厚生労働省は、毎年6月を「外国人雇用啓発月間」と定め、外国人労働者の適正な雇用管理や労働条件の確保に向けた周知・啓発を集中的に行っています。今年(令和8年)の標語は、
「ともに働き、ともに支える社会へ ~外国人雇用はルールを守って適正に~」
外国人材の受入れが拡大する中、事業主が守るべきルールや、外国人労働者の権利保護の重要性が改めて強調されています。
〇外国人雇用啓発月間とは
政府は現在、「外国人の受入れ・共生のための総合的対応策」に基づき、外国人材の適正な受入れと共生社会の実現を進めています。
その一環として、6月の1か月間、事業主や関係団体に向けて集中的な啓発活動が行われます。
背景には、
・一部の不正就労・制度悪用への不安
・外国人労働者の労働条件確保
・事業主の法令遵守の徹底 といった課題があります。
〇実施期間
令和8年6月1日~6月30日 の1か月間です。
〇主な取組内容(ポイントを整理)
① ポスター・パンフレットの掲示・配布
ハローワーク等で啓発ポスターを掲示し、パンフレットを事業主団体等を通じて配布します。
② 事業主団体等を通じた周知・協力要請
都道府県労働局・労基署・ハローワークが、
・外国人雇用の基本ルール
・労働条件の確保
・外国人雇用状況届出の徹底 などについて協力を依頼します。
特に「外国人雇用状況届出」は全事業主の義務であり、未届・虚偽届には厳正に対処する姿勢が示されています。
③ 外国人雇用管理セミナーの開催
労働局・ハローワークが、
・外国人雇用管理指針
・労働条件の基本ルール などをテーマにセミナーを実施します。
④ 個々の事業主への指導・周知
労基署・ハローワークが、
・労働条件
・安全衛生教育(多言語教材の活用)
・在留カード読取アプリの徹底
などについて指導します。
⑤ 特定技能外国人への対応強化
特定技能の受入れ事業主に対し、
・雇用管理の指導
・違反事案への監督・送検
・出入国在留管理機関との連携
が行われます。
⑥ 技能実習生の受入れに関する事業主などへの周知・指導
技能実習制度に関する法令遵守の徹底、
・不法就労の防止
・妊娠・出産を理由とする不利益取扱い禁止
・労働搾取の疑いがある場合の合同調査
などが強調されています。
⑦ 留学生の就職支援窓口の周知
全国の「外国人雇用サービスセンター」や「留学生コーナー」での就職支援を案内。
多言語の相談窓口や通訳サービスも利用できます。
⑧ 労働条件等の相談窓口の案内
外国人労働者向けに、
・13言語対応の相談ダイヤル
・多言語の労働条件相談ほっとライン
が設置されています。
まとめ:外国人雇用は「適正なルール運用」が鍵
外国人労働者の増加に伴い、事業主が守るべきルールは年々重要性を増しています。
・労働条件の確保
・在留資格の適正確認
・外国人雇用状況届出の徹底
・多言語での安全衛生教育
・不利益取扱いの禁止
これらはすべて、企業のコンプライアンスだけでなく、外国人労働者の安心と職場定着にも直結します。
6月の啓発月間は、改めて自社の外国人雇用管理を見直す良い機会です。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省から、令和7年10月末時点の「外国人雇用状況」の届出状況が公表されました。外国人労働者数・外国人を雇用する事業所数ともに届出義務化以降で過去最多となっており、国内の労働市場における外国人材の存在感がさらに高まっています。
■ 外国人労働者数は約257万人、前年比11.7%増
外国人労働者数は 2,571,037人。前年から 268,450人増(+11.7%) となり、引き続き高い伸びを示しています。 増加率は前年(+12.4%)よりやや鈍化したものの、依然として大きな増加幅です。
国籍別では、
・ベトナム:605,906人(23.6%)
・中国:431,949人(16.8%)
・フィリピン:260,869人(10.1%)
という構成で、アジア圏が大半を占めています。
■ 外国人を雇用する事業所数も過去最多
外国人を雇用する事業所数は 371,215所(前年比 +29,128所、+8.5%)。 こちらも届出義務化以降で最多となりました。特に中小企業において、外国人材の活用が広がっていることがうかがえます。
■ 在留資格別の特徴
在留資格別では、次のような傾向が見られます。
・専門的・技術的分野:865,588人(+20.4%) → IT・エンジニア・高度専門職など、専門人材の受入れが引き続き拡大。
・身分に基づく在留資格:645,590人(+2.6%) → 永住者・日本人の配偶者等。安定した雇用層。
・技能実習:499,394人(+6.1%) → 制度見直しの議論が続く中でも増加傾向。
・資格外活動(留学生アルバイト等):449,324人(+12.8%)
・特定活動:111,074人(+29.6%) → 特定技能移行者などの増加が背景。
特に「専門的・技術的分野」の増加が顕著で、企業の人材確保の方向性がより高度人材へシフトしていることが読み取れます。
■ 実務上のポイント
外国人材が増加している傾向から労務管理の上で次の点が重要になります。
・在留資格の確認と適正な雇用管理の徹底 → 雇入れ・離職時の届出はもちろん、在留期限管理は必須。
・外国人労働者向けの労務管理体制の整備 → 言語対応、就業規則の説明、ハラスメント防止など。
・技能実習・特定技能制度の動向把握 → 制度改正が続くため、最新情報のキャッチアップが欠かせません。
・専門的・技術的分野の採用増への対応 → 採用プロセスや労働条件の整備が求められる場面が増加。
外国人材の活用は、単なる労働力確保にとどまらず、企業の成長戦略の一部として位置づけられる時代になっています。 今後も制度改正や受入れ環境整備が進むため、継続的な情報収集と実務対応が重要です。
詳細は、以下よりご確認願います。
厚生労働省は、全国の労働基準監督署等が、令和6年に外国人技能実習生(以下「技能実習生」)又は特定技能外国人を使用する事業場に対して行った監督指導(立入調査)や送検等の状況について取りまとめ公表しております。
●令和6年の監督指導・送検の概要
【技能実習生関係】
(出典:厚生労働省「技能実習生を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況」)
・労働基準関係法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した11,355事業場のうち8,310事業場(73.2%)。
・主な違反事項
(1)使用する機械等の安全基準(25.0%)、(2)割増賃金の支払(15.6%)、(3)健康診断結果についての医師等からの意見聴取(14.9%)の順に多かった。
・重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは16件。
【特定技能外国人関係】(初公表)
・労働基準関係法令違反が認められた事業場は、監督指導を実施した5,750事業場のうち4,395事業場(76.4%)。
・主な違反事項
(1)使用する機械等の安全基準(24.0%)、(2)割増賃金の支払(17.2%)、(3)健康診断結果についての医師等からの意見聴取(16.7%)の順に多かった。
・重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは7件。
詳細は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、「令和6年外国人雇用実態調査」の結果を取りまとめ公表しております。(令和7年8月29日公表)
この調査は、外国人労働者を雇用する事業所における外国人労働者の雇用形態、賃金等の雇用管理の状況及び当該事業所の外国人労働者の状況、入職経路、生活状況等についてその実態等を産業別、在留資格別等に明らかにすることを目的として、令和5年から実施されています。
【調査結果の主なポイント】(事業所調査分のみ抜粋)
◎事業所調査
・外国人労働者数(雇用保険被保険者数5人以上事業所)は約182万人(前年約160万人)。
【在留資格別】「専門的・技術的分野」が38.9%(同35.6%)、「身分に基づくもの」が27.6%(同
30.9%)、「技能実習」が20.2%(同22.8%)。
1 きまって支給する現金給与額、実労働時間
・「月間きまって支給する現金給与額」(一般労働者)は274.9千円(前年比2.7%増)〔所定内実労働
時間157.1時間、超過実労働時間17.5時間〕。
【在留資格別(一般労働者)】[ ]内は順に所定内実労働時間数、超過実労働時間
・専門的・技術的分野 289.1千円(前年比1.1%増)[158.5時間、17.0時間]
・うち特定技能 250.3千円(同 7.6%増)[160.2時間、21.3時間]
・技能実習 210.0千円(同 2.9%増)[163.8時間、21.6時間]
・身分に基づくもの 305.2千円(同 1.0%増)[150.8時間、15.5時間]
2 外国人労働者を雇用する理由
・外国人労働者を雇用する理由(複数回答)
「労働力不足の解消・緩和のため」が最も多く69.0%(前年64.8%)、「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」が54.7%(同56.8%)、「事業所の国際化、多様性の向上を図るため」が15.8%(同18.5%)、「日本人にはない知識、技術の活用を期待して」が13.2%(同16.5%)。
3 外国人労働者の雇用に関する課題
・外国人労働者の雇用に関する課題(複数回答)
「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が最も多く43.9%(前年44.8%)、「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」が24.7%(同25.4%)、「在留資格によっては在留期間の上限がある」が21.5%(同22.2%)、「文化、価値観、生活習慣等の違いによるトラブルがある」が20.9%(同19.6%)。
詳細は、以下よりご確認ください。
国土交通省は、中堅・中小建設企業の経営者・実務担当者のための外国人建設技術者の採用・定着に向けた「外国人技術者の採用・定着に向けたハンドブック」を公表しております。
本ハンドブックでは、外国人建設技術者を受け入れる際に企業が行うべき採用準備、受入環境整備、定着に向けた取組等について解説し、現在外国人建設技術者を受け入れている企業の様々な実例もご紹介しています。巻末には参考資料として、在留資格申請の手続きや、外国人が入国してからの生活支援などの情報、主要送出し国の基礎情報なども掲載しています。
【ハンドブックの概要】
第一章 外国人建設技術者の受入れに向けて
自社が外国人建設技術者の受入れに向けた取組を実施できているかのチェックリストを掲載
第二章 外国人建設技術者の採用・定着に向けたステップ
採用計画の策定や募集・選考、雇用手続き、活躍・定着に向けた取組について解説
第三章 外国人建設技術者の受入れ・活躍事例
先行する中堅・中小建設企業における効果的な取組の実例を掲載
第四章 参考情報
外国人の入国から就労開始後の必要情報へアクセスできるQRコードやURLを掲載
また、令和7年3月24日に開催したハンドブックの紹介セミナーの動画も公開しております。
これから外国人技術者の採用の検討を開始する企業から既に採用済みの企業まで幅広く参考となる内容です。
●セミナーの概要
講演題目
・基調講演-高度外国人材の受入れにおける現状課題と企業における対応
・「外国人建設技術者の採用・定着に向けたハンドブック」の紹介
・国土交通省による関連支援施策の紹介
詳細は、以下よりご確認ください。
外国人技能実習機構は、「外国人技能実習適正実施マニュアル」を改訂しました。
本マニュアルは、監理団体及び実習実施者の皆さまが、技能実習法令、労働関係法令、入管法令等を踏まえた適正な制度運用を図る際に、自主的な制度全般の点検等を円滑に行うことができるようにすることを目的として作成され、具体的な点検手順を示しています。
以下の内容で構成されております。
第1章 外国人技能実習制度
1. 外国人技能実習制度とは
2. 技能実習法令のポイント
3. 労働法令及び入管法令のポイント
第2章 監理団体、実習実施者の留意事項
1. 監理団体の留意事項
2. 実習実施者の留意事項
3. 監理団体及び実習実施者の留意事項
4. 主な指導内容、好事例
第3章 具体的な点検手順
1. 自主点検シート(監理団体編)
2. 自主点検シート(実習実施者編)
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.otit.go.jp/files/user/240516-100.pdf
出入国在留管理庁は、日本の生活ルール等を紹介する生活オリエンテーション動画を配信しています。
日本での生活を考えている外国人の方や日本に住んでいる外国人の方がより円滑に日本で生活できるよう、日本の生活ルール等を紹介する生活オリエンテーション動画です。動画では、生活上のルールや仕事、税金など、日本での生活に必要な基本的な情報やルールを17言語(順次掲載予定)で紹介しています。
日本語版と英語版では、以下の内容の動画が掲載されております。
(その他の言語は、順次掲載予定のものがほとんどです。)
1.はじめに
2.交通ルール
3.生活ルール(暮らし編)
4.生活ルール(公共施設編)
5.医療機関
6.緊急・災害
7.入管の手続と住所の手続
8.健康保険制度
9.年金制度
10.税金
11.雇用・労働
12.相談窓口の案内
13.初歩的な日本語学習
14.終わりに
15.概要編
詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.moj.go.jp/isa/support/coexistence/04_00078.html
