厚生労働省は、第9回雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会の資料を公開しております。
少し前に6月21日に開催された第9回のものになりますが、ハラスメントに関する今後の対応の方向性に関する論点案が掲載されておりますので、一部抜粋してご紹介します。(一部筆者が加筆しております。)
(5)今後の対応の方向性
① 総論
・4種類のハラスメントに関しては、事業主に雇用管理上の措置義務等を課し、国、事業主、労働者それぞれに対して、労働者の就業環境を害する言動に対する関心と理解を深めるための責務規定を設けているが、このような現行の法制に関してどう考えるか。
※4種類のハラスメントとは、「セクシュアルハラスメント」「妊娠・出 産等に関するハラスメント」「育児休業等に関するハラスメント」「パワ ーハラスメント」のことです。
・「ハラスメントかどうかの判断が難しい」とする企業割合は、低下しているものの約 6 割存在していることについてどう考えるか。また、 労働局への相談は高止まりしているところ。こうした状況を踏まえ、企業のハラスメント防止対策の取組に資するために必要な国の支援策についてどう考えるか。
・企業におけるハラスメント防止対策に取り組む意義は、労働者の心身の安全を確保し、経営上の損失を防ぐことのみならず、職場内コミュニ ケーションの円滑化に資する等のメリットも考えられるのではないか。 企業の一層の取組を促すために、それぞれのハラスメント対策を講ずることにどのような意義、メリットがあるかを企業に伝えることが効果的ではないか。
② カスタマーハラスメント
(対策強化の必要性)
・カスタマーハラスメント防止対策を強化する意義をどのように考えるか。労働者を守るという観点に加え、個別企業における働きやすい環境の整備が、労働者の確保・定着に資することや、業種、業界のイメージアップにつながることなど、広く取組を促進するための意義を整理するべきではないか。その際、対策を講じることが、消費者にとっても メリットがあるという整理ができないか。より幅広い取組を促すためにも、例えば、対策に取り組むことは、従業員を守ることだけでなく、本来有益なはずの消費者の声が様々な軋轢をもたらすことを防ぎ、問題の把握と解消に資するという視点を持つことも重要ではないか。
・(中略)勤務日にほぼ毎日顧客と接している者のうち17.4%はカスタマーハラスメントを経験している状況にあることや、従業員規模1000人以上の企業においても特段の対応に取り組んでいない企業が37.2%となっていること、対策に積極的に取り組んでいる企業ではカスタマーハラスメントの被害が少ない状況にあることに鑑み、どのような方策を講じることが効果的か。
(労働者保護の観点からの対策の必要性)
・対策の強化の方向性として、カスタマーハラスメント対策を法制化する場合、どのような対応が考えられるか。
(中略)行為者が顧客や取引先等の第三者であるカスタマーハラスメントの場合、必要となる対応をどのように考えるか。すでに事業主に課されているパワーハラスメント等に係る措置義務の内容とどのように異なってくるのか。
・現在、カスタマーハラスメント対策においては取引先も対象としているが、顧客と取引先では、第三者からのハラスメントという点で共通するものの、対応策等については異なる部分もあると考えられ、その点についてどのように考えるか。
・労働者保護の観点から法制化する場合であっても、消費者法制により定められている消費者の権利との関係に留意が必要ではないか。また、各業法等によりサービス提供の義務等が定められている場合や、業種・ 業態などによりサービス提供等における対応方法、基準等が異なる状況をどのように考えるか。
(カスタマーハラスメントの定義)
・対策強化に当たって、社会全体で共有できるカスタマーハラスメントの定義が必要ではないか。そのためにも、事例を収集し、分析することが必要ではないか。
・定義を考えるに当たっては、以下の論点を整理することが必要ではないか。
①「顧客等からのクレーム・言動」とあるが、クレーム・言動の行為主体をどのように考えるか。
顧客というときに一般個人をイメージしがちだが、職場のハラスメントに関する実態調査では、約5分の1は取引先等の他社の従業員・役員からの迷惑行為であるということも踏まえ、どのように考えるか。
②「当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なもの」とあるが、どのように考えるか。
③ 「労働者の就業環境が害されるもの」とあるが、どのように考えるか。
(総合的な対策の必要性)
・顧客等が商品やサービスの問題や欠陥を指摘したことに対して、従業員の不適切な対応など企業側の不手際がきっかけとなり、結果として、 カスタマーハラスメントに至るケースもみられる。
このような場合、カスタマーハラスメントを未然に防止するために 企業側が対応できることとして、どのようなことが考えられるか。
・カスタマーハラスメントの態様は業界により異なることや、独自で対応できない中小企業もあることから、業界が一体となって取り組むことが効果的である。こうしたことから、業界団体などを通じた取組を強化することが考えられるが、その取組の在り方をどのように考えるか。
③ 就活等セクハラ
(対策強化の必要性)
・就活等セクハラの行為者は企業内の労働者であることから、企業は行為者に対して就業規則等に基づき懲戒処分等の対応は可能であるが、被害者への配慮の措置に関しては、インターンシップを行っている者や就職活動中の学生等は職場外の第三者であり、雇用労働者に対するものとは異なるものとなるのではないか。
このように、就活等セクハラを法制化しても、事業主の措置義務の内容は、自社の従業員に対するものとは異なるのではないか。
・就活生へのハラスメントについて、例えばパワーハラスメント等についてどのように考えるか。
④ILO第190号条約
・ILO第190号条約では、仕事の世界における暴力及びハラスメントを定義し、禁止する法令を制定することを加盟国に求めているが、この点について、我が国においては、事業主に対してパワーハラスメント 等の防止措置を義務付けているものの、ハラスメント自体は禁止していないことをどのように考えるか。
⑤その他ハラスメント
・自爆営業についてどのように考えるか。自爆営業とは「使用者が、労働者に対し、当該労働者の自由な意思に反して当該使用者の商品・サービスを購入させること」とされているが、こうした自爆営業とパワーハラスメントの関係をどのように考えるか。
詳細は、以下よりご確認ください。
カスハラについては、早急に法制化が必要だと考えます。報道等でカスハラという言葉が広まると、顧客等がクレームをつけると何でもカスハラだと言われるのではないかと萎縮してしまい、不良品や不適切なサービスの提供などについての正当なクレームを行う方が減る恐れがあること、理解不足によりクレームは何でもカスハラだと誤った認識を持つ従業員等が出てトラブルが増加する可能性があることなどが考えられ、その結果として顧客側の不利益はもちろんのこと、企業側にとっても品質やサービスの低下につながる恐れがあるからです。
法制化したからと言って上記のようなことが無くなるわけではありませんが、少なくとも、法律を根拠に正当な権利主張ができるようになるため、企業側にとっても、顧客側にとっても双方のメリットになると思います。
厚生労働省は、令和5年度厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査」に関する報告書を公表しております。
今回の調査は、全国の企業と労働者等を対象に、令和5年12月~令和6年1月に実施されたものです。
企業調査結果のまとめから一部抜粋してご紹介します。
【企業におけるハラスメントの発生状況】
・過去3 年間各ハラスメント(パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護 休業等ハラスメント、顧客等からの著しい迷惑行為、就活等セクハラ)の相談件数について は、セクハラ以外では「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」が最も高かった(「件数の増減は分からない」を除く)。顧客等からの著しい迷惑行為のみ「件数が増加している」の割合の方が「件数は減少している」より高かった。
・相談件数の多かった業種としては、パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメントでは、「金融業、保険業」、「教育、学習支援業」、「宿泊業、飲食 サービス業」、「医療、福祉」や「生活関連サービス業、娯楽業」が多い傾向にあった。顧客等からの著しい迷惑行為では、「医療、福祉」、「宿泊業、飲食サービス業」、「不動産業、物 品賃貸業」(それぞれ53.9%、46.4%、43.4%)が、就活等セクハラについては、「電気・ガス・熱 供給・水道業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「教育、学習支援業」の順に相談があった企業の割合が多かった(それぞれ2.9%、2.1%、1.4%)
【企業におけるハラスメントに対する取組状況】
・パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業・介護休業等ハラスメント、顧客等からの著しい 迷惑行為、就活等セクハラに対して予防・解決のために実施している取組として、「相談窓口の設置と周知」の割合が最も高く、約7割以上の企業が実施している。次いで「ハラスメ ントの内容、職場におけるハラスメントをなくす旨の方針の明確化と周知・啓発」の割合が高く、約6割以上の企業が実施している。
【今後必要なハラスメントに対する取組】
・今後必要なハラスメント予防・解決のための取組としては、「企業の自主的な取組の促進・支援」(54.7%)が最も高く、次いで「ハラスメント(ハラスメントの行為者)に対する規制」(36.5%) が高かった。
詳細は、以下よりご確認ください。
ハラスメント対策の総合情報サイト「あかるい職場応援団」では、日本で働くあなたへ。のページに、職場のハラスメント及び妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱いに関するリーフレット2種類の14カ国語版を掲載しました。
以下の3種類の情報が掲載されております。
①【簡易版】
職場におけるハラスメントは許されない行為です。被害を受けてしまったら相談しましょう。
②【詳細版】
ハラスメント対策ページです。
外国人労働者に向けた、職場のハラスメントについて簡単な説明を掲載します。
1. 職場におけるパワーハラスメントとは
2. 職場におけるセクシュアルハラスメントとは
3. 職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントとは
4. 対応例
③妊娠・出産・育児休業の取得などを理由として解雇などの不利益な取扱いをすることは法律で禁止されています。
詳細は、以下よりご確認ください。
公益財団法人21世紀職業財団は、ハラスメントのない職場づくり支援事業を行っておりますが、ホームページに、ハラスメント社外相談窓口スーパーバイザーによるコラム「ハラスメント対応A to Z」を掲載しております。
今までに18回分掲載されており、2024年には、以下の2つのコラムが新たに掲載されております。
・第17回:指導に「聞く耳」をもたせるにはどうするか①
・第18回:指導に「聞く耳」をもたせるにはどうするか②
ハラスメントにならない指導のポイントとして、「指導のための“かきくけこ”」として、以下の内容が記載されており、第17回と18回では、この中の「傾聴」について記載されております。
か 「環境」を整える
き 「記録」に基づく
く 「具体的」に話す
け 「傾聴」する
こ 「これから」を明確にする
その他、第14回~第16回では、以下の内容が記載されております。
・第14回:指導の環境をどう整えるか・・・「か」
・第15回:指導の根拠をどう残すか・・・「き」
・第16回:指導で何を伝えるか・・・「く」
各回とも簡潔に要点がまとめれており、実務でも役立つ内容です。お時間ある時に読んでみてはいかがでしょうか。
詳細は、以下よりご確認ください。
ハラスメント対策の総合情報サイト「あかるい職場応援団」では、ハラスメント対策研修動画のページの、「職場のハラスメント対策」「カスタマーハラスメント対策」「就活ハラスメント対策」の研修動画を更新し公開しました。
動画は以下の内容で構成されております。
●職場のハラスメント対策
Ⅰ.職場におけるハラスメント対策(事業主向け)(46:27)
・企業にとってハラスメント対策に取り組む意義
・ハラスメント対策の法制化
・ハラスメント防止に関する事業主の措置義務
Ⅱ.職場におけるハラスメント対策(相談窓口担当者向け)(37:16)
・人事労務担当者・相談窓口担当者の役割
・人事労務担当者・相談窓口担当者の具体的な対応
●カスタマーハラスメント対策(34:22)
・カスタマーハラスメントの定義および該当行為
・企業が具体的に取組むべき対策
・企業のカスタマーハラスメント対策の取組について
●就活ハラスメント対策(34:37)
・就活ハラスメントとは
・就活ハラスメント対策の必要性
・企業の対策取組のポイント
以下は、令和4年度のものになりますが、社労士向けのものも掲載されております。
Ⅲ-1.職場におけるハラスメント対策・基礎知識編(社労士向け)(59:21)
・第1 ハラスメント関係法令の変遷等
・第2 ハラスメント防止等に向けて関係法令上留意すべき点
・第3 専門家にとってのハラスメント防止に関する事業主の措置義務における注意点
Ⅲ-2.職場におけるハラスメント対策・事例・判例紹介編(社労士向け)(1:11:50)
・第1. 事例にみる適切なハラスメント事実確認方法
・第2.事例にみるハラスメント該当性
・第3.事例にみるハラスメント行為者への処分のあり方
Ⅲ-3.職場におけるハラスメント対策・取組の意義・周辺知識編(社労士向け)(28:26)
1.企業にとってハラスメント対策に取り組む意義
2.初期対応の重要性
3.⼼理的問題およびメンタルヘルス対策の基礎について
4. ハラスメント関連の法令・国の取組の動向
ご興味のある方は視聴されてみてはいかがでしょうか。
詳細は、以下よりご確認ください。
ハラスメント対策の総合情報サイト「あかるい職場応援団」では、カスタマーハラスメント防止対策企業事例を公開しております。
今回、7事例が紹介されており、業種は以下の通りとなっております。
・運送業
・IT・サービス業
・医療・福祉
・小売業(2社)
・運送事業
・飲食・サービス業
規模の大きな企業の事例ですが、自社のカスハラ対策を検討する際の参考となると思います。
詳細は、以下よりご確認ください。
ハラスメント対策の総合サイト「あかるい職場応援団」では、ハラスメント関係資料ダウンロードページに以下の各リーフレットを掲載しました。
・職場のハラスメント対策リーフレット
・カスタマーハラスメント対策リーフレット
・就活ハラスメント対策リーフレット
本リーフレットは、職場におけるハラスメント防止の必要性及び関係法令の内容への理解を深めるとともに、雇用管理上の措置義務及び望ましい取組の周知を図ることを目的として作成されたものです。
・職場のハラスメント対策リーフレット(6頁)
パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントについて簡潔に説明されています。また、ハラスメントを受けているのでは?と思った場合の対応と企業のハラスメント防止対策について記載されております。
・カスタマーハラスメント対策リーフレット(6頁)
「カスタマーハラスメントとは」、「カスタマーハラスメントの判断基準」、「カスタマーハラスメント対策の基本的な枠組み」、「カスタマーハラスメントに発展させないために」、「カスタマーハラスメント対策に取り組みことによるメリット」が記載されております。
・就活ハラスメント対策リーフレット(6頁)
就活ハラスメントについて、企業の就活ハラスメント防止対策、就活ハラスメント対策事例等が記載されております。
詳細は、以下よりご確認ください。
ハラスメント対策総合情報サイト「あかるい職場応援団」では、ハラスメント関係資料ダウンロードページに「就活ハラスメント防止対策 企業事例集」のパンフレットを掲載しました。
「就活ハラスメント防止対策 企業事例集」では、就活ハラスメント防止に向け、採⽤担当者、リクルーター(OB・OG等)等を対象とした研修や就活ハラスメントに関する相談窓口の設置等に取り組む企業の先進事例がとりまとめられております。
以下の内容で構成されております。
・就活ハラスメント対策 企業取り組み状況 現状分析
・就活ハラスメント対策 好事例企業10社 紹介
・参考情報:① 4人に1人が経験する就活ハラスメントとは
・参考情報:② 問い合わせ先
詳細は、以下よりご確認ください。
ハラスメント対策の総合情報サイト「あかるい職場応援団」では、学生の皆様と企業の皆様へ向けた就活ハラスメントに関する情報のページを公開しました。
本ページでは、就活ハラスメントについての学生の皆様、企業の皆様向けの情報を提供しています。
〇学生の皆様へ
就活ハラスメントで困っていませんか?
就活ハラスメントとは、応募する企業やその採用担当者が優越的な立場を利用して就職活動中やインターンシップ中の学生に行うセクハラやパワハラなどのこと。「就活ハラスメントかも・・・」と感じたら、どうすればいいのか? 対策のヒントが紹介されております。
〇企業の皆様へ
今すぐ始めるべき就活ハラスメント対策
就活ハラスメントとは、採用する企業やその採用担当者等が優越的な立場を利用して就職活動中の学生に行うハラスメントのことをいいます。決して許されない行為であることはもちろん、明るみに出れば会社も大きなダメージを受ける行為です。学生の安全と会社の将来を守るためにも、自社の採用活動に就活ハラスメントの防止対策を取り入れましょう!
詳細は、以下よりご確認ください。
妊娠、出産を理由とした解雇等の不利益取扱いは、日本人労働者と同様に、全ての外国人労働者について禁止されています。
また、事業主に義務づけられている職場におけるハラスメント防止の取組は、全ての外国人労働者について、日本人労働者と同様に対象としなければなりません。
厚生労働省では、妊娠、出産等による不利益取扱いの禁止と職場におけるハラスメントの防止について、法の内容を外国人労働者に分かりやすく周知するためのリーフレット2種類を、14の言語で新たに作成し公表しております。
また、妊産婦が主治医等の指導事項を事業主に伝えるための「母性健康管理指導事項連絡カード」について、どのような指導事項が事業主に伝えられるのか外国人労働者にも分かりやすくするため、英語、中国語、ポルトガル語と日本語の併記版を新たに作成しました。
詳細は、以下よりご確認ください。
公益財団法人21世紀職業財団は、ホームページにて、ハラスメント防止関連の様々な情報提供を行っております。
この中で、スーパーバイザーコラム「ハラスメント対応A to Z」を紹介させていただきます。
本コラムは、21世紀職業財団の社外相談窓口スーパーバイザーの方が執筆されたものです。
本日(2/26時点)で、12回分が掲載されております。
内容については、紹介できませんが、タイトルのみ記載させていだきます。
第1回 指導のための「かきくけこ」
第2回 「傾聴」をビジネスに生かす
第3回 あなたにも役立つ「アンガーマネジメント」
第4回 自分の「アンガースイッチ」を知る
第5回 なぜ「アンガーマネジメント」が役に立つのか
第6回 感情の波に気づくコツ
第7回 「廊下で立ってなさい!」の効能
第8回 win-winコミュニケーションとは
第9回 傾向を掴んでコミュニケーションマスターを目指そう
第10回 日本語でもしっくりくる「わたしメッセージ」
第11回 謙遜とアサーションは共存する
第12回 言葉にする重要性
どの回もコンパクトにまとまっていて、大変興味深い内容でした。
ご自身の職場でのコミュニケーションを円滑にするためのヒントとなるものがあるかもしれません。お時間のある時にご一読をお勧め致します。
以下よりご確認ください。
ハラスメント対策の総合情報サイト「あかるい職場応援団」では、職場におけるハラスメント対策支援事業の案内ページに、ハラスメント対策研修動画オンデマンド配信で配信したアーカイブ動画を公開しました。
令和4年4月から、労働施策総合推進法に基づくパワーハラスメント防止措置が中小企業にも義務化されました。
企業がハラスメントの予防・解決のための取り組みを実効的に進めていけるよう、企業の人事労務担当者や社会保険労務士向けに、ハラスメントに関する相談対応等の実務について解説する動画をオンデマンド配信しています。
以下の動画が公開されております。
〇人事労務担当者向け
・基礎知識編
・ヒアリング編
・対応検討編
〇社労士向け
・基礎知識編
・事例・判例紹介編
・取組の意義・周辺知識編
詳細は、以下よりご確認ください。
昨日(11/13)、公益財団法人21世紀職業財団が主催している「ハラスメント防止コンサルタント試験」を受験してきました。
この試験は、過去問が全く公表されておらず、WEBでも試験問題については、ほとんど情報がないため、どのような問題が出題されるのか全くわからず、資格試験の中では特殊な部類に入ります。(問題用紙と回答用紙が同じ冊子になっており、試験後に回収されてしまい持ち帰りはできません。マークシートではなく択一式も含め全て記述する形式です。)
来年受験される方のためにどのような形式で問題が出題されるか、私自身、全く情報がなく限られた時間で効率的に勉強するのに苦労したため、自分自身の備忘録も兼ねて記載させていただきます。(養成講座は費用はかかりますが、択一式の試験対策としてはかなり役立つ内容なので、金銭的に余裕のある方は受講されることをお勧めします。)
(択一式)
正確な数は覚えておりませんが、60問の内、約8割(47~48問)くらいは、4つの選択肢の中で正しい選択肢の数か誤っている選択肢の数を答えさせる問題です。
これが何を意味するかはお分かりになりますね?正確に記憶していないと、正解できないということです。4つの選択肢の内1つの選択肢でも記憶があいまいな事項が記載された選択肢があるとその時点で他の3つの選択肢が完全にわかっていても、1つの選択肢のために、もうあとは運任せになってしまいます。この形式の設問が多いことがこの試験の合格率の低さを物語っていると思います。(合格率は、約20%です。)
出題される内容は、単純な知識を問うものから、判例の内容を問うもの(判例の問題は結構多く出題されていたと思います。)統計の問題など、まんべんなく色々な分野から出題されていたと思います。
90分間で60問回答しなければならないため、考えている時間はほぼありません。記憶があいまいなものについて、思い出しながら考えていると時間が足りなくなるので、ある程度割り切って、どんどん回答していく必要があります。
(記述式)
大きな設問が2つで回答時間は60分です。
今回は、1つ目が、事例形式の問題です。
セクハラ事件の設例が1ページ目にびっしり記載されており、2ページ目に、外部相談員が相談者と面談した際の会話の内容等が記載されております。
設問ですが、面談の内容の内、不適切な対応を文中から5つ抜き出し、それぞれについて、どのような点が問題で、どのような対応をすればよかったかを答えさせる問題でした。
2つ目の問題が、パワハラ防止ガイドラインに関する記述問題です。
この中に2つの設問があり、1つ目が「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動というパワハラの定義について、この判断要素と留意点について200字以内で回答させる問題です。2つ目が、「就業環境が害される」というパワハラの定義について、判断要素を100字以内で回答させる問題でした。
記述式は、試験時間が記述するボリュームに対して短いため、考えて記述する時間はありませんでした。もう、記憶している内容をそのまま記載する時間しかありません。
また、過去問が公開されていないため、初めて受験される方には正直、酷な内容で、記述式がどれくらいできるかに1発合格できるかどうかはかかっていると思います。
試験を受けた感想ですが、「難しい」の一言につきます。
択一式はある程度手ごたえはありますが、記述式は全て回答はしましたが、正直、自信がありません。記述式については、1問は設例形式の問題を予想しておりましたが、もう1問は試験時間から、単純なハラスメントの定義などを書かせる問題だと勝手に思っていたため、ガイドラインの細かい内容を聞かれることまで想定していなかったため、準備不足でした。
合格率は、20%くらいですが、あくまで個人的な推測ですが、受験回数が1回目の合格率はかなり低いのではないかと。1回目の受験で出題傾向を把握し、1年かけて勉強して2回目で合格という方が多いのではないかと思いました。
試験を受けれらえた方はお疲れ様でした。
来年受ける予定の方は、早めに勉強を始められることをお勧めします。
本日は、ハラスメント対策関連の書籍を紹介させていただきます。
公益財団法人21世紀職業財団が編集・発行している以下の5つの書籍です。
・改訂版 誰もがイキイキと働ける職場づくりのために
・改訂版 職場のハラスメント 相談の手引き 相談対応の基礎から応用まで
・改訂版 キャンパスにおけるハラスメント防止ハンドブック
・わかりやすいパワーハラスメント 新・裁判例集
・わかりやすいセクシュアルハラスメント 妊娠・出産、育児休業等に関するハラスメント 新・裁判例集
上記5つの書籍ですが、ハラスメント防止コンサルタント養成講座のテキストとされているものです。
裁判例以外の3冊の書籍は、一般の方でも読んで理解ができるように簡潔にまとめられており、ハラスメントの背景から対処法、相談対応の心構え、事実確認の方法などをわかりやすく解説されております。
裁判例について解説された2冊の書籍は、裁判の中から重要と考えられる事例を「事案の概要」、「結果」、「判旨」に整理し、わかりやすく解説されております。
特に、判旨の部分の重要なポイントについて下線が引かれておりますので、この点を重点的に読んでいくと、裁判でどのような点が重要視されているのかを理解することができ、企業でのハラスメント対策に役立つと思います。
ご興味のある方は、以下よりご確認ください。
厚生労働省は、関係省庁と連携の上、顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)の防止対策の一環として、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」や、マニュアルの概要版であるリーフレット、周知・啓発ポスターを作成し公表しております。
(出典:厚生労働省ホームページ)
マニュアルやリーフレットには、学識経験者等の議論や顧客と接することが多い企業へのヒアリングを踏まえ、カスタマーハラスメントを想定した事前の準備、実際に起こった際の対応など、カスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みが記載されております。
一例として、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルは以下の内容で構成されております。
1.カスタマーハラスメントの発生状況
2.カスタマーハラスメントとは
3.カスタマーハラスメント対策の必要性
4.企業が具体的に取り組むべきカスタマーハラスメント対策
5.企業の取組のきっかけ、メリット、運用について
詳細は、以下よりご確認ください。