最高裁初判断 自賠責 労災保険で支給を受けても被害者へ全額(10/2更新)

交通事故被害者が政府の労災保険の給付では補いきれない損害を受けた場合、加害者の自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)からどれだけ保険金を受け取れるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は27日、保険会社は従来の運用よりも被害者への保険金を増やさなければならないとの初判断を示しました。

 

各保険会社は、従来、被害者が労災保険の給付を受けた場合、国への補填に充てるため保険金の一部を差し引き、残額を支払う運用を行ってきました。保険会社は今後、保険金全額を被害者の補償に充てる運用への見直しを迫られることになります。

今後は被害者がより多く保険金を受け取れるケースが増えるとみられます。

 

ハマキョウレックス事件最高裁判決について(6/2更新)

6月1日にハマキョウレックス事件最高裁判決が出ました。

テレビのニュースや新聞等でご覧になられた方も多いのではないでしょうか。

最高裁の判決を端的にまとめると以下の通りではないでしょうか。

 

①有期契約労働者と無期契約労働者の労働条件の相違が違法であったとしても、有期契約労働者の労働条件が無期契約労働者の労働条件と同一のものとなるわけではないこと。

 

②不合理さは、賃金の総額を比較するだけでなく、各手当毎に個別に判断する必要があること。

 

②については、長澤運輸事件の訴訟でも同様の判断がされており、今後の訴訟では、この見解で判断されることになるでしょう。

 

 各手当については、長澤運輸事件では、精勤手当が、ハマキョウレックス事件では、皆勤手当、無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当について、無期と有期で手当の支給に差を設けることが違法であると判断されました。

 

 精勤手当(皆勤手当)については、両事件ともに、待遇差が違法であると共通の判断であることから、正規、非正規で現在待遇差を設けている企業については、見直しが早急に必要になると考えます。

  

 働き方改革関連法案も国会で審議されていますし、今後、企業は、非正規社員の待遇見直しの必要性に迫られることから、この判決の影響は大きいと考えます。

 

 この判決を受け、今後このような訴訟が増えることが予想されるため、各企業の人事は、早急に各手当について支給根拠等について精査する必要があります。

 

長澤運輸事件最高裁判決について(6/2更新)

6月1日に長澤運輸事件最高裁判決が出ました。

テレビのニュースや新聞等でご覧になられた方も多いのではないでしょうか。

最高裁の判決を端的にまとめると以下の通りではないでしょうか。

 

①有期契約労働者が、定年再雇用者の場合は、正社員との労働条件の相違が不合理であるかどうかの判断は、職務内容及び配置の変更の範囲をみるだけではなく、定年再雇用されたという事情も考慮する必要があること。

 

②不合理さは、賃金の総額を比較するだけでなく、各手当毎に個別に判断する必要があること。

 

 ①については、無期雇用を前提とした年功的な、日本の企業の賃金制度下では、定年退職することを前提に賃金制度が設計されているため、再雇用後に賃金が下がることはやむを得ないことであるし、また、60歳定年以降賃金が下がることを前提に、それを補填するために、在職老齢年金等も支給されるため、定年前と比べ給与が下がることは社会的に広く行われていることなので、やむを得ないということです。

 

 ②については、労働条件の相違が不合理かどうかをの判断は、手当の項目を個別に見て、精勤手当のように、皆勤したという事実に基づいて支払われるものについては、同一の仕事をするもので雇用形態が違うことを理由に支払わないことは不合理な差別であるので、正社員と同様に支払いなさいということです。

 

 この判決が、現在の定年再雇用制度にすぐに大きな影響を与えることはないと考えますが、賃金については、総額でみるだけではなく、個別に見る必要があるという判断基準が出されたことから、今後、定年再雇用後に、同一の職務につかせる場合については、給与を設定する際に注意が必要です。

 また、すぐには難しいのかもしれませんが、こういったトラブルを避けるためにも、年功型の賃金制度から、職務給へのシフトも検討が必要となる企業が増えるのではないでしょうか。