総合調査」(厚生労働省)に変更することが適当である。
・協定対象派遣労働者の待遇改善を進める観点から、労使協定の締結に際し、
ii 協定対象派遣労働者の賃金の額については、一般賃金の額が下がった場合であっても、見直し前の労使協定に定める額を基礎と して、公正な待遇の確保について労使で十分に協議することが望まれること
iii 労使で十分に協議を行ったとしても、待遇を引き下げる場合は、 労働条件の不利益変更となり得るものであり、労働条件の不利益変更には、労働契約法上、原則として 労使双方の合意が必要であることに留意すること
・ 協定対象派遣労働者の賃金水準の改善に向けた労使協議が円滑に 実施されるよう、職業安定業務統計から算出した一般賃金水準について、参考値として求人賃金の上限額の平均を追加することが適当である。
③ 派遣料金交渉の適切な実施
・派遣先における派遣料金への配慮義務が適切に履行されるよう、派遣先が派遣元事業主からの派遣料金交渉に一切応じない場合等は、労働者派遣法第26条第11項の規定の趣旨を踏まえた対応とはいえないことを指針等で示す。
・派遣料金交渉の場で活用できる 賃金・物価動向等の情報をまとめたリーフレットをセミナーで周知する等、派遣先及び派遣元事業主に対する周知・啓発を強化することが適当。
(4)福利厚生施設
指針等における福利厚生施設の例示として、「駐車場」を指針等で示すことが適当である。
(5)いわゆる「立証責任」
いわゆる「立証責任」については、法的枠組みの変更の是非等につ いて議論が行われたが、意見が一致するには至らなかった。現時点では、法的枠組みを変更せず、説明義務の改善や、労使コミュニケーションの促進等を通じて、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の更なる是正を図ることとすることが適当である。
2 労働者に対する待遇に関する説明義務の改善
(1)待遇の相違の内容及び理由等について事業主及び派遣元事業主に説明を求めることができる旨の労働条件明示事項への追加等
・雇入れ時における労働条件明示事項に、待遇差の説明を求めることができる旨を追加することが適当である。
・求めがない場合であっても、労働契約の更新時等に、わかりやすい資料を交付して説明することや、待遇の相違の内容及び理由に関する説明を求めることができることを周知するといった対応を行うことが望ましいこと
3 公正な評価による待遇改善の促進等
(1)公正な評価による待遇改善の促進
・公正な評価に基づき賃金を決定することが望ましいことや、その具体例として、 パートタイム・有期雇用労働者と通常の労働者との間で共通する職務等に応じ、共通した賃金制度や評価項目を設けることが考えられる旨を、指針等で示すことが適当。
・職務の成果等の評価、教育訓練やキャリアコンサルティングの実施、就業機会の確保及び提供を行うに当たって、その職務の成果等の向上により待遇が改善するよう、派遣労働者の希望に応じた評価結果のフィードバックや、これらの措置を総合的に行うよう努めること
(2)情報公表の促進
パートタイム・有期雇用労働者の処遇改善に関する自社の取組状況、正社員転換制度の有無や転換実績、職務に必要な資格取得のための教育訓練等の情報について、当該労働者に明示するよう努めるとともに、公的機関又は自社のウェブサイトで公表することが望ましい
(3)正社員転換支援・キャリアアップ
パートタイム・有期雇用労働法第 13 条の正社員転換推進措置を講ずるに当たっては、通常の労働者への転換のための制度を設けるとともに複数の措置を講ずることが望ましいこと、また、措置を講ずるに当たっては、面談等によりパートタイム・有期雇用労働者の意向を確認し、当該意向に配慮しなければならないことを指針等で示すことが適当。
(4)「多様な正社員」制度の普及促進等
「多様な正社員」制度の普及促進等については、「多様な働き方の実現応援サイト」において制度導入マニュアルや事例集を紹介するほか、働き方改革推進支援センターにおいて、令和7年度から、短時間 正社員制度をはじめとする多様な正社員制度の導入を検討している企業に対するコンサルティングを実施しており、その実施状況も踏まえ つつ、効果的な支援を行っていくことが適当。
(5)無期雇用フルタイム労働者
労働契約法第3条第2項の規定により、労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、 均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとされていることや、 無期転換後の労働条件を労働者に明示する場合においては、同項の規定の趣旨を踏まえて就業の実態に応じて均衡を考慮した事項について、当該労働者に説明するよう努めなければならないとされ、令和6年4月から施行されていること等を踏まえれば、現時点では、法的枠組みを変更せず、当該均衡の考慮に当たっては、同一労働同一賃金ガイド ラインの趣旨が考慮されるべきであること等を、同一労働同一賃金ガ イドラインで示すことが適当。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、令和7年11月21日に開催された「第27回労働政策審議会 職業安定分科会 雇用環境・均等分科会 同一労働同一賃金部会」の資料を公開しております。
資料として、「同一労働同一賃金ガイドライン 見直し(案)」が掲載さえておりますので、資料より、一部抜粋してご紹介します。
〇同一労働同一賃金ガイドライン 見直し(案)
目次を見ていただくと、短時間・有期雇用労働者、派遣労働者ともに、「退職手当」に関する記載が新設され、「手当」が「各種手当(退職手当を除く。)」に変更されています。また、「第6 所定労働時間が通常の労働者と同一であり、かつ、事業主と期間の定めのない労働契約を締結している労働者等」に関する記載が新設されています。
第3 短時間・有期雇用労働者
3 退職手当(メトロコマース事件最高裁判決を踏まえて追記。)
退職手当については、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的として、労務の対価の後払い、功労報償等の様々な性質及び目的が含まれうるものであるが、通常の労働者と同様に短時間・有期雇用労働者にも当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的が妥当するにもかかわらず、短時間・有期雇用労働者に対し、通常の労働者との間の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情の違いに応じた均衡のとれた内容の退職手 当を支給せず、かつ、その見合いとして、労使交渉を経て、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的が妥当しない他の短時間・有期雇用労働者に比 べ基本給を高く支給している等の事情もない場合、当該退職手当の相違は 不合理と認められるものに当たりうることに留意すべきである。
4 各種手当(退職手当を除く。)
(7) 無事故手当 (ハマキョウレックス事件最高裁判決を踏まえて追記。)
通常の労働者と業務の内容が同一の短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の無事故手当を支給しなければならない。
(9) 家族手当 ( 日本郵便(大阪)事件最高裁判決を踏まえて追記。)
労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の家族手当を支給しなければならない。
(問題とならない例)
A社においては、通常の労働者であるXに対しては家族手当を支給 しているが、労働契約の更新を繰り返していない等、相応に継続的な勤務が見込まれない有期雇用労働者であるYに対しては、家族手当を支給していない。
(問題となる例)
A社においては、通常の労働者であるXに対しては家族手当を支給 しているが、労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる有期雇用労働者であるYに対しては、家族手当を支給 していない。
(注) 配偶者の収入要件があるいわゆる「配偶者手当」については、特に女性の短時間労働者の就業調整の要因となっていると指摘されていることから、各事業主において、労使の話合いによって、働き方に中立的な制度となるよう見直しを進めることが望まれる。
(10) 住宅手当であって、転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるもの (ハマキョウレックス事件最高裁判決等を踏まえて追記)
住宅手当であって、転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるものについて、通常の労働者と同一の転居を伴う配置の変更がある短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の住宅手当を支給しなければならない。
(問題とならない例)
A社においては、転居を伴う配置の変更が見込まれる通常の労働者であるXには住宅手当を支給しているが、一方で、有期雇用労働者であるYには転居を伴う配置の変更が見込まれないため、住宅手当を支給していない。
(問題となる例)
A社においては、転居を伴う配置の変更が見込まれることを理由と して、通常の労働者であるXに対し、住宅手当を支給しており、当該変更が見込まれないことを理由として、有期雇用労働者であるYには住宅手当を支給していないが、A社では実態として通常の労働者に対しても、転居を伴う配置の変更を命じていない。
(注)住宅手当であって、転居を伴う配置の変更の有無にかかわらず支給されるものについても、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照ら して適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないことに留意すべきである。
5 福利厚生
(5) 夏季冬季休暇 (日本郵便(佐賀)事件最高裁判決を踏まえて追記)
短時間・有期雇用労働者にも、通常の労働者と同一の夏季冬季休暇を付与しなければならない。
(問題となる例)
A社においては、繁忙期に限定された短期間の勤務ではない有期雇用労働者であるXに対し、通常の労働者と同一の夏季冬季休暇を付与していない。
(7) 褒賞であって、一定の期間勤続した労働者に付与するもの
褒賞であって、一定の期間勤続した労働者に付与するものについて、 通常の労働者と同一の期間勤続した短時間・有期雇用労働者には、通常 の労働者と同一の褒賞を付与しなければならない。
第6 所定労働時間が通常の労働者と同一であり、かつ、事業主と期間の定 めのない労働契約を締結している労働者等
所定労働時間が通常の労働者と同一であり、かつ、事業主と期間の定めのない労働契約を締結している労働者については、短時間・有期雇用労働法第2条第3項に規定する短時間・有期雇用労働者に該当しないが、次に掲げる事項に留意する必要がある。また、このことは、勤務地限定正社員 (期間の定めのない労働契約を締結している労働者であって、勤務地が同 一の事業所に雇用される通常の労働者の勤務地に比し限定され、かつ、通常の労働者と同等の待遇を受けるものをいう。)、職務限定正社員(期間の定めのない労働契約を締結している労働者であって、職務が同一の事業 所に雇用される通常の労働者の職務に比し限定され、かつ、通常の労働者と同等の待遇を受けるものをいう。)及び短時間正社員(期間の定めのない労働契約を締結している労働者であって、一週間の所定労働時間が同一 の事業所に雇用される通常の労働者の一週間の所定労働時間に比し短く、 かつ、通常の労働者と同等の待遇を受けるものをいう。)についても同様である。
1 労働契約法第3条第2項の規定により、労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとされていること。
2 均衡の考慮に当たっては、この指針の趣旨が考慮されるべきであるこ と。
3 有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準(平成15年厚生労 働省告示第357号)第5条の規定により、使用者は、労働基準法(昭和 22 年法律第49号)第15条第1項の規定により、労働者に対して労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)第5条第5項に規定する事項を明示する場合においては、当該事項(同条第1項各号に掲げるものを除く。)に関する定めをするに当たって労働契約法第3条第2項の規定の趣旨を踏まえて就業の実態に応じて均衡を考慮した事項について、 当該労働者に説明するよう努めなければならないこととされていること。
その他、詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省の「多様な働き方の実現応援サイト」では、令和7年10月9日に開催された 「多様な正社員」制度導入支援セミナーの資料・動画をアップロードしています。
「多様な正社員」とは、従来型のいわゆる正社員と比べ、職務内容、勤務地、労働時間などを限定して 選択できる正社員のことを指します。
本セミナーでは、多様な人材活用のヒントとなるよう、「多様な働き方」に関するトレンドや、勤務地や職務内容、勤務時間などを限定した「多様な正社員」制度のポイント、実際に「多様な働き方」を実践されている先進事例などを紹介しています。
令和7年度のセミナーの内容は以下のとおりです。
・「多様な正社員」制度の概要
・事例紹介 企業事例のご紹介
・パネルディスカッション
以下よりご確認願います。
厚生労働省は、第26回労働政策審議会 職業安定分科会 雇用環境・均等分科会 同一労働同一賃金部会の資料を公開しております。
資料の中から、「同一労働同一賃金ガイドラインについての論点」について一部抜粋してご紹介します。
1 裁判例を踏まえたガイドラインの見直し
(1)最高裁判決で性質・目的が示されている待遇
賞与、退職手当、無事故手当、家族手当、住宅手当、病気休職(休暇) 及び夏季冬季休暇について、裁判例で示された内容等を記載することとしてはどうか。
(2)いわゆる「正社員人材確保論」
非正規雇用労働者と通常の労働者との間に待遇の相違がある場合に、 当該相違の要因として「通常の労働者としての職務を遂行しうる人材の確保及びその定着を図る」との目的が存在する場合があることが、最高裁判決で示されている。こうした目的があることのみをもって、直ちに通常の労働者と非正規雇用労働者との間の待遇の相違が不合理ではないと当然に認められるものではないと考えられる旨を記載することとして はどうか。
(3)下級審判決
最高裁判決が判断を示した8事件において争われた待遇のうち、高裁で判断が示されており、かつ、最高裁が判断を示さなかったもので、現行のガイドラインに記載がない「褒賞」について、裁判例で示された内容等を記載することとしてはどうか。
2 通常の労働者の待遇引下げによる待遇の相違の解消
現行のガイドラインにおいて、「事業主が通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間の不合理と認められる待遇の相違の解消等を行うに当たっては、基本的に、労使で合意することなく通常の労働者の待遇を引き下げることは、望ましい対応とはいえない」と記載されていることについて、改正パートタイム・有期雇用労働法の目的に鑑みれば、通常の労働者の待遇を引き下げることは望ましい対応とはいえないといった趣旨の記載に改めることとしてはどうか。
3 「その他の事情」の明確化
パートタイム・有期雇用労働法第8条の「その他の事情」については、行政通達においてその具体例を示している。その内容等について、ガイドライ ンにおいて明確化することとしてはどうか。
※分かりやすさの観点から明確化すべき御意見と、例示された内容がどのように解釈されるかという点を踏まえると明確化には慎重であるべきとの御意見がある。
4 無期雇用フルタイム労働者及び「多様な正社員」
所定労働時間が通常の労働者と同一であり、かつ、事業主と期間の定めのない労働契約を締結している労働者(無期雇用フルタイム労働者)や、いわゆる「多様な正社員」については、パートタイム・有期雇用労働法に規定する短時間・有期雇用労働者には該当しないが、労働契約法第3条第2項の規定により、労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとされていることや、均衡の考慮に当たっては、ガイドラインの趣旨が考慮されるべきこと等に留意する必要があるといった趣旨の記載を追加することとしてはどうか。
※ 法制的な対応が必要との御意見がある。
その他、詳細は、以下よりご確認ください。
東京労働局は、10月23日(木)に開催予定の「派遣労働者の同一労働同一賃金オンラインセミナー ~労使協定作成実務~」の案内を掲載しております。
主に派遣元事業所において労働者派遣事業に初めて従事する方向けの内容となっておりますが、どなたでも参加は可能(無料)とのことです。
〇内容
Part1:労使協定に定める事項及び締結までの流れについて(約40分)
Part2:協定対象派遣労働者の賃金について(約50分)
〇開催日時
令和7年10月23日(木)Part1:14:00~、Part2:15:00~
〇開催方式
Zoom(ウェビナー)によるオンライン形式
ご興味のある方は参加されてみてはいかがでしょうか。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、派遣労働者の同一労働同一賃金について、 「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(令和8年度適用)」、「労使協定方式における独自統計の協議」を公表いたしました。
派遣労働者の待遇について、派遣元事業主には、派遣先均等・均衡方式(派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇)または労使協定方式(一定の要件を満たす労使協定による待遇)のいずれかを確保することが令和2年4月より義務化されています。
「労使協定方式」とは、派遣元において、労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数代表者と一定の要件を満たす労使協定を締結し、当該協定に基づいて派遣労働者の待遇を決定する方式です。
労使協定に定める「賃金」については、職業安定局長通知で示される、派遣労働者と同種の業務に同一の地域で従事する一般労働者の平均賃金と同等以上になるように決定するとともに、昇給規程等の賃金改善の仕組みを設ける必要があります。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、8月20日に開催された「第385回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会」の資料を公開しております。
資料として、「労働者派遣法第30条の4第1項第2号イに定める同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額に係る通知について」が掲載されておりますので、ご紹介します。
〇令和8年度に適用される予定の一般賃金水準
・職業安定業務統計の職業計は、1,289円(+41円)(昨年度より上がる職種:525職種、下がる職種:13職種)
・賃金構造基本統計調査の産業計は、1,442円(+122円)(昨年度より上がる職種:117職種、下がる職種:7職種)
〇一般賃金水準に用いる各指数等の更新
・賞与指数 0.02 (変更なし)
・学歴計初任給との調整 12.5% (▲0.1%)
・一般通勤手当 79円 (+6円)
・退職金割合 5% (変更なし)
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、8月8日に開催された「第23回労働政策審議会 職業安定分科会 雇用環境・均等分科会 同一労働同一賃金部会」の資料を公開しております。
会議では、同一労働同一賃金の施行5年後見直しについて議論が行われております。
資料の中から、【資料2】論点(案)(同一労働同一賃金ガイドライン関係)について、一部抜粋してご紹介します。
1 裁判例を踏まえたガイドラインの見直し
(1)最高裁判決で性質・目的が示されている待遇
〔論点〕現行のガイドラインに記載がない待遇について、最高裁判決を踏まえてガイドラインに追記することについて、どのように考えるか。
⇒「退職金」、「住宅手当」、「無事故手当」及び「夏期冬期休暇」につ いて、当該待遇の性質・目的が最高裁判決で示されていることを踏ま え、これらに関する記載をガイドラインに追加することについて、ど のように考えるか。
⇒「家族手当」についても、当該待遇の性質・目的が最高裁判決で示されている一方で、「配偶者手当」については、パートタイム労働者の就業調整につながっているとの指摘があることから、企業において見 直しを進めることが求められている。こうした状況を踏まえ、家族手当に関する記載をガイドラインに追加することについて、どのように考えるか。
〔論点〕現行のガイドラインに記載がある待遇について、最高裁判決を踏まえてガイドラインを見直すことについて、どのように考えるか。
⇒「賞与」及び「病気休職(病気休暇)」について、当該待遇の性質・ 目的が最高裁判決において示されていることを踏まえ、これらに関する記載をガイドラインに追加し、又はガイドラインの記載を見直すこ とについて、どのように考えるか。
(2)いわゆる「正社員人材確保論」
〔論点〕非正規雇用労働者と通常の労働者との間に待遇の相違がある場合に、当該相違の要因として「通常の労働者としての職務を遂行しうる人材の確保及びその定着を図る」との目的が存在する場合があることが、最高裁判決で示されている。こうした目的があることのみをもって、直ちに通常の労働者と非正規雇用労働者との間の待遇の相違が不合理ではないと当然に認められるものではないと考えられるが、これ らに関する記載をガイドラインに追加することについて、どのように考えるか
(3)下級審判決
〔論点〕最高裁が判断を示さず確定した下級審の判断を踏まえてガイドラ インに追記することについて、どのように考えるか。
⇒最高裁判決が判断を示した8事件において争われた待遇のうち、高裁で判断が示されており、かつ、最高裁が判断を示さなかったもので、現行のガイドラインに記載がない待遇として、例えば「褒賞」がある が、これに関する記載をガイドラインに追加することについて、どのように考えるか。
2 通常の労働者の待遇引下げによる待遇の相違の解消
〔論点〕待遇の見直しに当たり、「正社員の待遇を減額・縮小」した等の回答が調査結果において見られる。この点に関し、現行のガイドラインでは、「事業主が通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間の不合理と認められる待遇の相違の解消等を行うに当たっては、基本的に、労使で合意することなく通常の労働者の待遇を引き下げることは、望ましい対応とはいえない」と記載されていることについて、どのように考える か。
3 「その他の事情」の明確化
〔論点〕パートタイム・有期雇用労働法第8条の「その他の事情」については、 行政通達においてその具体例を示している。こうしたことを踏まえ、労使 の当事者にとって予見可能性をより一層高めていく観点から、「その他の事情」の解釈をガイドラインに追加することについて、どのように考えるか。
上記の論点について、「論点(案)に関する追加資料」では、裁判例についての要点がまとめられており論点の内容を理解するのに役立ちますのでこちらも合わせてご確認いただくとよろしいかと存じます。
その他、詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省の「多様な働き方の実現応援サイト」では、「多様な正社員制度の取組事例集(パンフレット)」を更新しました。
「多様な正社員」とは、従来型のいわゆる正社員( ①労働契約の期間の定めがない、②所定労働時間がフルタイム、③ 直接雇用のいずれの要素も満たす労働者)と比べ、職務内容、勤務地、労働時間などを限定して選択できる正社員をいいます。限定の仕方は様々で、いわゆる正社員と別の社員区分を設けていない場合もあります。
本事例集では、「多様な正社員」制度を導入し、成果をあげた企業の事例や、新たに雇用管理区分を設けることなく、多様で柔軟な働き方を選択できる事例を紹介しています。
以下の内容で構成されております。
Ⅰ. 「多様な正社員」制度の紹介
「多様な正社員」とは 、「多様な正社員」のメリット 、「多様な正社員」の留意点
Ⅱ. 「多様な正社員」の事例紹介・・・4社
Ⅲ. 「多様で柔軟な働き方」の事例紹介・・・6社
詳細は、以下よりご確認ください。
https://part-tanjikan.mhlw.go.jp/tayou/pdf/tayou_jirei.pdf?20250520
厚生労働省の「多様な働き方の実現応援サイト」では、「進めよう!同一労働同一賃金の取組」というリーフレットを作成し公開しております。
2021年4月からパートタイム・有期雇用労働法が全面施行され、 正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消が求められています。 本リーフレットでは、同一労働同一賃金に取り組んでいる企業の声が紹介されています。
・どんな待遇を見直している?
・継続して取組を進めることで 得られた効果は?
・一度見直した後に、 さらに待遇を見直す理由は?
・待遇の見直し等による、 パート・有期労働者からの声は?
また、同一労働同一賃金に向けて取組を進めるために、どんな支援策があるのかも紹介されています。
詳細は、以下よりご確認ください。
https://part-tanjikan.mhlw.go.jp/douitsu/pdf/keihatsu_panf.pdf
厚生労働省は、派遣労働者の同一労働同一賃金の実現に向け、派遣先に雇用される通常の労働者との均等・均衡待遇【派遣先均等・均衡方式】又は一定の要件を満たす労使協定による待遇【労使協定方式】のいずれかの待遇決定方式により派遣労働者の公正な待遇を確保することを求めております。
派遣元・派遣先の皆さま向けに、それぞれが行わなければならない対応に関してまとめたリーフレットを新たに作成し公開しております。
以下の内容が掲載されております。
・派遣労働者の同一労働同一賃金の実現にご協力をお願いします
・派遣労働者の公正な待遇を確保できるよう、派遣料金について配慮をお願いします
・「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」に沿った対応をお願いします
・〈労使協定方式〉令和7年度に適用される派遣労働者の待遇の確保をお願いします
・〈派遣先均等・均衡方式〉比較対象労働者の情報に基づく待遇の確保をお願いします
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/001432997.pdf
東京労働局公式チャンネルでは、派遣労働者の同一労働同一賃金について、2つの動画を公開しております。
・派遣労働者の同一労働同一賃金(入門編) 労使協定方式とは?
労使協定方式の以下の4つのポイントについて、簡単な説明を5分程度で行っております。
①労使協定方式は、派遣労働者の長期的なキャリア形成を考慮する。
②締結にあたっては、労働者の過半数代表を適切に選出する。
※あるいは過半数労働者で構成される労働組合が存在すること
③派遣法で定めれた事項は、必ず労使協定の中で定める。
④労使協定を作成・締結しない場合は、派遣先の通常の労働者の待遇を適用する、派遣先均等・均衡方式となる。
・派遣労働者の同一労働同一賃金(入門編) 派遣先均等・均衡方式とは?
派遣先均等・均衡方式の以下の3つのポイントについて、簡単な説明を5分程度で行っております。
①派遣先均等・均衡方式は、派遣労働者を派遣先の通常の労働者と同一の待遇にすることを目的としている。
②派遣先の通常の労働者に関する、すべての待遇情報の提供を派遣先から書面で受領しなければならない。
③受領した情報提供の内容をよく吟味し、不合理な差が生じることのないよう、派遣労働者の待遇を決定する。
動画は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、派遣労働者の同一労働同一賃金について、派遣先の皆さま向けの以下のリーフレットを掲載しております。
・派遣先の皆さまへ
・派遣労働者を受け入れる際に注意すべきポイント(同一労働同一賃金関係)
・派遣労働者を受け入れるために必要な対応があります!改めてご確認を
・派遣労働者の受け入れは派遣先にも責務が生じます
・派遣労働者の公正な待遇の確保、処遇の向上が求められています
今回、「派遣労働者の公正な待遇の確保、処遇の向上が求められています」が新たに追加されました。
リーフレットでは以下の内容が記載されております。
①「同一労働同一賃金」の実現が求められていることをご存じですか?
派遣先均等・均衡方式、労使協定方式について記載されております。
② 派遣元への情報提供と派遣料金の配慮をしていますか?
比較対象労働者の待遇情報の提供(法第26条第7項)、派遣料金についての配慮義務(法第26条第11項)、派遣料金の交渉に関する配慮義務等について記載されております。
③「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」が策定されました
「労務費の適切な 転嫁のための価格交渉に関する指針」について記載されております。
④派遣労働者の直接雇用に、キャリアアップ助成金をご活用ください
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、令和5年12月26日に開催された「第66回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」の資料を公開しております。
資料の中から、【資料2】同一労働同一賃金の遵守徹底に向けた取組の実施状況について、是正事例が掲載されておりますので、一部抜粋してご紹介します。(下線は筆者加筆)
パート・有期法第8条、第9条により、同一企業内において、正社員とパート・有期雇用労働者との間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることを禁止されております。
〇パートタイム・有期雇用労働法の報告徴収の例:諸手当・福利厚生の是正事例
手当・福利厚生の性質や支給・付与目的に照らし、事案ごとに不合理な待遇差かどうかを判断。不合理と認められれば是正を指導。
●通勤手当
【支給目的】 通勤費用補填
【是正前の待遇】 正社員には実費を支給、有期は1日あたり定額を支給
【待遇差の理由】 有期は近隣からの通勤者が多く、通勤費用があまりかからないため (実際は遠方にも採用情報を掲載しており、自己負担している者あり)
・労働契約に期間の定めがあるか否かによって通勤に要する費用が異なるものではなく、費用負担が生じていることからも同一水準で支給しないことは不合理な待遇差と判断。
➡正社員と同一基準での支給とするよう指導し是正
●慶弔休暇
【付与目的】 仕事から離れて慶弔行事に参加するため
【是正前の待遇】 正社員のみに付与、有期には付与されていない
【待遇差の理由】 職務内容が異なるから(正社員:非定型、有期:定型業務)(なお、正社員と同じ週所定労働日数であり勤務日振替は難しい)
・付与目的に照らせば、職務内容によって慶弔行事に参加するために労働から離れる機会を与える趣旨や時間が変わるものではないことから、不合理な待遇差と判断。
➡正社員と同一基準で付与するよう指導し是正
●精皆勤手当
【支給目的】 特定の業務に従事する従業員の皆勤を奨励するため
【是正前の待遇】 正社員のみに支給、パート・有期には支給していない
【待遇差の理由】 正社員はパート・有期よりも早く出勤し、その時間で正社員のみが行える特定の業務をしているため (ただし、特定の業務に従事しない正社員にも同様に支給)
・特定の業務に従事していない正社員にも手当を支給してい ることから、パート・有期に支給しないことは雇用形態を 理由とするものであり、不合理な待遇差と判断。
➡勤務日数・時間に応じ正社員と同一基準で支給するよう指導し是正
●食事手当
【支給目的】 食費の補助
【是正前の待遇】 正社員とフルタイム有期に支給、パートには支給していない
【待遇差の理由】 1日一定時間以上勤務する者を対象としており、パートはその時間数に満たないから(昼食時間を挟んで勤務するパートあり)
・食費の負担補助という目的に照らすと、食事をとる必要性については正社員も短時間パートも変わるものではなく、所定労働時間が短いことを理由とすることは、パートであることを理由とする不合理な待遇差と判断。
➡労働時間の途中に昼食のための休憩時間があるパートに対しても、正社員と同一の支給とするよう指導し是正
基本給や賞与と比較し、諸手当や福利厚生は、不合理な待遇差であると判断されやすいので注意が必要となります。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、派遣労働者の同一労働同一賃金について、以下、2種類のリーフレットを公開しております。
〇「派遣労働者を受け入れるためには必要な対応があります!改めてご確認を」
〇「派遣労働者の受け入れは派遣先にも責務が生じます」
〇「派遣労働者を受け入れるためには必要な対応があります!改めてご確認を」
派遣労働者を受け入れる場合、派遣元(派遣会社)だけでなく、派遣先においても、労働者派遣法に定められた措置を講じる必要があります。
リーフレットでは、以下5つの点について説明されています。
①契約前に、比較対象労働者の待遇等に関する情報を提供していますか?
②契約前に、派遣可能期間の制限に抵触することとなる最初の日を通知していますか?
③労働者派遣契約書に派遣法で定められている項目を全て記載し、かつ、毎 月1回以上、派遣元に対して派遣労働者の就業状況を通知していますか?
④派遣先管理台帳を作成、記載していますか?
⑤派遣先責任者を、派遣労働者数に応じた人数、選任していますか?
〇「派遣労働者の受け入れは派遣先にも責務が生じます」
派遣労働者を受け入れる場合、派遣元(派遣会社)だけでなく、派遣先においても、労働者派遣法に定められた措置を講じる必要があります。
こちらのリーフレットでは、セルフチェックリストを活用いただき、自己点検ができるようになっております。
詳細は、以下よりご確認ください。
昨日(令和5年7月20日)、名古屋自動車学校事件の最高裁判決が出されました。
本件は、自動車学校を定年退職した後に、嘱託社員として再雇用された際の基本給、賞与等の正社員との相違が労働契約法20条に違反するものであると主張し、不法行為等に基づき、相違に係る差額について損害賠償等を求めた事案です。
(原審の確定した事実関係の概要)
省略します。判決文をご確認ください。
(原審の要旨)※下線は筆者加筆
被上告人らの 基本給及び賞与に係る損害賠償請求を一部認容すべきものとした。
被上告人らについては、定年退職の前後を通じて、主任の役職を退任したことを除き、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度並びに当該職務の内容及び配置の変更の範囲に相違がなかったにもかかわらず、嘱託職員である被上告人らの基本給及び嘱託職員一時金の額は、定年退職時の正職員としての基本給及び賞与の額を大きく下回り、正職員の基本給に勤続年数に応じて増加する年功的性格があることから金額が抑制される傾向にある勤続短期正職員の基本給及び賞与の額をも下回っている。このような帰結は、労使自治が反映された結果でなく、労働者の生活保障の観点からも看過し難いことなどに鑑みると、正職員と嘱託職員である被上告人らとの間における労働条件の相違のうち、被上告人らの基本給が被上告人らの定年退職時の基本給の額の60%を下回る部分、及び被上告人らの嘱託職員一時金が被上告人らの定年退職時の基本給の60%に所定の掛け率を乗じて得た額を下回る部分は、労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たる。
(最高裁の判決)※筆者が判決文より抜粋し、下線を付す等の編集をしております。
原審の上記判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。
(1)労働契約法20条は、労働条件の相違が基本給や賞与の支給に係るものであったとしても、それが同条にいう不合理と認められるものに当たる場合はあり得るものと考えられる。もっと も、その判断に当たっては、当該使用者における基本給及び賞与の性質やこれらを支給することとされた目的を踏まえて同条所定の諸事情を考慮することにより、当該労働条件の相違が不合理と評価することができるものであるか否かを検討すべきものである。
(2)ア 管理職以外の正職員のうち所定の資格の取得から1年以上勤務した者の基本給の額について、勤続年数による差異が大きいとまではいえないことからすると、正職員の基本給は、勤続年数に応じて額が定められる勤続給としての性質のみを有するということはできず、職務の内容に応じて額が定められる職務給としての性質をも有するものとみる余地がある。
正職員については、長期雇用を前提として、役職に就き、昇進することが想定されていたところ、一部の正職員には役付手当が別途支給されていたものの、その支給額は明らかでないこと、正職員の基本給には功績給も含まれていることなどに照らすと、その基本給は、職務遂行能力に応じて額が定められる職能給としての性質を有するものとみる余地もある。
前記事実関係からは、正職員に対して、上記のように様々な性質を有する可能性がある基本給を支給することとされた目的を確定することもできない。
嘱託職員は定年退職後再雇用された者であって、役職に就くことが想定されていないことに加え、その基本給が正職員の基本給とは異なる基準の下で支給され、被上告人らの嘱託職員としての基本給が勤続年数に応 じて増額されることもなかったこと等からすると、嘱託職員の基本給は、正職員の 基本給とは異なる性質や支給の目的を有するものとみるべきである。
しかるに、原審は、正職員の基本給につき、一部の者の勤続年数に応じた金額の 推移から年功的性格を有するものであったとするにとどまり、他の性質の有無及び内容並びに支給の目的を検討せず、また、嘱託職員の基本給についても、その性質及び支給の目的を何ら検討していない。
イ 労使交渉に関する事情を労働契約法20条にいう「その他の事情」として考慮するに当たっては、労働条件に係る合意の有無や内容といった労使交渉の結果のみならず、その具体的な経緯をも勘案すべきものと解される。
前記事実関係によれば、原審は、上記労使交渉につき、その結果に着目するにとどまり、上記見直しの要求等に対する上告人の回答やこれに対する上記労働組合等の反応の有無及び内容といった具体的な経緯を勘案していない。
ウ 以上によれば、正職員と嘱託職員である被上告人らとの間で基本給の金額が異なるという労働条件の相違について、各基本給の性質やこれを支給することとさ れた目的を十分に踏まえることなく、また、労使交渉に関する事情を適切に考慮しないまま、その一部が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとした原審の判断には、同条の解釈適用を誤った違法がある。
(3)正職員と嘱託職員である被上告人らとの間で賞与と嘱託職員一時金の金額が異なるという労働条件の相違について検討する。
前記事実関係によれば、被上告人らに支給された嘱託職員一時金は、正職員の賞与と異なる基準によってではあるが、同時期に支給されていたものであり、正職員の賞与に代替するものと位置付けられていたということができるところ、原審は、賞与及び嘱託職員一時金の性質及び支給の目的を何ら検討していない。
また、労働組合等との間で、嘱託職員としての労働条件の見直しについて労使交渉を行っていたが、原審は、その結果に着目するにとどまり、その具体的な経緯を勘案していない。
このように、上記相違について、賞与及び嘱託職員一時金の性質やこれらを支給することとされた目的を踏まえることなく、また、労使交渉に関する事情を適切に考慮しないまま、その一部が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとした原審の判断には、同条の解釈適用を誤った違法がある。
以上のとおり、原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は上記の趣旨をいう限度で理由があり、原判決中、被上告人らの基本給及び賞与に係る損害賠償請求に関する上告人敗訴部分は破棄を免れない。そして、被上告人らが主張する基本給及び賞与に係る労働条件の相違が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるか否か等について、更に審理を尽くさ せるため、上記部分につき、本件を原審に差し戻すこととする。
判決文は以下よりご確認ください。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/208/092208_hanrei.pdf
