― 血清クレアチニン検査の追加・喀痰検査の削除など、健康診断項目が大きく見直し ―
令和8年4月28日付で、厚生労働省より 「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行等について」(基発0428第9号) が発出されました。
今回の改正は、一般健康診断の項目を最新の医学的知見に合わせて見直すもので、 令和9年4月1日施行 となります。
本記事では、社労士として押さえておくべきポイントを分かりやすく整理します。
■ 1. 改正の背景
通達では、改正の趣旨として次の点が示されています。
・長時間労働と慢性腎臓病の関連
・血清クレアチニン検査が腎機能低下の把握に有効であること
・喀痰検査は胸部X線検査で代替可能であること
(基発0428第9号「第1 改正の趣旨」より)
つまり、健康診断項目を現代の疾病構造に合わせてアップデートすることが目的です。
■ 2. 主な改正内容(重要ポイント)
① 血清クレアチニン検査の追加
雇入時・定期・特定業務・海外派遣の健康診断に 血清クレアチニン検査が新たに追加されました。
・腎機能を評価する重要な指標
・eGFR(推算糸球体濾過量)で有所見者を判断
・医師が不要と認める場合は省略可能
慢性腎臓病は労働者の健康管理上も重要であり、今回の追加は実務的にも大きな意味があります。
② 喀痰検査の削除
定期・特定業務・海外派遣の健康診断から 喀痰検査が削除されました。
理由は以下の通りです。
・結核の疑いは胸部X線で把握可能
・結果が疑わしい場合は速やかに医療機関受診を促すべき
・喀痰検査は「要配慮個人情報」に該当し、今後は本人同意が必要
事業者は、胸部X線の結果を踏まえた適切な受診勧奨が求められます。
③ 肝機能検査の酵素名を国際基準へ変更
GOT → AST
GPT → ALT
γ-GTP → γ-GT
といった形で、IFCC(国際臨床化学連合)勧告に基づく名称へ統一されます。
なお、事業者や労働者への通知では、 旧名称を併記しても差し支えないとされています。
④ 健康診断結果報告書・個人票の様式変更
・血清クレアチニン検査の追加
・喀痰検査の削除
・肝機能検査の名称変更
これらに伴い、様式第5号・第8号・第9号などが改訂されます。
⑤ 高度プロフェッショナル制度の「臨時の健康診断」にも追加
労基則34条の2に基づく臨時の健康診断にも 血清クレアチニン検査が追加されます。
■ 3. 施行期日と経過措置
● 施行日
令和9年4月1日
● 主な経過措置
・当分の間、旧様式の使用を認める(必要な改訂を行った上で)
・施行前に交付された健康管理手帳はそのまま使用可能
・施行前の報告は、新省令による報告とみなす
(附則第3~6)
■ 4. まとめ
今回の改正は、健康診断項目の大幅な見直しであり、事業者・健診機関・産業医の連携が不可欠です。
特に、
・血清クレアチニン検査の追加
・喀痰検査の削除
・様式変更 は実務に直結します。
令和9年4月1日の施行に向けて、 早めの準備を進めておくことをおすすめします。
詳細は、以下よりご確認願います。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260515K0020.pdf
2026年4月28日付で、厚生労働省より「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について」(基発0428第4号)が発出されました。
今回の改正の中心は、産業医が辞任・解任・退任した場合の報告義務の新設です。
企業の安全衛生管理に直接関わる重要な改正であり、実務対応が必要となるため、ポイントを整理して解説します。
■ 改正の背景と目的
これまで産業医の選任については報告義務がありましたが、 辞任・解任・退任(以下「辞任等」)については報告義務がありませんでした。
そのため、労働基準監督署が事業場の産業医選任状況を正確に把握できないケースがあり、結果として産業保健体制の適切な監督に支障が生じる可能性が指摘されていました。
今回の改正は、こうした状況を改善し、 事業場の産業保健体制をより確実に把握することを目的としています。
■ 改正のポイント(実務に直結する部分)
① 産業医が辞任した場合の「報告義務」が新設(安衛則13条5項)
事業者は、産業医に辞任等があった場合、遅滞なく所轄労働基準監督署長へ報告する義務が課されます。
報告内容は以下のような基本情報です:
・産業医の氏名
・辞任・解任・退任の年月日
・その他必要事項
なお、選任報告(安衛則13条2項)を提出する際に辞任等の情報を併せて記載した場合は、別途の辞任報告は不要とされています。
② 労働者数が50人未満になった場合の扱い
産業医選任義務は「常時50人以上」の事業場に課されるため、労働者数が49人以下になった場合は選任義務が消滅します。
この場合、辞任等の報告は義務ではありません。
ただし通知では、
産業医選任状況の適切な把握の観点から、報告が望ましい とされています。
実務上は、任意報告として提出することが推奨されます。
③ 報告方法 ― 原則は電子申請、当面は書面も可
辞任等の報告は、原則として電子申請で行うこととされています。
しかし、電子申請環境が整っていない事業場もあるため、当分の間は書面による報告も可能とする経過措置が設けられています。
書面報告の場合は、廃止前の「安衛則様式第3号」を使用できます。
④ 施行日と経過措置
・施行日:令和8年8月1日
・当面は書面報告も認められる経過措置あり
企業としては、8月1日以降に辞任等が発生した場合は速やかに報告できるよう、社内フローの整備が必要です。
■ 実務担当者が今すぐ準備すべきこと
● 1. 産業医契約の管理台帳の見直し
辞任日・契約終了日を確実に把握できるようにする。
● 2. 辞任時の社内手続フローを整備
「辞任 → 監督署報告 → 新任産業医選任」の流れを明確化。
● 3. 電子申請環境の確認
GビズIDの有無、電子申請システムの利用可否をチェック。
● 4. 書面報告の様式を準備(必要な場合)
経過措置期間中は旧様式第3号が使用可能。
■ まとめ:産業医の辞任は“報告必須”の時代へ
今回の改正により、 産業医の辞任等は「報告しなければならない事項」へと格上げされました。
産業医の選任義務がある事業場では、辞任が発生した時点で迅速な対応が求められます。
詳細は、以下よりご確認願います。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260515K0010.pdf
― 新たに作成されたガイドラインと、2026年度の重点取組 ―
東京労働局は、2026年5月から9月までの期間、今年も「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します。
近年は春先から気温が上昇し、職場における熱中症リスクは確実に高まっています。特に建設業・製造業・運輸業など、屋外作業や高温環境での作業が多い職場では、早期の対策が欠かせません。
さらに今年は、2026年3月に新たな「職場における熱中症防止のためのガイドライン」が作成されたことを受け、東京労働局はその周知・指導にも力を入れていくとしています 。
■ 1. 建設現場への「熱中症予防対策パトロール」を実施
5月には、熱中症リスクが特に高い建設現場を対象にパトロールが行われます。
現場の暑熱環境、休憩場所の確保、WBGT値の把握、作業計画など、実効性のある対策が取られているかを確認する取組です。
■ 2. 大手建設事業者・関係団体への要請文書の手交
・5月13日(水):大手建設事業者連絡会議で要請文書を手交
・6月4日(木):「職場における熱中症予防対策会議」で関係団体へ手交
事業者側の取組を後押しするため、行政として明確なメッセージを発信する場となります。
■ 3. 新ガイドラインの周知・指導
2026年3月に作成された新ガイドラインでは、「熱中症リスクに応じて望ましい具体的な方法」が整理されています。
東京労働局は、講習会・会議・パトロールなど、あらゆる機会を通じてこのガイドラインの普及を進める方針です。
■ 4. 労働基準監督署による集中的な広報・指導
都内の各労基署でも、
・熱中症予防の徹底に関する指導
・事業場への周知
・広報活動
を集中的に実施し、地域全体での対策強化を図ります。
■ 5. 「Cool work TOKYO」ロゴマークの周知
キャンペーンの認知度向上のため、パトロールや会議の場でロゴマークの周知も行われます。
視覚的な統一感を持たせることで、事業場側の取組機運を高める狙いがあります。
■ まとめ:今年のポイントは「新ガイドライン」と「早期の対策」
今年のキャンペーンは、新ガイドラインの活用が大きなポイントです。
熱中症は「予防できる労働災害」であり、事業者の計画的な対策が労働者の安全を守ります。
・WBGT値の把握
・作業計画の見直し
・休憩・水分補給の確保
・暑熱順化の配慮
・個人の健康状態への注意
これらの基本的な対策を、改めて職場全体で確認する時期に来ています。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」に、新たに「働く人の過労徴候度セルフチェック」が公開されました。
過労死等防止調査研究センター(RECORDs)が作成した調査票をもとに、働く人自身が現在の心身の状態を簡単に確認できる仕組みです。
本チェックは、単なるストレスチェックとは異なり、過労による心身の危険サインを6つの因子に分けて可視化する点が特徴です。働き方改革が進む一方で、現場では長時間労働や業務負荷の偏りが依然として課題となっており、企業にとっても重要なツールとなり得ます。
◆6つの因子で「過労の兆候」を見える化
セルフチェックは、以下の6因子で構成されています。
① 異常な睡眠欲求
「全くなかった」以外の回答がある場合、慢性的な疲労状態が疑われます。 仕事量の調整や休息確保が必要とされています。
② 胸部等の違和感
心臓・肺の疾患、またはストレス・不安による症状の可能性があります。 頻度が高い場合は医療機関の受診が推奨されています。
③ 激しい痛み等の身体症状
脳出血・くも膜下出血・心筋梗塞など、重大な疾患の可能性も。症状が強い場合はすぐに受診をとの記載があります。
④ 感情の不安定化
非常に強いストレス状態が想定されます。 職場環境の改善が理想ですが、難しい場合は心理的距離を置く休み方も推奨されています。
⑤ 脳心疾患関連の症状
脳梗塞・不整脈などの可能性があり、危険度が高い項目です。 速やかな受診が求められます。
⑥ 異常な疲労感と眠気
睡眠の質の悪化が疑われ、2週間以上続く場合は受診が推奨されています。 過重労働や人間関係が原因と感じる場合は、働き方の見直しが必要です。
◆企業・事業場が押さえておきたいポイント
セルフチェックは個人向けのツールですが、企業の労務管理にも活かせる示唆が多くあります。
● 1. 「過労の兆候」を早期に把握する仕組みづくり
ストレスチェック制度だけでは拾いきれない、身体症状や急性リスクを把握する補助ツールとして有効です。
● 2. 長時間労働の管理だけでは不十分
過労の兆候は、労働時間だけでは測れません。睡眠、感情の不安定化、胸部症状など、多面的な観点での健康管理が求められます。
● 3. 産業保健スタッフとの連携強化
セルフチェックで異常が見られた場合、
・産業医面談
・業務量の調整
・配置転換の検討 など、職場側の対応プロセスが重要になります。
● 4. 「働き方の見直し」を組織的に支援
個人にセルフケアを求めるだけでは限界があります。業務量の偏り、属人化、コミュニケーション不足など、組織的な改善が不可欠です。
◆まとめ
こころの耳の「過労徴候度セルフチェック」は、働く人が自分の状態を客観的に把握できる有用なツールです。企業としても、従業員の健康管理や過重労働対策を進めるうえで、参考にすべきポイントが多くあります。
今後、働き方改革の実効性を高めるためにも、「働く人の健康状態を見える化する仕組み」 をどのように職場に取り入れていくかが問われていくでしょう。
詳細は、以下よりご確認願います。
令和8年3月4日、厚生労働省は「労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案要綱」を労働政策審議会に諮問し、同日付で答申が行われました。今回の改正案は、遺族補償年金の見直し、特別加入制度の適正化、消滅時効の延長など、労災保険制度の重要な部分に関わる内容が含まれています。
ここでは、一般の方にも分かりやすいように、要綱のポイントを整理して紹介します。
■遺族補償年金の支給要件が見直されます
・夫の年齢要件が廃止される
これまで、遺族補償年金を受け取る遺族のうち「夫」については、60歳以上であることまたは一定の障害状態にあることが必要でした。
今回の改正案では、この要件が削除されます。つまり、妻と同様に、夫も年齢に関係なく遺族補償年金を受け取れる方向になります。(男女の扱いをそろえる改正です)
・遺族が1人の場合の年金額が一律化
現在は、遺族が1人の場合でも「55歳以上の妻」などに特例額がありましたが、これを廃止し、遺族が1人の場合は一律「給付基礎日額の175日分」とされます。
一般の方にとっては、「年齢や性別による差がなくなる」という点が大きなポイントです。
■フリーランス等の特別加入制度に関する見直し
労働者を使わずに事業を行う人(フリーランス等)が加入する「特別加入制度」について、 団体が労災保険の適用を受けるための要件が明確化されます。
・団体に求められる要件が明確に
承認される団体は、
・労災保険に関する業務を適切に実施できること
・業務災害防止の活動を行えること など、省令で定める基準に適合する必要があります。
・改善命令・承認取消しの仕組みも整備
承認団体の運営に問題がある場合、
・改善命令
・命令違反時の承認取消し
といった措置が可能になります。 制度の透明性と適正運営を確保するための改正です。
■労災保険の審査請求の対象が拡大
政令で定める一部の事業に関する決定について、不服がある場合は労災保険審査官 → 労働保険審査会という流れで審査請求ができるようになります。(行政不服申立てのルートが明確化されます)
■消滅時効が「2年 → 5年」に延長されるケースが追加
療養補償給付や休業補償給付などの請求権は、原則2年で時効となりますが、 判断が難しい疾病(政令で定めるもの)については、 時効が5年に延長されます。
これは、病気の原因が業務によるものか判断しづらいケースに配慮した改正です。
■石綿(アスベスト)救済法
遺族年金の支給要件が、労災保険法の改正に準じて見直されます。
■労働基準法
災害補償請求権の消滅時効について、労災保険法と同様に延長されます。
■失業保険法等の改正
一部の事業を「労災保険の適用外」としていた暫定措置が廃止されます。
〇施行時期と今後の流れ
・原則:令和9年4月1日施行
・一部は公布日施行
・一部は公布後5年以内の政令で定める日施行 (制度の準備状況に応じて段階的に施行されます)
また、施行後5年を目途に、制度の状況を検討し必要に応じて見直す規定も設けられています。
〇まとめ(主なもの)
・遺族補償年金の受給要件が男女で平等に
・遺族が1人の場合の年金額が分かりやすく一律に
・病気の労災認定が難しい場合、請求できる期間が長くなる
労災保険制度は、働く人とその家族を守る重要な仕組みです。今回の改正案は、社会の変化に合わせて制度をより公平で使いやすくする方向といえます。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、「職場における熱中症防止対策に係る検討会」において、新たな熱中症防止ガイドライン(案)を提示しました。本ガイドライン案は、既存の「熱中症予防基本対策要綱」をベースにしつつ、令和7年の「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」実施要綱の内容も取り入れ、より実務的な対策を示したものです。
以下では、概要資料からポイントを絞って整理します。
🔍 1. ガイドライン案の目的
ガイドライン案は、職場の熱中症リスクに応じて実施すべき具体的な方法を示し、事業者が業種・業態に応じて適切に選択できるようにすることを目的としています。リスク評価(第2章)を行ったうえで、必要な対策(第3章)を選択する流れが明確化されています。
🌡️ 2. 熱中症リスクの評価(第2章)
ガイドライン案の中心となるのが、リスク評価のプロセスです。
● 有害性の特定
熱中症リスクとなる要因として、以下が挙げられています。
・高温・多湿な作業環境
・連続作業
・通気性・透湿性の低い服装や保護具
・身体作業負荷の大きい作業
● WBGT値の把握
JIS規格に適合したWBGT指数計で実測することが求められます。
● リスク評価と対策検討
・WBGT値に身体作業強度等の補正を行い、リスクを見積もる
・基準値を超える場合は、WBGT値の低減や作業管理などの対策を実施
・高齢者や基礎疾患のある労働者には、作業時間短縮などの配慮を検討
🏢 3. 熱中症リスクに応じた具体的措置(第3章)
ガイドライン案では、以下の6分野に分けて具体策が整理されています。
① 労働衛生管理体制の確立
・衛生委員会等での協議
・衛生管理者等を中心とした対策検討
・作業手順・報告体制の整備
② 作業環境管理
・発熱体との遮へい、簡易屋根の設置
・速やかに利用できる休憩場所の整備
③ 作業管理
・作業時間の短縮、休憩時間の確保
・暑熱順化のための計画的な期間設定
・プレクーリング(作業前の深部体温低下)
・水分・塩分の定期的摂取
・通気性の良い服装や冷却機能付きウェアの活用
・高温多湿環境での巡視強化
④ 健康管理
・健康診断結果に基づく対応
・日常の健康管理、体調確認(声かけ)
・暑熱順化の状況把握
⑤ 労働衛生教育
・管理者・職長向け教育
・作業従事者向け教育
・繰り返し参照できる教材の活用
⑥ 異常時の措置
・熱中症が疑われる場合は作業を中断し、涼しい場所で冷却・水分補給
👥 4. スポットワーカー等への配慮
今回のガイドライン案では、スポットワーク(短時間・単発の就労)を行う労働者への配慮も明記されています。また、注文者や作業場所管理者、個人事業者等に対する考え方も整理されており、従来よりも幅広い働き方を想定した内容になっています。
✍ まとめ:実務で押さえるべきポイント
・WBGT値の実測とリスク評価が中心軸
・暑熱順化・プレクーリングなど、近年の知見を踏まえた対策が明確化
・スポットワーカーなど多様な働き方への配慮が追加
・衛生委員会での協議・周知が重要
今年の夏も厳しい暑さが予想される中、事業場として早めに体制整備を進めておくことが求められます。正式なガイドライン公表後には、改めて詳細を確認し、社内ルールや教育資料への反映を検討していきたいところです。
詳細は、以下よりご確認願います。
令和7年5月に公布された改正労働安全衛生法により、労働者数50人未満の事業場でもストレスチェックが義務化されることになりました。施行日は「公布後3年以内に政令で定める日」とされていますが、制度開始に向けて準備を進めるため、厚生労働省は 「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」 を公表しました。
小規模事業場の実情に合わせ、現実的で実施しやすく、かつプライバシーを確保できる方法が整理されています。
1. 小規模事業場にもストレスチェック義務化が拡大
これまでストレスチェック制度は、常時50人以上の労働者を使用する事業場に限られていました。今回の法改正により、50人未満の事業場にも義務化が拡大されます。
■ 義務化の背景
・メンタルヘルス不調による休職・離職が中小企業で増加
・小規模事業場では産業保健体制が弱く、予防的支援が必要
・ストレスチェックを通じた一次予防(気づき・改善)が重要
2. 公表されたマニュアルのポイント
(1)プライバシー保護を最優先
小規模事業場では「人間関係が近い」「担当者が限られる」などの理由で、 個人情報の扱いが難しいという課題があります。
マニュアルでは、
・外部機関の活用
・結果の保管方法
・事業者が見てはいけない情報の範囲 などが具体的に整理されています。
(2)実施体制の作り方
小規模事業場向けに、次のような現実的な体制例が示されています。
・外部の実施者(医師・保健師・精神保健福祉士など)に委託
・商工会・業界団体などの共同実施
(3)高ストレス者への対応
小規模事業場では面接指導の体制が弱いことが多いため、
・面接指導の委託方法
・医療機関との連携
・産業保健総合支援センターの活用 など、実務的な対応策が整理されています。
3. 中小企業が今から準備すべきこと
制度開始までに余裕があるように見えて、実際には準備に時間がかかる分野です。 特に以下の点は早めの検討が必要です。
■ ① 実施体制の確保
・誰を実施者にするか
・外部委託する場合の契約先
・結果の保管方法
■ ② 従業員への説明
義務化に伴い、
・実施目的
・プライバシー保護
・結果の扱い
を丁寧に説明する必要があります。
■ ③ 高ストレス者対応のルート整備
・面接指導の委託先
・医療機関との連携
・産業保健総合支援センターの活用方法
4. まとめ
今回のマニュアル公表は、小規模事業場のストレスチェック義務化に向けた大きな一歩です。 制度開始までに時間はありますが、
・実施体制の整備
・外部委託先の確保
・従業員への説明 など、準備すべきことは多くあります。
中小企業にとっては負担もありますが、 メンタルヘルス不調の予防は、結果的に離職防止・生産性向上につながる投資です。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、2026年2月19日、「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案」を公示し、パブリックコメントによる意見募集を開始しました。
■ 改正の背景
現在、事業者は産業医を選任した際、選任した産業医の氏名や、解任等された前任者の氏名等を所轄労基署へ報告する義務があります(安衛則13条2項)。
しかし、「産業医を解任したとき」そのものには報告義務がないという制度上の空白がありました。
さらに、令和7年5月7日の衆議院厚生労働委員会の附帯決議では、「産業医が選任されていない事業場の把握」や 「産業医解任時の情報を行政が把握できる仕組みの検証」 が求められていました。
これらを受け、今回の省令案で制度整備が図られています。
■ 改正案のポイント
① 産業医の辞任・解任時の報告義務を新設
事業者は、産業医が辞任または解任した場合、遅滞なく所轄労働基準監督署長へ報告する義務が課されます。
報告内容(概要文書より)
・辞任・解任した産業医の氏名
・辞任・解任の年月日 等
② 後任産業医を選任して報告した場合は「別途の辞任・解任報告は不要」
概要文書では、後任産業医の選任報告の中で、前任者の辞任・解任情報を含めて報告した場合は、 辞任・解任の報告を別途行う必要はない とされています。
■ 施行期日(予定)
・公布日:令和8年4月上旬
・施行日:令和8年8月1日
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案」について、パブリックコメントの募集をお行っております。
本改正案は、一般健康診断の検査項目及び手法について、令和5年 12 月より「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会」において議論が進められ、令和7年 12 月に検討会報告書が取りまとめられました。今回の省令案は、この報告書の内容を踏まえたものです。
■ 改正案の主なポイント
1. 血清クレアチニン検査の追加
腎機能の低下は、長時間労働や生活習慣と関連が深く、従来の検査項目では把握しきれないケースがあると指摘されてきました。
今回の改正案では、以下の健康診断に血清クレアチニン検査が追加されます。
・雇入時の健康診断
・定期健康診断
・特定業務従事者の健康診断
・海外派遣労働者の健康診断
また、医師が不要と判断した場合は省略可能とされています。
2. 喀痰検査の削除
喀痰検査は結核の検査として位置づけられていましたが、実施率が低く、胸部X線で異常があれば医療機関受診を促す方が適切と判断されました。
そのため、以下の健康診断から喀痰検査が削除されます。
・定期健康診断
・特定業務従事者の健康診断
・海外派遣労働者の健康診断
3. 肝機能検査の名称を国際基準に統一
GOT → AST など、酵素名を国際基準に合わせて変更。実務上は大きな影響はありませんが、健診票の様式変更が必要になります。
4. 関連様式の見直し
安衛則、有機則、特化則など、複数の規則の様式が改正内容に合わせて調整されます。
5. 告示の改正
・40歳未満の血清クレアチニン検査は、医師判断で省略可能
・喀痰検査の省略基準は、項目削除に伴い告示から削除
■ 施行時期
・公布・告示:令和8年4月上旬(予定)
・施行:令和9年4月1日 (出典:省令案概要 )
■ まとめ
今回の省令案は、一般健康診断の項目を現代の医学・実務に合わせて整理する大きな改正です。喀痰検査の削除は負担軽減につながる一方、血清クレアチニン検査の追加は、健康管理の質を高める一方で、健診料金が変わる可能性もあります。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省の「職場における熱中症防止対策に係る検討会」(第3回)の資料が公開され、資料1として「報告書骨子(案)」が示されています。
今年の夏も厳しい暑さが予想される中、事業場に求められる熱中症対策の方向性を確認するうえで重要な内容です。
今回の骨子案は、これまでの議論を踏まえ、最終的な報告書に盛り込むべき論点を整理したものです。
1 骨子案の全体構成
骨子案の構成は、以下の通りです。
1.はじめに
2.これまでの取組
3.令和7年夏の状況
(1)労働災害発生状況
(2)事業場における取組状況
(ア)監督署調査結果(付票集計)
(イ)建設業アンケート調査結果
4.令和8年夏の熱中症対策
(1)重篤化の防止
(2)予防策の強化
(3)予防策への支援
(4)予防のための機器等の評価
5.おわりに
2 令和8年夏の熱中症対策
骨子案の中から、令和8年夏の熱中症対策について資料よりご紹介します。
(1)重篤化の防止
・令和7年の安衛則改正により、熱中症の重篤化による死亡災害の防止に一定の効果が見られた。
・しかし、発災事業場では、改正省令に基づく措置が十分に実施されていない傾向が確認された。
・速報値では死亡者数は減少したものの、なお12人が死亡しており、引き続き改正省令の徹底が必要。
(2)予防策の強化
・事業場の実態を踏まえると、死亡者数の抑制だけでなく、 休業4日以上の死傷者数の抑制(=熱中症の発症そのものの低減) が重要。
・令和8年夏も高温が予想されるため、予防策を一層推進する必要がある。
・特に夏季は、発注者による工期・納期への配慮 が求められるとの意見が示された。
・また、労働安全衛生法の適用外である 単独作業の個人事業者等への留意事項も記載すべきとの意見があった。
・業種・業態により作業内容やリスクが異なるため、 一律の対策ではなく、複数の選択肢から適切な対策を選べる形が望ましい。
・そのため、国として 「職場における熱中症防止のためのガイドライン」を策定することが有効。
(3)予防策への支援
(4)予防のための機器等の評価
※項目のみの提示。
3.まとめ
今回の報告書骨子案は、職場の熱中症対策を「従来の延長」ではなく、気候変動時代に対応した新たな枠組みへと再構築するための土台となるものです。
今後、報告書の正式版、そしてガイドライン案の確定へと議論が進む見込みです。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省が、2026年1月19日付で「女性特有の健康課題」に関する2つのマニュアルを公表しました。
女性の健康課題を適切に把握し、事業場での健康管理につなげるための実務的な指針が整理されており、今後の産業保健の現場にとって重要な資料となりそうです。
「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会」の報告書において、女性の健康課題に関する項目については、一般健康診断問診票に女性特有の健康課題(月経困難症、月経前症候群、更年期障害等)に係る質問を追加することが適当であり、厚生労働省において、女性特有の健康課題を抱える個々の労働者と事業者を繋ぐ観点から、望ましい対応を、健診機関向けマニュアル等に示すこととされたところ、今般、当該マニュアルを作成いたしましたので、公表いたします。
📘 公表された2つのマニュアル
今回公表されたのは、以下の2種類です。
① 健診機関向け
「女性特有の健康課題に関する問診に係る健診機関実施マニュアル」
月経困難症、月経前症候群(PMS)、更年期障害など、女性特有の健康課題に関する問診が実施され、健康課題があると回答した労働者に対し、健診機関が適切な対応を行うことにより、健康課題に対 する配慮について申し出を行いやすい職場づくりにもつながるよう、事業者健診の際の具体的な対応や参考情報をとりまとめたものです。
② 事業者向け
「女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル」
一般健康診断の機会を活用して、女性特有の健康課題に係る職場で困 っている労働者に対し、事業者で対応していただきたい具体的な対応、対応に積極的な企業における望ましい職場環境改善の取り組みや参考情報をとりまとめたものです。
🩺 背景にある検討会の報告
「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会」では、女性の健康課題に関する項目を一般健康診断の問診票に追加することが適当とされました。これを受け、厚生労働省が健診機関と事業者それぞれに向けた望ましい対応をマニュアルとして整理した形です。
🌱 産業保健の現場に期待される変化
女性特有の健康課題は、本人の体調だけでなく、労働生産性や働き続けやすさにも直結します。今回のマニュアルにより、
・健診の場での適切な把握
・事業場での健康管理支援の強化
・労働者と事業者をつなぐ仕組みの明確化
といった点が進むことが期待されます。
産業保健の実務に携わる立場としても、今後の運用状況や事業場での活用方法を注視していきたいところです。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省の労働政策審議会・労災保険部会は、昨年9月から9回にわたり議論を重ねた結果、労災保険制度の見直しに関する建議を厚生労働大臣に提出しました。
就業構造の変化や働き方の多様化を踏まえ、セーフティネットとしての労災保険をどう再構築するか――今回の建議は、その方向性を示す重要な内容になっています。
1.適用関係
■ 暫定任意適用事業の廃止
長年の課題だった暫定任意適用事業について、廃止し順次強制適用へと明記されました。 零細事業者の事務負担への配慮や、農林水産省との連携も示されています。
■ 特別加入制度の見直し
特別加入団体の役割の重要性を踏まえ、
・承認・消滅の要件を法令に明記
・具体的な承認要件の内容は、災害防止に関わる役割や実施すべき措置事項その他当該団体の業務の適切な運営に資する事項とする
・保険関係の消滅に当たっては、先だって改善を要求する等、段階的な手続を設けるとともに、消滅させる時期に配慮する
といった方向性が示されています。
また、現在特別加入の対象外となっている事業についても、対象拡大を随時検討するとされています。
■ 家事使用人への適用
家事使用人に労働基準法が適用されることになった場合、労災保険も強制適用とする方針です。
その際には、届出や保険料納付など運用面の課題に対応する必要があります。
2.給付関係
■ 遺族(補償)等年金の見直し
大きなポイントは、夫と妻の支給要件の差を解消するという点です。夫にのみ課されていた支給要件を撤廃し、男女の差をなくします。石綿救済法の特別遺族年金も同様の扱いとなります。
また、給付水準についても見直しが行われ、
・特別加算を廃止
・遺族1人の場合の給付基礎日額を「175日分」とする
という方向性が示されています。
■ 消滅時効の延長
労災保険給付のうち、現在「2年」の時効となっているものについて、 脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病などは、 時効を5年に延長する方針が示されました。
業務起因性の判断が難しく、迅速な請求が困難な疾病に配慮したものです。
■ 社会復帰促進等事業の見直し
特別支給金を含む社会復帰促進等事業について、処分性を認め、審査請求や取消訴訟の対象とする方向性が示されました。 これにより、透明性と公正性が高まることが期待されます。
■ 遅発性疾病の給付基礎日額
有害業務に従事した最後の事業場を離職した後に、別の事業場で有害業務以外の業務に就業中に発症した場合、疾病の発症時の賃金 (以下「発症時賃金」という。)が、疾病発生のおそれのある作業に従事した最後の事業場を離職した日以前3か月間の賃金(以下「ばく露時賃金」という。)を基礎として 現行の取扱いに則り算定した平均賃金より高くなる場合は、発症時賃金を用いるという見直しが提案されています。より実態に即した給付となる方向です。
3. 徴収関係
■ メリット制は存続
一定の災害防止効果があるとして、メリット制は存続。 ただし、効果検証を継続することが明記されています。
■事業主への情報提供
労働保険の年度更新手続きを電子申請を行う事業主に対し、同一災害に対する給付種別ごとの初回の支給決定等に限り、
・支給決定等の有無
・処分決定年月日
・処分者名
・処分名(=給付種別)
・被災労働者名
を提供する方向が示されました。
労使双方の意見が大きく割れている論点でもあります。
🔍まとめ
今回の建議は、労災保険制度を「現代の働き方に合わせてアップデートする」ための重要な一歩です。 特に、
・適用範囲の拡大
・遺族年金の男女差解消
・時効延長
・情報提供の在り方 など、実務に直結する内容が多く、今後の法案化の動きにも注目が必要です。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、、高年齢者の労働災害防止のための指針案について、パブリックコメントによる意見募集を行っております。
本指針は、労働安全衛生法第62条の2第2項に基づき、事業者による高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理等、高年齢者の労働災害の防止を図るために事業者が講ずるよう努めなければならない措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るため必要な事項を定めたものです。
(2)事業者が講ずべき措置について、ご紹介します。
ア 安全衛生管理体制の確立
① 経営トップによる方針表明と体制整備
・経営トップ自らが高年齢者の労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、安全衛生方針を表明し、対策の実施体制を明確化すること。
・高年齢者の労働災害防止について、安全衛生委員会等において調査審議し、同委員会等を設置していない場合は労働者の意見を聴く機会を活用するなど労使で話し合うこと。
② 高年齢者の労働災害防止のためのリスクアセスメントの実施
・高年齢者の身体機能の低下等による労働災害発生リスクについて、災害事例等からリスクを洗い出して当該リスクの高さを考慮して対策の優先順位を検討(リスクアセスメント)し、その結果も踏まえ以下のイ~オを参考に優先順位の高いも のから取組事項を決めること。その際、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に基づく手法で取り組むよう努めること。
◎コメント
高年齢者の災害防止は、現場任せにすると「本人の注意不足」とされがちです。
しかし、法的には事業者の安全配慮義務が問われる領域であり、経営層のコミットメントが欠かせません。
安全衛生委員会での議題化は、後の労災トラブルにおいても「組織としての取組」を示す重要な証拠になります。
イ 職場環境の改善
① 身体機能の低下を補う設備
・装置の導入 ・身体能力が低下した高年齢者でも安全に働き続けられるよう、リスク等を勘案し、優先順位を付けて、事業場の施設、設備、装置等の改善に取り組むこと。
② 高年齢者の特性を考慮した作業管理
・筋力、バランス能力、敏捷性、全身持久力、感覚機能、認知機能等の低下を考慮して、リスク等を勘案し、優先順位を付けて作業内容等の見直しに取り組むこと。
◎コメント
高年齢者の災害の多くは「転倒」「腰痛」「墜落」です。 これらは環境改善で大幅に減らせる典型的な災害です。特に中小企業では「改善コスト」を理由に後回しになりがちですが、労災発生時の損害(休業補償、代替要員、行政指導、企業イメージ低下)を考えると、 事前の環境整備の方が圧倒的に低コストです。
ウ 高年齢労働者の健康や体力の状況の把握
①健康状況の把握
・労働安全衛生法で定める雇入時及び定期の健康診断を確実に実施すること。
②体力の状況の把握
・事業者、高年齢者双方が、体力の状況を客観的に把握し、その体力にあった作業に従事し、自らの身体機能の維持向上に取り組めるよう、主に高年齢者を対象とした体力チェックを継続的に実施することが望ましいこと。また、身体機能の低下は高年齢者に限られるものではないことから、事業場の実情に応じて青年、壮年期から実施することが望ましいこと。
③健康や体力の状況に関する情報の取扱い
・「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取り扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」を踏まえた対応を行うこと。
◎コメント
高年齢者の災害は、体調不良や持病の悪化が引き金になるケースが多いです。健康診断結果を放置せず、医師の意見を踏まえた就業配慮につなげることが重要です。また、健康情報は「個人情報の中でも特にセンシティブ」なため、 取扱いルールの整備(アクセス権限・保管方法)が必須です。
エ 高年齢者の健康や体力の状況に応じた対応
①個々の高年齢者の健康や体力の状況を踏まえた対応
・健康や体力の状況を踏まえて必要に応じ就業上の措置を講じること。
②高年齢者の状況に応じた業務の提供
・高年齢者に適切な就労の場を提供するため、職場環境の改善を進めるとともに、 働き方のルールを構築するよう努めること。
・高年齢者の業務内容の決定の際は、健康や体力の状況に応じて、安全と健康の点で適合する業務とのマッチングに努めるとともに、継続した業務の提供に配慮すること。
・高年齢者の治療と仕事の両立については「治療と就業の両立支援指針」に基づく取組に努めること。
③心身両面にわたる健康保持増進措置
・集団及び個々の高年齢者を対象として、身体機能の維持向上のための取組を実施することが望ましいこと。
・「事業場における労働者の健康保持増進のための指針(THP 指針)」、「労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルス指針)」等に基づく取組に努めること。
◎コメント
最も相談が多い領域です。「本人の希望」と「安全確保」のバランスが難しく、無理な配置を続けると労災だけでなく安全配慮義務違反による損害賠償リスクも生じます。
また、治療と仕事の両立支援は、
・就業規則の整備
・主治医との情報連携
・配置転換の基準づくり など、制度面の整備が不可欠です。
オ 安全衛生教育
①高年齢者に対する教育
・法令に基づく教育等を確実に実施すること。また、作業内容とそのリスクについ ての理解を得やすくするため十分な時間をかけること。中でも、高年齢者が再雇 用や再就職等により経験のない業種や業務に従事する場合には、特に丁寧な教育訓練を行うこと。
②管理監督者等に対する教育
・管理監督者等に対し、高年齢者の特性や高年齢者の安全衛生対策について教育を行うことが望ましいこと。
◎コメント
高年齢者は経験が豊富な一方、 新しい設備や作業方法への適応に時間がかかる傾向があります。教育を省略すると、「本人の慣れ」頼みの危険な作業が増え、事故につながります。
また、管理監督者が高年齢者の特性を理解していないと、「注意すればできるはず」「本人の努力不足」と誤解し、不適切な指導や配置につながるため、管理職教育は必須です。
◎まとめ
事業者は、高年齢者の特性(筋力・バランス能力・認知機能の低下など)を踏まえ、 「体制づくり → 環境整備 → 健康把握 → 個別配慮 → 教育」 という5つの側面から総合的に災害防止策を講じることが求められています。
これらの取組は、高年齢者だけでなく、すべての労働者の安全性向上にもつながるものです。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、令和7年12月16日に開催された「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会(第11回)」の資料を公開しております。
資料1 労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会 報告書(案)について、一部抜粋してご紹介します(下線は筆者加筆)。
「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項 目等に関する検討会」では、安衛法に基づく一 般健康診断の検査項目等について検討を行い、まずは、第1回から8回の検討会において行われた議論等を踏まえ、令和6年11月に「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会 中間とりまとめ」を公表しました。
本報告書の本文は、その後の第9回から11回の検討会における検討結果を とりまとめたものであり、中間とりまとめと合わせて、「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会」の報告書とするも のです。
資料では、各検査項目について、(1)検討の前提、(2)検討の結果(①検討会の議論、②今後の方向性等)という構成で記載されていますが、(2)検討の結果(②今後の方向性等)についてのみご紹介します。検討の前提をお読みいただくと検討に至ったが背景が理解できますので、資料をお読みいただく際はそちらも合わせてご確認ください。
Ⅱ 労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討
1 眼底検査について
(2)検討の結果
② 今後の方向性等
・日本人における緑内障の業務起因性又は業務増悪性等のエビデンスが乏しいことを踏まえると、安衛法に基づく一般健康診断に眼底検査を追加することは困難である。
・ 一方、視野障害を早期に把握し、治療することによりその増悪防止を図るとともに、必要に応じて就業上の配慮を行うことで労働災害を防止することは重要である。このため、一般健康診断の機会を活用した眼底検査の推奨等を行った上で、眼科受診に繋げる方策を検討することとしてはどうか。こうした取組により、事業者側と眼科医が連携するという機運を醸成していくこととしてはどうか。
2 血清クレアチニン検査について
(2)検討の結果
② 今後の方向性等
・長時間労働と慢性腎臓病発症リスク等業務との関係や、血清クレアチニン検査で既存検査項目では把握できない腎機能低下者を把握できること等を踏まえ、安衛法に基づく一般健康診断のうち、雇入時の健康診断、定期健康診断、特定業務の従事者健康診断、海外派遣労働者の健康診断に血清クレアチ ニン検査を追加することが適当である。
・ただし、40 歳未満においては、尿蛋白検査異常を伴う腎機能低下が主体であること、定期健康診断等では血液検査が医師の省略規定の対象であることから、40 歳未満の労働者については、労働者の健康状態等を勘案しながら 医師が必要でないと認めるときは、省略することができることとする。
3 骨粗鬆症検査について
(2)検討の結果
② 今後の方向性等
・骨粗鬆症の業務起因性又は業務増悪性等のエビデンスが乏しいことを踏ま えると、安衛法に基づく一般健康診断に骨粗鬆症検査を追加することは困難である。
・骨粗鬆症検査については、これまでと同様に、職場の健康診断実施強化月間、 全国労働衛生週間の周知等の機会を捉えて、周知を行う。
4 胸部エックス線検査について
(2)検討の結果
② 今後の方向性等
・胸部エックス線検査については、引き続き、安衛法に基づく一般健康診断において実施することが適当である。
5 心電図検査について
(2)検討の結果
② 今後の方向性等
・心電図検査については、引き続き、安衛法に基づく一般健康診断において実施することが適当である。
・関係学会等においては、心電図検査結果の伝達方法や結果の活用方法につい て、産業医等に向けたマニュアルの作成が望まれる。
6 喀痰検査について
2)検討の結果
② 今後の方向性等
・胸部エックス線検査の結果に基づき結核感染が疑われる者については、速やかに医療機関への受診勧奨を行うこととし、安衛法に基づく一般健康診断 (定期健康診断、特定業務従事者の健康診断、海外派遣労働者の健康診断) としての喀痰検査は廃止することが適当である。
7 肝機能検査について
・特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準(平成19年厚生労働省 令第157号)では新名称の酵素名が使用されている。
・肝機能検査については、今回の制度見直しに合わせて、国際基準に一致させることとする。なお、健診機関等において旧名称を使用することは差し支えないものの、事業者や労働者に名称変更による混乱が生じないよう、必要に応じ、新名称と旧名称を併記する等配慮を行うよう健診機関等に周知する。
8 中間とりまとめに記載された内容について
・女性の健康課題に関する項目については、一般健康診断問診票に女性特有の健康課題(月経困難症、月経前症候群、更年期障害等)に係る質問を追加することが適当であり、厚生労働省において、女性特有の健康課題を抱える個々の労働者と事業者を繋ぐ観点から、望ましい対応を、健診機関向けマニュアル等に示すこととされたところ、現在、同マニュアルを作成中である。
・歯科に関する項目については、安衛法に基づく一般健康診断に追加することは困難であり、今後、好事例を展開する等普及啓発を強化することにより、歯科受診に繋げる方策を検討することとされたところ、一般健康診断問診票の歯科に係る質問への回答を踏まえて歯科医療機関への早期受診を確実に勧奨するよう、関係団体あて、「一般健康診断問診票を活用した歯科受診勧奨について(協力依頼)」(令和7年7月1日基安労発0701第1号)、 「 『職場 の健康診断実施強化月間』の実施に関する協力依頼について」(令和7年8 月26日基安発0826第4号)により、要請・周知を行っている。
詳細は、以下よりご確認願います。
政府は、令和7年10月28日、過労死等防止対策推進法に基づき、「令和6年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」(令和7年版 過労死等防止対策白書)を閣議決定し公表しております。

「過労死等防止対策白書」は、過労死等防止対策推進法に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書です。10回目となる今回の白書の主な内容は以下のとおりです。
◎「令和7年版 過労死等防止対策白書」の主な内容
1.「過労死等の防止のための対策に関する大綱(令和6年8月2日閣議決定)」に基づく調査分析として、近年の過労死等の労災請求件数や労災支給決定(認定)件数に関する傾向の分析結果、調査研究の重点対象とされている職種・業種※(以下「重点業種等」という。)の労災認定状況、外食産業に係る労働者アンケート調査の結果等について報告。
※自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療、建設業、メディア業界、芸術・芸能分野
2.長時間労働の削減やメンタルヘルス対策・ハラスメント防止対策、国民に向けた周知・啓発、民間団体の活動に対する支援など、令和6年度の取組を中心とした労働行政機関等の施策の状況について詳細に報告。
3.重点業種等に係る企業・医療機関・自治体等における長時間労働削減等の働き方改革事例など、過労死等防止対策のための取組事例をコラムとして紹介。
概要版より一部抜粋してご紹介します。
第1章 過労死等の概況
1 労働時間やメンタルヘルス対策等の状況
(労働時間の状況(週60時間以上の雇用者割合))
・週労働時間が40時間以上の雇用者のうち、60時間以上の雇用者の割合は減少傾向。令和6年は前年から0.4ポイント減少し、8.0%。
・業種別に見ると、大半の業種で横ばい又は減少。
※前年より0.5ポイント以上増加している業種は「不動産業,物品賃貸業」のみ。
(勤務間インターバル制度及び年休の状況)
・勤務間インターバル制度について、制度を知らない企業割合は14.7%、制度の導入企業割合は5.7%で、いずれも前年より低下。
・年次有給休暇の取得率は、9年連続で増加(令和5年:65.3%)し、過去最高。
国家公務員、地方公務員の年次(有給)休暇の平均取得日数も、それぞれ前年より増加。
(職場におけるメンタルヘルス対策の状況)
・メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.2%と、前年より0.6ポイント低下。
・労働者数50人未満の小規模事業場におけるストレスチェックの実施割合は、令和6年が33.5%。
・仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み又はストレスがあるとする労働者の割合は、68.3%となっている。
2 過労死等の状況
(労災等認定件数の推移)
・民間雇用労働者の業務災害の支給決定(認定)件数について、
▶脳・心臓疾患は、令和4年度以降増加傾向(令和6年度:241件)。死亡事案の件数は前年度より増加(同67件)。
▶精神障害は、令和元年度以降増加傾向(令和6年度:1,055件)。自殺(未遂を含む)事案の件数は前年度より増加(同88件)。
(脳・心臓疾患事案)
・脳・心臓疾患事案の労災保険給付の請求件数の推移を見ると、令和2年度から令和4年度において減少したが、令和5年度に大きく増加している。
・内訳を見ると、死亡以外の事案では、平成22年度に比べて約1.5倍となっている一方、死亡事案は長期的に見れば横ばい又は減少であるものの令和4年度以降増加に転じている。
(精神障害事案①)
・精神障害事案の労災保険給付の請求件数は年々増加し続けており、特に令和5年度に大きく増加している。
・内訳を見ると、「自殺以外」は年々増加し、平成22年度の約3.5倍となっている一方、「自殺(未遂を含む)」はおおむね横ばいないし微増である。
(精神障害事案②)※労災請求件数・自殺以外
・精神障害事案(自殺以外)の労災保険給付の請求件数を男女別で見ると、男女とも年々増加し続けており、近年、「女性」は 「男性」を上回る水準となっている。
・業種別では「医療、福祉」「製造業」「卸売業、小売業」の順で多くなっている。
(精神障害事案③)※決定件数(支給・不支給決定件数の合計)
・精神障害事案の決定件数を、要因となった出来事を類型別に見ると、「対人関係」が他に比べて非常に多く、特に令和5年度、6年度に大きく増加している。
・「対人関係」の詳細を見ると、「上司とのトラブル」が6割以上を占めており、令和6年度は前年度から354件増加している。
その他、詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、「第177回労働政策審議会安全衛生分科会」の資料を公開しております。
今回、「労働安全衛生規則及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱(個人事業者等災害報告制度関係)について諮問が行われましたので、掲載資料より抜粋してご紹介します。
◎改正の概要(その1)
(1)個人事業者等が労働者と同一の場所における就業に伴う事故等により、死亡し、又は休業(4日以上)した場合には、以下のとおり、所轄労働基準監督署が情報を把握できるよう、関係者に必要事項の報告を義務付け る【罰則なし】。
①災害発生場所における直近上位の注文者(特定注文者)(当該者が存在しない場合には、災害発生場所を管理する事業者(災害発生場所管理事業者)。以下「報告主体」という。)は、個人事業者の業務上の災害を把握した場合には、所轄労働基準監督署に個人事業者の当該災害について遅滞なく報告することとする。
②上記①の場合において、個人事業者が災害発生の事実を伝達・報告することが可能な場合には、個人事業者 は、報告主体に業務上災害について遅滞なく報告することとする。
当該報告を受けた報告主体は、その内容を踏まえ、必要事項を補足した上で所轄労働基準監督署に遅滞なく報告することとする。
③中小企業の事業主や役員の業務上災害については、上記①、②にかかわらず、所属企業は、所轄労働基準監督署に遅滞なく報告することとする。
(出典:厚生労働省「第177回労働政策審議会安全衛生分科会 資料3-2」)
◎改正の概要(その2)
(2)個人事業者等の脳・心臓疾患及び精神障害事案については、上記(1)によらず、個人事業者等(中小事業の事業主や役員の場合は所属企業)が直接、労働基準監督署に報告することができることとする。
(3)上記(1)及び(2)のうち労働基準監督署への報告は、電子情報処理組織を使用することを原則とし、報告事項については、労働者死傷病報告の報告事項を参考(下線部は個人事業者等で追加となる事項)とし、以 下に掲げる事項とする。
①報告者に関する情報
労働保険番号、事業場の名称、災害発生場所の事業場や工事名、元方事業者名称等
②被災者に関する情報
氏名、生年月日及び年齢、性別、職種、経験期間、傷病名、傷病部位、特別加入の状況、 休業見込期間又は死亡日時、外国人の場合における国籍等
③災害に関する情報
負傷又は疾病の発生日時、発生場所の所在地、発生状況及びその略図並びに原因
④その他
報告年月日、報告者の職氏名
※ 労働者死傷病報告の報告事項で、個人事業者等の場合に不要な報告事項(常時使用する労働者の数、派遣労働者の場合における派遣先の事業場の名称等の情報)は削除している。
(4)報告主体は、個人事業者が上記(1)②に基づき、法令上の義務となる業務上災害の報告を行ったことを理 由として、不利益取扱いを行ってはならないこととする。
◎公布日等
公 布 日:令和7年11月(予定)、施行期日:令和9年1月1日
◎経過措置
電子申請によることが困難な場合における紙媒体での報告を当面の間認める旨を規定
その他、詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、令和6年度の「過労死等の労災補償状況」を取りまとめ公表しております。
(出典:厚生労働省「別添資料2 業務災害に係る精神障害に関する事案の労災補償状況」)
1 業務災害に係る脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
(1)請求件数は1,030件で、前年度比7件の増加。
うち死亡件数は前年度比8件増の255件。
(2)支給決定件数は241件で前年度比25件の増加。
うち死亡件数は前年度比9件増の67件。
(3)業種別の傾向
・業種別(大分類)
請求件数は「運輸業、郵便業」213件、「卸売業、小売業」150件、「建設業」128件の順で多い。
支給決定件数は「運輸業、郵便業」88件、「宿泊業、飲食サービス業」28件、「製造業」24件の順に多い。
・業種別(中分類)
請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「運輸業、郵便業」のうち「道路貨物運送業」155件、76件が最多。
(4)職種別の傾向
・職種別(大分類)
請求件数は「輸送・機械運転従事者」177件、「専門的・技術的職業従事者」149件、「サービス職業従事者」136件の順で多い。
支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」75件、「サービス職業従事者」34件、「専門的・技術的職業従事者」32件の順に多い。
・職種別(中分類)
請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「輸送・機械運転従事者」のうち「自動車運転従事者」163件、72件が最多。
2 業務災害に係る精神障害に関する事案の労災補償状況
(1)請求件数は3,780件で前年度比205件の増加。
うち未遂を含む自殺の件数は前年度比10件減の202件。
(2)支給決定件数は1,055件で前年度比172件の増加。
うち未遂を含む自殺の件数は前年度比9件増の88件。
(3)業種別の傾向
・業種別(大分類)
請求件数は「医療、福祉」983件、「製造業」583件、「卸売業、小売業」545件の順で多い。
支給決定件数は「医療、福祉」270件、「製造業」161件、「卸売業、小売業」120件の順に多い。
・業種別(中分類)
請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「医療、福祉」のうち「社会保険・社会福祉・介護事業」589件、152件が最多。
(4)職種別の傾向
・職種別(大分類)
請求件数は「専門的・技術的職業従事者」1,030件、「事務従事者」796件、「サービス職業従事者」556件の順で多い。
支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」300件、「サービス職業従事者」182件、「事務従事者」160件の順に多い。
・職種別(中分類)
請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」577件、97件が最多。
(7)出来事別の傾向
支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」224件、「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」119件、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」108件の順に多い。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、令和6年の労働災害発生状況(確定)について公表しております。(令和7年5月30日)
(出典:厚生労働省「令和6年における労働災害発生状況」)
【令和6年労働災害発生状況の概要】
1 死亡者数
・死亡者数は746人(過去最少)
・(業種別)
建設業が232人(前年比9人・4.0%増)、製造業が142人(同4人・2.9%増)、陸上貨物運送事業が108人(同2人・1.8%減)、商業が55人(同17人・23.6%減)。
・(事故の型別)
「墜落・転落」が188人(前年比16人・7.8%減)、「交通事故(道路)」が123人(同25人・16.9%減)、「はさまれ・巻き込まれ」が110人(同2人・1.9%増)。
2 休業4日以上の死傷者数
・死傷者数は135,718人(4年連続で増加)
・(業種別)
製造業が26,676人(対前年比518人・1.9%減)、商業が22,039人(同366人・1.7%増)、保健衛生業が18,867人(同81人・0.4%増)、陸上貨物運送事業が16,292人(同77人・0.5%増)。
・(事故の型別)
「転倒」が36,378人(前年比320人・0.9%増)、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が22,218人(同165人・0.7%増)、「墜落・転落」が20,699人(同59人・0.3%減)。
詳細は、以下よりご確認ください。
労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和7年厚生労働省令第57号)が、令和7年4月15日に公布され、 同年6月1日から施行されます。
その改正の趣旨、 内容等について記載された「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について(令和7年5月20日付け基発0520第6号)」が公表されました。
以下、一部抜粋してご紹介します。
第1 改正の趣旨
熱中症による死亡災害の原因の多くは、初期症状の放置、対応の遅れによることから、熱中症の重症化を防止し、死亡災害に至らせないよう、熱中症による健康障害の疑いがある者の早期発見や重篤化を防ぐために事業者が講ずべき措置等について、新たな規定を設けるものである。
第2 改正省令の概要
1 事業者が熱中症による健康障害を防止するために講ずるべき体制整備と関係作業者への周知
事業者は、熱中症を生ずるおそれのある作業を行うときは、あらかじめ、当該作業に従事する者が熱中症の自覚症状を有する場合又は当該作業に従事する者が当該作業に従事する他の者に熱中症が生じた疑いがあることを発見した場合にその旨を報告させる体制を整備し、当該作業に従事する者に対し、当該体制を周知させなければならない こととしたこと。
2 事業者が熱中症による健康障害を防止するために講ずるべき措置の実施手順の作成と関係作業者への周知
事業者は、熱中症を生ずるおそれのある作業を行うときは、あらかじめ、作業場ごとに、当該作業からの離脱、身体冷却、必要に応じての医師の診察又は処置を受けさせることその他熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置の内容及びその実施に関する手順を定め、当該作業に従事する者に対し、当該措置の内容及びその手順を周知させなければならないとしたこと。
第3 細部事項
1 改正省令関係
(1)共通事項
オ 熱中症の症状の重篤化を防止するためには、熱中症が生じた疑いのある者について、早期の作業離脱や身体冷却、必要に応じ、医師の診察等を受けさせるための医療機関への搬送を迅速かつ的確に行うことが重要である。
このため、これらの措置が迅速かつ円滑に実施されるよう、
①熱中症の自覚症状を有する作業者や熱中症が生じた疑いのある作業者を発見した者がその旨を報告するための体制を事業場ごとにあらかじめ整備しておくこと、
②熱中症の自覚症状を有する作業者や熱中症が生じた疑いのある作業者への対応に関し、 事業場の緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先並びに必要な措置の内容及び手順を事業場ごとにあらかじめ作成しておくこと、
③ 当該体制や手順等について作業者へ周知することを事業者に義務付けるものであること。
カ 改正により新設される労働安全衛生規則(昭和47年労働省令 第32号。以下「安衛則」という。)第612条の2は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。第4の2(1)において「安衛法」 という。)第22条に基づくものであり、個々の事業者に対し、措置義務が課されるものであること。
(2)報告体制の整備(第612条の2第1項(新設)関係)
ア 「報告をさせる体制の整備」には、熱中症を生ずるおそれのある作業が行われる作業場の責任者等報告を受ける者の連絡先及び当該者への連絡方法を定め、かつ明示することにより、作業者が熱中症を生ずるおそれのある作業を行っている間、随時報告を受けることができる状態を保つことが含まれるものであ ること。
イ 「報告をさせる体制の整備」は「熱中症を生ずるおそれのある作業」が行われることが想定される作業日の作業開始前までに行っておく必要があるが、夏季の屋外作業のように、一定期間、暑熱環境下で作業を行うことが明らかな場合は、十分な余裕をもって体制を整え、当該作業に従事することが見込まれる 者に周知しておくよう努めること。
ウ 「周知」は、報告先等が作業者に確実に伝わることが必要である。その方法には、事業場の見やすい箇所への掲示、メールの送付、文書の配布のほか、朝礼における伝達等口頭によることがあり、原則いずれでも差し支えないが、伝達内容が複雑である場合など口頭だけでは確実に伝わることが担保されない場 合や、朝礼に参加しない者がいる場合なども想定されるため、必要に応じて、複数の手段を組み合わせて行うこと。
(3)手順等の作成(第612条の2第2項(新設)関係)
ア 手順等の作成の時期等については、(2)イと同様であるこ と。
イ 手順等の「周知」の方法については、(1)カ及び(2)ウと 同様であること。
2 関係条文の解釈
3 関係通達の改正について
(1)令和3年4月20日付け基発0420第3号「職場における熱中症予防基本対策要綱の策定について」を別紙1のとおり改正し、令和7年 6月1日から適用すること。
第4 施行期日
改正省令は、令和7年6月1日から施行することとしたこと。
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/001490909.pdf
厚生労働省は、令和7年5月16日に新着通知として「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について(令和7年5月14日基発0514第1号)」を公表しております。
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律が本年3月14日に第217回国会に 提出され、5月8日に可決成立し、5月14日に公布されました。これに伴い、本通知が出されました。
施行期日は、その内容に応じて、公布 日、令和8年1月1日、令和8年4月1日、令和8年10月1日、令和9年1月 1日、令和9年4月1日、改正法の公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日又は改正法の公布の日から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日とされています。
本通知は、以下の項目で構成されております。
第1 改正法の内容
Ⅰ 個人事業者等に対する安全衛生対策
1 個人事業者の定義及び注文者等が講ずべき措置
2 個人事業者等が講ずべき措置
3 申告及び災害状況の調査
Ⅱ 心理的な負担の程度を把握するための検査等に関する特例の終了
Ⅲ 化学物質による健康障害防止等の仕組みの整備
1 作業環境測定の対象拡大
2 作業環境測定士試験及び登録
3 危険性及び有害性情報の通知制度の履行確保
4 営業秘密である成分に係る代替化学名等の通知
Ⅳ 機械等による労働災害防止対策
1 特定自主検査及び技能講習の不正防止対策の強化
2 特定機械等の製造許可及び製造時等検査制度の見直し
3 型式検定対象機械等、技能講習対象業務等の見直し
Ⅴ 高年齢者の労働災害防止のための措置
Ⅵ 公示手段の適正化
Ⅶ 附則
1 施行期日
2 準備行為及び経過措置
3 検討規定
4 関係法律の整備
第2 公布日施行分(第3条第3項関係)の改正趣旨等
Ⅰ 改正趣旨及び内容
Ⅱ 細部事項
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T250516K0010.pdf
5月8日、「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案」が衆院本会議で可決、成立しました。
改正の概要は、以下の通りです。
1.個人事業者等に対する安全衛生対策の推進 【労働安全衛生法】
既存の労働災害防止対策に個人事業者等も取り込み、労働者のみならず個人事業者等による災害の防止を図るため、
① 注文者等が講ずべき措置(個人事業者等を含む作業従事者の混在作業による災害防止対策の強化など)を定め、併せてILO第155号条約(職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約)の履行に必要な整備を行う。
② 個人事業者等自身が講ずべき措置(安全衛生教育の受講等)や業務上災害の報告制度等を定める。
2.職場の メンタルヘルス対策の 推進 【労働安全衛生法】
ストレスチェックについて、現在当分の間努力義務となっている労働者数50人未満の事業場についても実施を義務とする。
その際、50人未満の事業場の負担等に配慮し、施行までの十分な準備期間を確保する。
3.化学物質による健康障害防止対策等の推進 【労働安全衛生法、作業環境測定法】
① 化学物質の譲渡等実施者による危険性・有害性情報の通知義務違反に罰則を設ける。
② 化学物質の成分名が営業秘密である場合に、一定の有害性の低い物質に限り、代替化学名等の通知を認める。
なお、代替を認める対象は成分名に限ることとし、人体に及ぼす作用や応急の措置等は対象としない。 ③ 個人ばく露測定について、作業環境測定の一つとして位置付け、作業環境測定士等による適切な実施の担保を図る。
4.機械等による労働災害の防止の促進等 【労働安全衛生法】
① ボイラー、クレーン等に係る製造許可の一部(設計審査)や製造時等検査について、民間の登録機関が実施できる範囲を拡大する。
② 登録機関や検査業者の適正な業務実施のため、不正への対処や欠格要件を強化し、検査基準への遵守義務を課す。
5.高齢者の労働災害防止の推進 【労働安全衛生法】
・高年齢労働者の労働災害防止に必要な措置の実施を事業者の努力義務とし、国が当該措置に関する指針を公表することとする。 等
施行日は、令和8年4月1日ですが、1①の一部は公布日、4②は令和8年1月1日、3③は令和8年10月1日、1②の一部は令和9年1月1日、 1①及び②の一部は令和9年4月1日、2は公布後3年以内に政令で定める日、3①は公布後5年以内に政令で定める日とされております。
上記の中でも、 ストレスチェックについて、労働者数50人未満の事業場についても実施することが義務化される点の影響が大きいと思われます。 今後、厚労省からも施行に向けた情報が出てくると思いますので、改めてご案内させていただきます。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、「職場における熱中症予防情報」のWEBサイトで、熱中症予防に関する様々な情報提供を行っております。
この中から、以下の資料をご紹介します。
・リーフレット「職場における熱中症対策の強化について」
令和7年6月1日改正労働安全衛生規則が施行されることに伴い、職場における熱中症による死亡災害の傾向と早急に求められる対策、熱中症対策の基本的な考え方と現場における対応が掲載されております。
さらに、熱中症のおそれのある者に対する処置の例(フロー図①②)も掲載されております。
・パンフレット「職場における熱中症対策の強化について」
前述したリーフレットをさらに詳しく解説した資料です。以下の事項が追加されております。
・夏季の気温と職場における熱中症の災害発生状況
・熱中症死亡災害の分析結果
・職場における熱中症予防基本対策要綱に基づく取り組み
・いつもと違うと思ったら、熱中症を疑え(これも初期症状)
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、令和7年3月12日に開催された「第175回労働政策審議会安全衛生分科会」の資料を公開しております。
今回は、労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱(職場における熱中症対策関係)について諮問が行われました。
〇改正の概要
以下1、2の事項を事業者に義務付けること。
1 熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、
①「熱中症の自覚症状がある作業者」
②「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」
がその旨を報告するための体制(連絡先や担当者)を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に対して 周知すること
2 熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、
①作業からの離脱
②身体の冷却
③必要に応じて医師の診察又は処置を受けさせること
④事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先及び所在地等
など、熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置に関する内容や実施手順を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に対して周知すること
※熱中症を生ずるおそれのある作業
WBGT(湿球黒球温度)28度又は気温31度以上の作業場において行われる作業で、継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれるもの
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、労働者に発症した腰痛が業務上のものとして労災認定できるかを判断するために、「業務上腰痛の認定基準」(以下「認定基準」)を定めています。
認定基準の概要を説明し、腰痛の労災認定の考え方についてわかりやすくまとめたリーフレットを作成し公開しております。
リーフレットでは、腰痛の労災認定基準について、「災害性の原因による腰痛」と「災害性の原因によらない腰痛」に分けてそれぞれ具体例を挙げて解説されています。
また、労災補償の対象となる治療の範囲、業務上腰痛の認定事例についても記載されています。
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/001400106.pdf
厚生労働省は、第379回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会の資料を公開しております。
資料1として、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案」及び「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案」(労働者派遣法の一部改正関係)についてが掲載されております。
資料より一部抜粋してご紹介します。(下線は筆者加筆)
〇労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び 職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案について
■労働者派遣法の一部改正関係(派遣先も派遣労働者を雇用する事業主とみなして適用する特例)
1.カスタマーハラスメントや就活等セクシュアルハラスメントに対する雇用管理上の措置義務
・現在、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント等に関して事業主に課されている雇用管理上の義務の規定については、派遣先もまた派遣労働者を雇用する事業主とみなして適用している。(派遣元も、派遣労働者を雇用する事業主としての義務を負っている。
・今回、新たに事業主に措置が求められるカスタマーハラスメントや就活等セクシュアルハラスメントに関する雇用管理上の措置義務に関しても、同様の扱いとする。
2.治療と仕事の両立支援のための努力義務
・現在、労働者に対する健康教育及び健康相談等に関して事業主に課されている努力義務の規定や、事業主に女性労働者が保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することを求める規定については、派遣先もまた派遣労働者を雇用する事業主とみなして適用している。(派遣元も、派遣労働者を雇用する事業主としての義務を負っている。)
・今回、新たに設けられる治療と仕事の両立支援のための必要な措置を講じる努力義務に関しても、同様の扱いとする。
〇労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案について
■労働者派遣法の一部改正関係(派遣先も派遣労働者を雇用する事業者とみな して適用する特例)
1.高年齢労働者に対する労働災害防止のための努力義務
・現在、事業者が「中高年齢者その他労働災害の防止上特に配慮を必要とする者」に対する「心身の条件に応じて適正な配置等を行うことの努力義務」の規定については、派遣先もまた派遣労働者を雇用する事業者とみなして適用している。(派遣元も、派遣労働者を雇用する事業者としての義務を負っている。) ・今回、新たに設けられる「高年齢者」に対する「特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理その他の必要な措置を講ずることの努力義務」に関しても、同様の扱いとする。
2.混在作業による労働災害防止のための措置義務
・現在、製造業等の元方事業者に対する「労働者、請負人の労働者が一の場所において作業を行う場合」に「作業間の連絡調整を行うこと等の義務」の規定については、派遣先を派遣労働者を雇用する事業者とみなして適用している。
・今回、新たに設けられる、製造業等以外の業種も含め、仕事を行う場所を管理する事業者に対する、労働者、請負人の労働者、個人事業者等が一の場所において作業を行う場合に作業間の連絡調整を行うこと等の義務に関しても、同様の扱いとする。
3.化学物質による健康障害防止対策等の推進のための措置義務
・現在、事業者が「有害な業務を行う屋内作業場等」において「作業環境測定を行い、結果を記録する義務」の規定については、派遣先を派遣労働者を雇用する事業者とみなして適用している。
・今回、新たに設けられる、事業者が「個人ばく露測定を行う義務等」に関しても、同様の扱いとする。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省の労働政策審議会は、諮問された「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案要綱」について、厚生労働大臣に対して「厚生労働省案は妥当と認める」との答申を行いました。
厚生労働省は、法律案を作成し、今通常国会に提出する予定です。
〇法律案要綱の概要(第一の二と五のみご紹介し、その他は、項目のみ記載します。下線は筆者加筆)
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案要綱
第一 労働安全衛生法の一部改正
一 個人事業者等に対する安全衛生対策
1 個人事業者の定義
2 個人事業者等による措置
3 注文者等による措置
4 労働基準監督署等への申告
5 災害状況の調査
二 小規模事業場に対する心理的な負担の程度を把握するための検査等の適用
五十人未満の労働者を使用する事業場に対する心理的な負担の程度を把握するための検査等の適用を当分の間努力義務とする特例を廃止とすること。
三 科学物質による健康障害防止対策
1 危険性及び有害情報の通知制度の履行確保
2 危険性及び有害性情報の通知制度における営業秘密の保持
3 作業環境測定の対象拡大
四 機械等による労働災害防止対策
1 特定機械等の製造許可及び製造時等検査制度の見直し
2 特定自主検査及び技能講習の不正防止対策の強化
3 型式検定対象機械等、技能講習対象業務等の見直し
五 高年齢者の労働災害防止対策
1 事業者は、高年齢者の労働災害の防止を図るため、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理その他の必要な措置を講ずるように努めなければならないものとする。
2 厚生労働大臣は、1の措置の適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を公表するものとすること。
3 厚生労働大臣は、2の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導、援助等をお粉ことができるものとすること。
第二 作業環境測定法の一改正
一 作業環境測定士等による個人ばく露測定の実施
二 その他所要の改正を行うこと
第三 施行期日等
一 施行期日
この法律は、令和八年四月一日から施行すること。ただし、次に掲げる事項は、それぞれ次に定める日から施行すること。
1 第一の一の3の(一) 公布の日
2 第一の四の2 令和八年一月一日
3 第一の三の3並びに第二の一及び二の一部 令和八年十月一日
詳細は、以下よりご確認ください。
令和6年11月から、特定受託業務に従事する方(特定フリーランス事業)の方について新たに特別加入制度の対象となりました。
厚生労働省は、本件に関するリーフレットを公開しております。
労災保険は、労働者が仕事または通勤によって被った災害に対して補償する制度です。労働者以外の方でも、一定の要件を満たす場合に任意加入でき、補償を受けることができます。これを「特別加入制度」といいます。
労災保険給付では、ケガ等の治療に必要な給付や、ケガ等で休業する際の休業期間の給付、治療後に障害が残った場合の給付、お亡くなりになった場合の遺族への給付等が支給されます。
対象業務である「特定フリーランス事業」とは、「フリーランス(特定受託事業者)が企業等(業務委託事業者)から業務委託を受けて行う事業(特定受託事業)」または「フリーランスが消費者(業務委託事業 者以外の者)から委託を受けて行う特定受託事業と同種の事業」(他に特別加入可能な事業または作業を除く)が対象となります。
(出典:厚生労働省リーフレット「フリーランスの皆様へ」)
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会の第7回資料を公開しております。
資料の中から、「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 中間とりまとめ案」について、一部抜粋してご紹介します。(下線は筆者加筆)
Ⅱ ストレスチェック制度等メンタルヘルス対策の強化に向けた検討
2 50人未満の事業場におけるストレスチェック
(2)今後の方向性
・ストレスチェックの実施については、平成26年の制度創設当時、労働者のプライバシー保護等の懸念により、50人未満の事業場において当分の間努力義務とされているが、現時点において、ストレスチェックを実施する場合の労働者のプライバシー保護については、外部機関の活用等により、対応可能な環境は一定程度整備されていると考えられることから、ストレス チェックの実施義務対象を50人未満の全ての事業場に拡大することが適当である。
・ただし、50人未満の事業場においては、産業医がおらず適切な情報管理等が困難な場合もあるので、原則として、ストレスチェックの実施は労働者のプライバシー保護の観点から外部委託することが推奨される。
・また、50人未満の事業場には、現在の50人以上の事業場における実施内容を一律に求めることは困難なことから、50人未満の事業場に即した現実的で実効性のある実施内容を求めていく必要がある。
・衛生委員会等の設置義務がない50人未満の事業場においては、労働者が安心してストレスチェックを受検できるように、関係労働者の意見を聴く機会を活用することが適当である。
・ストレスチェックの実施結果の監督署への報告義務は、一般健診と同様に、50人未満の事業場については、負担軽減の観点から課さないことが適当である。
・このほか、50人未満の事業場に即した、労働者のプライバシーが保護され、現実的で実効性のある実施体制・実施方法についてマニュアルを作成し、周知を徹底することを前提とする。
・地産保においては、50人未満の事業場に対して、登録産業医・保健師等による産業保健支援サービスを無料で提供しており、高ストレス者の面接指導について、登録産業医により対応している。ストレスチェックの義務対象を50人未満の事業場に拡大する場合、面接指導の対象者が大幅に増えることが予想される。円滑な施行に資するよう、登録産業医等の充実など、地産保で高ストレス者の面接指導に対応するための体制強化を図ることが不可欠である。
・また、面接指導以外の相談を選択する高ストレス者等への対応についても、地産保の体制強化や「こころの耳」の相談窓口の充実を図っていく必要がある。
・これらの支援体制の整備、支援を含めた制度の周知、その上での50人未満の事業場における実施体制の整備に要する期間を確保するため、十分な準備期間の設定を行うことが適当である。
3 集団分析・職場環境改善
(2)今後の方向性
・ストレスチェックの集団分析結果を活用した職場環境改善を義務化することの是非については、現時点では、何を、どの水準まで実施したことをもって、履行されたと判断することは難 しく、事業場規模に関わらず義務化することは時期尚早であり、義務化については引き続きの検討課題としつつ、まずは適切な取組の普及を図るべ きである。
・なお、集団分析だけ義務化することは可能かという点については、現時点では、集団分析だけ義務化するという判断はできない。
・また、集団分析については、労働者のプライバシー保護等の観点から、個人を特定できない方法での実施を努力義務とすることが適当である。
・また、ストレスチェック制度が、メンタルヘルス不調の未然防止だけではなく、労働者のストレス状況の改善及び働きやすい職場環境の実現を通じて生産性向上にもつながるものであることに留意し、事業経営の一環として、積極的に制度活用を進めるよう、事業者に働きかけていくべきである。
ストレス チェックの実施義務対象を50人未満の全ての事業場に拡大する方針が示されました。
詳細は、以下よりご確認ください。
労働者死傷病報告の報告事項が改正され、電子申請が義務化されます(令和7年1月1日施行)。
厚生労働省は、本件に関するリーフレットを作成し、公表しております。
〇主な改正内容
これまで自由記載であった①、②、③、⑤について該当するコードから選択できるようになり、 ④については留意事項別に記入できるように記入欄が5分割されました。
①事業の種類 日本標準産業分類から該当する細分類項目を選択してください。
②被災者の職種 日本標準職業分類から該当する小分類項目を選択してください。
③傷病名及び傷病部位 該当する傷病名及び傷病部位を選択してください。
④災害発生状況及び原因 5つの記入欄にそれぞれ記入してください。
⑤国籍・地域及び在留資格 該当する国籍・地域及び在留資格を選択してください。
※電子申請義務化に伴う略図の取扱いについて
従前の手書きでの作成とは異なり、イラスト等の 「略図」のデータを添付してください。「略図」 を手書き等で作成後、携帯電話等で写真を撮って そのデータを添付していただいても構いません。
リーフレットの裏面では、電子申請に便利な入力支援サービスのご案内が掲載されております。
詳細は、以下よりご確認ください。
労働安全衛生法に基づく省令改正により、2025年4月から作業を請け負わせる一人親方等や、同じ場所で作業を行う労働者以外の人に対しても、労働者と同等の保護が図られるよう、必要な措置を実施することが事業者に義務付けられます。
〇法令改正等の主な内容
1. 危険箇所等において事業者が行う退避や立入禁止等の措置の対象範囲を、作業場で何らかの作業に従事する全ての者に拡大
2. 危険箇所等で行う作業の一部を請け負わせる一人親方等に対する周知の義務化
厚生労働省は、本改正に関して解説したリーフレットを作成し公開しております。
詳細は、以下よりご確認ください。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001811421.pdf
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、「ストレスチェック制度について」に「ストレスチェック実施後の案内リーフレット」を追加しました。
「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」に記載されている具体例・様式例を参考に、ストレスチェック個人結果を返却する際等に併せて配布するなど事業者が活用できるリーフレットです。
以下2種類のリーフレットが掲載されております。
●セルフケアのポイント
・セルフケアとは
・セルフケアの基本
・セルフケアの目標
・うつ病のサイン~自分で気づく変化
●相談窓口のご案内
・高ストレスと判定された方へ
・ストレスチェックを受検したすべての方へ
PNG画像データをWordやPPTに貼り付けて、社内窓口等追記の上、活用できるようになっております。
詳細は、以下よりご確認ください。
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、「産業保健総合支援センター(さんぽセンター)」と「地域産業保健センター(地さんぽ)」の案内動画を公開しております。
この度、案内動画が新しいものに更新されました。
〇産業保健総合支援センター(さんぽセンター)
全国47都道府県の産業保健総合支援センター(さんぽセンター)では、経験豊富な専門スタッフが、産業医、衛生管理者、産業看護職、人事労務担当者等の産業保健関係者の皆様へ、メンタルヘルス対策をはじめとする産業保健に関する相談、研修、情報提供等の支援を原則として無料で行っています。
詳細は、以下よりご確認ください。
〇地域産業保健センター(地さんぽ)
おおむね監督署管轄区域に設置されている、地域産業保健センター(地さんぽ)では、労働者数50人未満の小規模事業者やそこで働く方を対象として、労働安全衛生法で定められた保健指導などの産業保健サービスを無料で提供しています。
詳細は、以下よりご確認ください。
