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厚生労働省は、「令和7年度 個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。
総合労働相談件数は 119万8,010件となり、18年連続で100万件を超える高水準が続いています。労働トラブルは依然として身近な問題であり、企業の労務管理においても重要な課題となっていることがうかがえます。
(出典:厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」)
1.総合労働相談は高止まり
総合労働相談件数は 、119万8,010件(前年度比0.3%減)でした。
内訳を見ると、
・法制度の問い合わせ:78万3,579件(前年度比3.8%減)
・労働基準法違反の疑い:22万9,156件(同10.4%増)
・民事上の個別労働関係紛争:27万7,053件(同3.5%増)
となっています。
制度に関する問い合わせや労働基準法違反が疑われる相談が引き続き多い状況にあり、企業には法令を踏まえた適切な労務管理や、職場におけるルールの周知・運用がこれまで以上に求められているといえるでしょう。
2.民事上の個別労働紛争の相談内容
民事上の個別労働関係紛争では、今年度も**「いじめ・嫌がらせ」55,614件(前年度比1.1%増)が最多となり、14年連続で相談件数のトップとなりました。
相談内容の上位は次のとおりです。
・いじめ・嫌がらせ:55,614件(前年度比1.1%増)
・自己都合退職:38,386件(同7.5%減)
・労働条件の引き下げ:33,368件(同8.2%増)
・解雇:32,651件(同1.8%増)
・退職勧奨:26,022件(同1.6%増)
特に「労働条件の引き下げ」に関する相談が増加している点は、人件費の見直しや経営環境の変化を背景として、労働条件の変更を巡るトラブルが増えている可能性もうかがえます。
3.助言・指導の申出は増加、最多は「労働条件の引き下げ」
都道府県労働局長による助言・指導の申出は、9,616件(前年度比8.5%増)となりました。
申出内容の上位は、
・労働条件の引き下げ:1,220件(10.7%)
・いじめ・嫌がらせ:1,163件(10.2%)
・雇用管理等:937件(8.2%)
となっています。
助言・指導の処理は94.7%が「助言」によるものであり、ほとんどの案件が1か月以内に処理されています。
助言・指導には法的拘束力はありませんが、比較的迅速に利用できる行政サービスであり、紛争が深刻化する前の解決手段として活用されていることがうかがえます。
4.あっせん申請は大幅増、最多は「解雇」
紛争調整委員会によるあっせん申請は4,486件(前年度比16.0%増)と大きく増加しました。
申請内容の上位は、
・解雇:892件(18.2%)
・いじめ・嫌がらせ:868件(17.8%)
・雇止め:475件(9.7%)
・労働条件の引き下げ:453件(9.3%)
となっています。
一方で、あっせんの合意率は27.0%となり、前年度より低下しました。また、当事者双方があっせんに参加した割合も45.4%と半数を下回っています。
これらの結果からは、当事者間の対立が深まり、話合いによる解決が難しい事案が増えている可能性もうかがえます。
5.実務家として感じるポイント
● 「いじめ・嫌がらせ」が依然として最多
パワーハラスメント防止措置が義務化された後も、「いじめ・嫌がらせ」は依然として相談件数の最多項目です。
規程を整備するだけでなく、管理職への教育や相談しやすい職場環境づくりなど、制度を実効性のあるものとする取組が重要であることを示していると考えられます。
● 「労働条件の引き下げ」への対応は慎重に
人件費の見直しや経営環境の変化を背景に、賃金や諸手当など労働条件の見直しを検討する企業も少なくありません。
しかし、労働条件の不利益変更には労働契約法などのルールがあり、十分な説明や適切な手続を欠くと、労使間の紛争へ発展するおそれがあります。制度を正しく理解し、丁寧な説明と合意形成を図ることが重要です。
● 初期対応の重要性はますます高まる
あっせんへの参加率や合意率が低下していることから、紛争がより複雑化・長期化している可能性も考えられます。
トラブルが大きくなってから対応するのではなく、相談があった段階で事実関係を確認し、適切な対応を行うことが、紛争の拡大を防ぐための重要なポイントといえるでしょう。
6.まとめ
令和7年度の個別労働紛争解決制度の施行状況からは、
・総合労働相談件数は18年連続で100万件を超える高水準が続いていること
・「いじめ・嫌がらせ」が14年連続で最多となったこと
・「労働条件の引き下げ」に関する相談や助言・指導の申出が増加していること
・解雇や雇止めを巡る紛争が依然として多いこと
・あっせんの合意率や参加率が低下し、紛争の複雑化がうかがえること
などが明らかになりました。
労働紛争の多くは、突然発生するものではなく、日頃のコミュニケーション不足やルールの曖昧さ、小さな対応の遅れが積み重なって表面化します。
そのため、就業規則の整備だけでなく、管理職教育や相談体制の充実、日常的な労務管理の見直しを継続して行うことが、紛争予防につながります。
今回の統計は、「問題が起きてから対応する」のではなく、「問題を起こさない職場づくり」の重要性を改めて示す内容であったといえるでしょう。
詳細は、以下よりご確認願います。
◆総括:名目賃金は3%台の増加が続く一方、労働時間は大幅減少
2026年5月の毎月勤労統計調査速報では、名目賃金(現金給与総額)が前年同月比3.2%増となり、春季労使交渉による賃上げの流れを反映した堅調な伸びが続きました。
一方で、総実労働時間は前年同月比3.8%減となっており、賃金の増加と労働時間の減少が同時にみられる結果となりました。近年進められてきた働き方改革や人手不足への対応などを背景に、労働市場の変化を示す結果とも考えられます。
(出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査2026年5月分結果速報」)
◆1.名目賃金の動向:現金給与総額311,165円(前年同月比+3.2%)
名目賃金は全体として堅調に推移しています。特に以下の点が特徴的です。
●就業形態計(5人以上)
・現金給与総額:311,165円(+3.2%)
・きまって支給する給与:295,945円(+3.0%)
・所定内給与:275,942円(+3.0%)
・特別給与:15,220円(+5.2%)
特別給与は前年同月比5.2%増となりました。特別給与は賞与や一時金などが含まれ、支給時期の違いなどの影響も受けやすいため、単月の動向として捉える必要があります。
●一般労働者
・現金給与総額:400,312円(+3.5%)
・所定内給与:351,163円(+3.4%)
一般労働者では3%台半ばの伸びとなり、春季賃上げの効果が反映された結果となっています。
●パートタイム労働者
・現金給与総額:113,759円(+1.5%)
・所定内給与:109,373円(+1.4%)
・時間当たり給与:1,452円(+4.9%)
時間当たり給与は4.9%増と高い伸びとなりました。一方で、現金給与総額の伸びは1.5%にとどまっており、労働時間の変化なども含め、総額の伸びは時間当たり給与ほど大きくなっていません。
◆2.実質賃金:2か月連続で前年同月を上回る
物価上昇率が落ち着きつつある中、実質賃金は以下のとおり改善しました。
・消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で実質化:84.3(+1.4%)
・消費者物価指数(総合)で実質化:86.1(+1.7%)
名目賃金の伸びが物価上昇率を上回ったことから、実質賃金は2か月連続で前年同月を上回りました。
長く続いたマイナス基調から改善の動きが続いていることがうかがえます。
◆3.産業別:金融・製造・卸売・小売業で高い伸び
産業別の賃金動向を見ると、業種による違いが引き続きみられます。
●伸びが大きい産業
・金融業・保険業:+7.1%
・鉱業・採石業:+6.3%
・卸売業・小売業:+4.7%
・製造業:+3.8%
金融業・保険業では最も高い伸びとなり、卸売業・小売業や製造業でも賃金の上昇がみられました。
●伸びが小さい産業
・教育・学習支援業:+0.8%
・飲食サービス業等:+1.2%
・生活関連サービス業等:+1.2%
産業によって賃金上昇率には依然として差がみられ、業種ごとの経営環境の違いがうかがえます。
◆4.労働時間:総実労働時間は前年同月比▲3.8%
賃金が増加する一方で、労働時間は大きく減少しました。
・総実労働時間:129.4時間(▲3.8%)
・所定内労働時間:120.0時間(▲3.8%)
・所定外労働時間:9.4時間(▲3.0%)
所定外労働時間(残業時間)も前年同月を下回りました。働き方改革の進展や企業の労務管理の見直しなど、さまざまな要因が影響している可能性があります。
特に教育・学習支援業(▲9.9%)、電気・ガス業(▲7.2%)では減少幅が大きくなっています。
◆5.雇用動向:常用雇用は前年同月比+0.8%
・常用雇用:52,089千人(+0.8%)
・パートタイム労働者比率:31.14%(+0.09ポイント)
常用雇用者数は緩やかに増加しており、パートタイム労働者比率も大きな変化はみられませんでした。
◆総括:賃金上昇と労働時間減少が同時に進む傾向が続く
2026年5月の毎月勤労統計調査では、次のような傾向が確認されました。
・名目賃金は3%台の伸びを維持
・実質賃金は2か月連続で前年同月を上回る
・労働時間は減少傾向が続く
・産業間の賃金上昇率には依然として差がみられる
一人当たりの賃金水準は上昇する一方、労働時間は減少しており、「より少ない労働時間で賃金水準を維持・向上させる」という方向性がうかがえる結果となりました。
今後は、賃金上昇の流れがどこまで持続するのか、また、労働時間の減少が生産性の向上や企業の持続的な成長につながるかが注目されます。
企業にとっては、賃上げへの対応だけでなく、労働時間の適正管理と生産性向上をどのように両立させるかが、今後の人事・労務管理における重要な課題となります。
毎月勤労統計調査は、賃金や雇用、労働時間の動向を把握し、自社の人事・労務管理を見直す上でも参考となる重要な統計資料といえるでしょう。
詳細は、以下よりご確認願います。
2026年夏に企業が押さえておきたい人事労務のポイント
厚生労働省は、2026年7月1日付で「人事労務マガジン定例第189号」を公表しました。
人事労務マガジンは、法改正や助成制度、各種セミナーなど、人事・労務管理に関する最新情報を定期的に配信しているものです。
今回の第189号では、2026年10月施行予定のハラスメント対策の強化をはじめ、年次有給休暇の取得促進、育児・介護との両立支援、採用力向上、AI活用など、企業の実務担当者が押さえておきたい内容が数多く紹介されています。
今回は、その中でも特に注目したいポイントをご紹介します。
1 10月施行「改正労働施策総合推進法」説明会
2026年10月から施行される改正法では、カスタマーハラスメント(カスハラ)や求職者に対するセクシュアルハラスメントについて、事業主に雇用管理上の措置を講じることが義務付けられます。
企業では、施行までに次のような準備が求められます。
・ハラスメント防止方針の策定・周知
・相談窓口の整備
・従業員への研修・教育
・採用活動における適切な対応体制の整備
厚生労働省では全国の労働局で説明会を開催しており、改正内容を効率よく確認できる機会となっています。
2 年次有給休暇の取得促進
夏季休暇シーズンを迎え、厚生労働省は年次有給休暇の計画的な取得を呼びかけています。
企業で活用しやすい制度として紹介されているのが、
・計画的付与制度
・時間単位年休制度
です。
年休取得は、法令遵守だけでなく、従業員のリフレッシュや生産性向上、離職防止にもつながります。
繁忙期とのバランスも考えながら、自社の運用を見直す良い機会といえるでしょう。
3 育児・介護との両立支援セミナー
育児・介護休業制度への対応をテーマとしたセミナーが全国で開催されています。
男性の育児休業取得促進や柔軟な働き方、職場復帰支援など、実務担当者が悩みやすいテーマについて、専門家から具体的なアドバイスを受けることができます。
オンライン開催も多く、参加しやすい点も特徴です。
4 育児・介護の両立支援に関する無料個別支援
厚生労働省では、中小企業向けに無料の個別支援も実施しています。
社会保険労務士や中小企業診断士などの専門家が、
・法改正への対応
・制度導入
・育児・介護休業取得の運用
・職場復帰支援
などについて助言を行う制度で、これから制度整備を進めたい企業にとって有効な支援策です。
5 「ハローワーク徹底活用セミナー」
採用難が続く中、求人票の作成方法やハローワークの支援サービスを学べるセミナーも紹介されています。
求人票は、募集条件を記載するだけでなく、自社の魅力を伝える重要な採用ツールです。
応募が集まりにくい企業ほど、一度求人票の内容を見直してみる価値があります。
6 AIを活用したハローワークAIチャットボット
厚生労働省では、生成AIを活用したハローワークAIチャットボットの試験運用を予定しており、モニターの募集が行われています。
求人手続きや各種サービスの利用方法についてAIが案内する仕組みで、今後の行政サービスの利便性向上が期待されます。
7 労働契約等解説セミナー
労働契約法や無期転換ルール、副業・兼業ガイドラインなど、労働契約に関する基礎知識を学べるセミナーも開催されています。
オンライン講座やテーマ別講座のほか、個別相談にも対応しており、人事労務担当者の知識習得や実務対応力の向上に役立つ内容となっています。
8 東京労働大学講座専門講座
長年実施されている東京労働大学講座では、人事管理や労働法、労働経済などについて体系的に学ぶことができます。
制度の背景まで理解したい担当者や、人事労務の専門性をさらに高めたい方に適した講座です。
9 労働者協同組合オンラインセミナー
労働者協同組合を活用した地域づくりや、介護・障害福祉・子ども支援などの実践事例を紹介するオンラインセミナーも案内されています。
地域課題の解決や新たな働き方の選択肢として、労働者協同組合への関心は高まりつつあります。
まとめ
今回公表された「人事労務マガジン定例第189号」では、人事労務担当者が押さえておきたい情報が幅広く紹介されています。
特に注目したいのは、
・2026年10月施行のハラスメント対策強化への準備
・育児・介護との両立支援制度の活用
・採用力向上に向けた求人活動の見直し
・AIなど新たな行政サービスの活用
といったテーマです。
制度改正への対応はもちろん、人材確保や職場環境の整備は、企業経営における重要な課題となっています。厚生労働省が提供する説明会や無料支援、セミナーなども積極的に活用し、自社の人事労務管理に役立てていきましょう。
※本記事は、厚生労働省が公表した「人事労務マガジン定例第189号」の内容を参考に、実務上のポイントを整理・要約したものです。
詳細については、厚生労働省の以下の公表資料をご確認ください。
平均100万円超も、業種間格差がより鮮明に
日本経済団体連合会(経団連)は、2026年7月2日、「2026年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(第1回集計)」を公表しました。
今回の調査は、従業員500人以上の大手企業248社を対象としており、このうち20業種158社(63.7%)の妥結状況が集計されています(平均額が不明な企業など46社は集計対象外)。
2026年の夏季賞与は、全体としては昨年に引き続き高水準を維持した一方で、業種ごとの業績や経営環境の違いを反映し、業種間の格差がより鮮明となったことが特徴です。
📌 総平均・製造業・非製造業の動向
・総平均:1,008,706円(前年比 +1.88%)
・製造業平均:1,060,434円(前年比 +1.63%)
・非製造業平均:864,712円(前年比 +4.01%)
製造業は平均額が100万円を超え、3年連続で高い水準を維持しました。半導体や電子部品関連が堅調な電機、海洋関連需要が回復した造船などが全体を押し上げています。
一方、非製造業も前年を上回りましたが、業種によって明暗が分かれました。鉄道では旅客需要の回復を背景に増加した一方、航空や情報通信では投資負担やコスト増などを背景に伸びが限定的となっています。
※総平均は集計対象企業全体の加重平均であり、製造業・非製造業の平均額とは集計対象企業数や構成が異なるため、単純に比較できるものではありません。
🔍 業種別の主な動向(加重平均)
※数値は経団連公表資料を基に要約しています。
■ 増加が目立つ業種
造船:1,311,785円(+9.64%)
海洋関連需要の回復や設備投資の拡大を背景に、高い伸びとなりました。
鉄道:1,022,730円(+7.64%)
旅客需要の回復が続き、収益改善が賞与にも反映されています。
電機:1,153,258円(+7.99%)
半導体や電子部品関連の堅調な需要が支えとなりました。
食品:1,270,572円(+10.33%)
価格改定の浸透などにより収益改善が進み、大幅な増加となっています。
■ 減少が目立つ業種
自動車:997,155円(▲8.97%)
昨年は非常に高い水準の賞与となった企業も多く、その反動に加え、EV投資やサプライチェーンの再構築など構造的な負担が影響したものと考えられます。
航空:707,616円(▲1.67%)
旅客需要は回復傾向にあるものの、燃料費や設備投資負担などが重しとなりました。
情報通信:882,669円(▲0.18%)
業績の好不調が企業ごとに分かれ、全体ではほぼ横ばいとなっています。
■ 横ばい・小幅増減となった業種
・化学:1,089,826円(+5.79%)
・印刷:914,957円(+7.16%)
・紙・パルプ:740,345円(+1.43%)
・繊維:957,222円(+5.86%)
📝 今年の特徴 業種間格差の拡大がより鮮明に
2026年夏季賞与の結果からは、総平均は前年を上回ったものの、その内訳を見ると業種ごとの差が一段と広がっていることが分かります。
✔ インフラ関連や設備投資需要の恩恵を受ける業種が好調
造船や電機、鉄道などでは、設備投資やインフラ需要を背景として高い伸びが見られました。
✔ 自動車業界は大幅減少
昨年の高水準からの反動に加え、EVシフトへの対応やサプライチェーン再構築など、構造転換に伴う負担が賞与にも表れています。
✔ 非製造業は回復基調ながら慎重姿勢も
人件費や各種コストの上昇を背景に、航空や情報通信などでは賞与の伸びが限定的となりました。
📚 調査の概要
・調査対象:従業員500人以上の大手企業
・対象企業:248社(主要23業種)
・今回集計:158社(63.7%)
・「▲」は前年比マイナスを示します。
・従業員平均を含む業種は「(従)」と表記されています。
・集計社数が2社未満の業種は個別数値を公表していませんが、総平均には含まれています。
(出典:経団連「2026年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(第1回集計)」)
🔎 社労士としての視点 「人件費戦略」の違いがより明確に
今回の調査結果から読み取れるのは、賞与が従来以上に企業業績や経営戦略を反映するものとなり、企業ごとの人件費戦略の違いが一層鮮明になっているという点です。
設備投資やインフラ需要を追い風とする業種では、人材確保・定着を目的として積極的な賞与水準を維持する動きが見られる一方、構造転換や投資負担の大きい業種では慎重な対応が続いています。
また、近年の賃上げの流れを受け、企業には基本給だけでなく、賞与や福利厚生を含めた総額人件費を戦略的に設計することが求められています。
今後は、「他社が賞与を増やしているから自社も増やす」という考え方ではなく、自社の業績や将来の投資計画、人材確保・定着とのバランスを踏まえた制度設計がより重要になるでしょう。
さらに、賞与額そのものだけではなく、「なぜこの水準なのか」を従業員へ丁寧に説明できる仕組みづくりも、従業員の納得感やエンゲージメント向上につながる重要な要素といえます。
✨ まとめ
2026年夏季賞与は、平均額が100万円を超えるなど全体としては堅調な結果となりました。
一方で、業績や投資環境、構造転換の影響を受け、業種間・企業間の差はこれまで以上に広がっています。
今後も賃上げの流れが続く一方で、企業を取り巻く経営環境には大きな違いがあることから、賞与水準についても二極化が進む可能性があります。
詳細は、以下よりご確認願います。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/037.pdf