ハラスメント防止対策等の在り方について厚生労働大臣に建議ーパワハラ防止義務法制化へ(12/17更新)

 厚生労働省の労働政策審議会(会長:樋口 美雄 独立行政法人 労働政策研究・研修機構理事長)は、12/14、厚生労働大臣に対し、女性の職業生活における活躍の推進及び職場のハラスメント防止対策等の在り方について建議を行いました。厚生労働省では、この建議の内容を踏まえて法案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定です。

 

以下、報告書の一部抜粋です。

 

2.今後の対策
 
Ⅱ.職場のハラスメント防止対策等について

(2)職場のパワーハラスメント防止対策の強化

2)職場のパワーハラスメントの防止対策について

 ①パワーハラスメントを受けることを防止するための雇用管理上の措置を講じることを法律で義務付けることが適当である。 

 ➁職場のパワーハラスメントの定義や事業主が講ず べき措置の具体的内容等を示す指針を策定することが適当である。

 ➂取引先等の労働者等からのパワーハラスメントや顧客等からの著しい 迷惑行為については、指針等で相談対応等の望ましい取組を明確にする ことが適当である。

 ④職場のパワーハラスメントに関する紛争解決のための調停 制度等や、助言や指導等の履行確保のための措置について、併せて法律で規定することが適当である。

 

3)指針において示すべき事項について

ⅱ)事業主が講ずべき措置等の具体的内容について

・ 事業主における、職場のパワーハラスメントがあってはならない旨の方針の明確化や、当該行為が確認された場合には厳正に対処する旨の方針やその対処の内容についての就業規則等への規定、それらの周知・啓発等の実施

・ 相談等に適切に対応するために必要な体制の整備(本人が萎縮するなどして相談を躊躇する例もあることに留意すべきこと)

・ 事後の迅速、適切な対応(相談者等からの丁寧な事実確認等)

・ 相談者・行為者等のプライバシーの保護等併せて講ずべき措置

 

詳細は、以下をご確認ください。

 

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00001.html

 

パワーハラスメント防止対策 法制化へ向けた方針を提示(11/20更新)

第 11 回 労働政策審議会雇用環境・均等分科会 が11/19に開催され、この中で、パワーハラスメント防止対策等について 話し合われました。

 

総論として

1)職場のパワ ーハラスメント防止は喫緊の課題であり、現在、法的規制がない中で、対策を抜 本的に強化することが社会的に求められている。

2)職場のパワーハラスメントの定義や考え方、企業が講ずべき措置の具 体的内容を明確化していくことが必要。

3)中小企業については、パワーハラスメントの防止に関するノウハウや専門知識が乏しいこと等から、その負担軽減に十分配慮し、支援を強化することが必要。

4)法律でパワーハラスメントを禁止することについては、民法等他の法令 との関係の整理や、違法となる行為の要件の明確化等の課題があることから、今 回の見直しにおける状況の変化を踏まえつつ、その必要性も含めて中長期的に検 討することが必要ではないか。

と述べた上で、

 職場のパワーハラスメントの防止対策 として、以下の4つを提示しました。

 

① 職場のパワーハラスメントを防止するため、事業主に対して職場のパワーハ ラスメントを防止するための雇用管理上の措置を講じることを法律で義務付 けるべきではないか。
② 事業主に対して措置を義務付けるに当たっては、男女雇用機会均等法に基づ くセクシュアルハラスメント防止の指針の内容を参考としつつ、職場のパワー ハラスメントの定義や事業主が講ずべき措置の具体的内容等を示す指針を策 定すべきではないか。
③ 男女雇用機会均等法に基づくセクシュアルハラスメント防止対策と同様に、 職場のパワーハラスメントに関する紛争解決のための調停制度や、助言や指導 等の履行確保のための措置について、併せて法律で規定すべきではないか。
④ その際、中小企業はパワーハラスメントの防止に関するノウハウや専門知識 が乏しいこと等を踏まえ、例えば、コンサルティングの実施、相談窓口の設置、セミナーの開催、調停制度の周知等の支援を積極的に行うこととしてはどうか。

 

詳しくは以下をご確認ください。

 

https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000405096.pdf

 

パワハラ増加の一途(9/20更新)

最近、世間では、スポーツ界のパワハラ問題等が、毎日のように報道されています。

これに伴い、職場でのパワーハラスメントに対しても従業員がかなり敏感になっているのではないでしょうか?パワーハラスメントは、業務上の指導との線引きが難しいとの声もよく聞きますし、

上司と部下との日頃の人間関係により、受け取る側の気持ちが大きく左右されるため、

トラブルが起きた場合、判断が難しいケースもよくあります。

 

しかし、セクハラは、男女雇用機会均等法で、マタハラは、育児・介護休業法で企業側に防止義務が定められているにも関わらず、パワハラについては、こういった特別法での防止義務が定められておらず、労働契約法第5条の安全配慮義務(※安全配慮義務とは労働契約に付随して、使用者が労働者に対して当然に負う義務であり、就業場所や使用する機器や器具の管理、使用者の指示の下で労務を提供する過程において身体や生命を保護するように配慮し、労働者の安全を確保すべき義務)によるだけで、他の2つのハラスメントに比べ対策が遅れているのも事実です。そこで、今回は、パワハラについての厚生労働省の定義についてご紹介したいと思います。

 

まず、職場のパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義されています。

パワハラは、一般的には、上司から部下に対するものを想像されるかもしれませんが、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われるものもあります。

 

これらについて、裁判例や個別労働関係紛争処理事案に基づき、次の6類型を典型例として整理しています。(これら以外は全く問題にはならないということではございませんのでご注意ください。)

 

1)身体的な攻撃

 暴行・傷害

 

2)精神的な攻撃

 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言

 

3)人間関係からの切り離し

 隔離・仲間外し・無視

 

4)過大な要求

 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害

 

5)過小な要求

 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと

 

6)個の侵害

 私的なことに過度に立ち入ること 

 

厚生労働省の明るい職場応援団というサイトに色々な資料が掲載されていますので、参考になると思います。https://no-pawahara.mhlw.go.jp/

 

パワハラに限らず、他のハラスメントも常日頃からの対策(トップメッセージや教育研修)が大事ですし、起きた場合の初動を失敗すると大きな問題となり、最悪の場合、企業の責任を追及され損害賠償請求をされる場合もございます。

パワハラ、セクハラ、マタハラ等のご相談は、当事務所まで。